今時の小学校で、英語授業はどんなだろう。
小学生の英語知識はどんなだろう。
これを知りたいと、近隣(バスと徒歩で40分)の小学校で、「外国語支援員」として関わって1年。
いろいろ「支援員」としてできることは何かと考えるが、最近、意識しているのは「英語や英語圏の多様性を示す」こと。
担当している小学5、6年生の教科書は、光村書店の「Here We Go」。
限られた授業数と、いっぺんに教える生徒の多さ(35人前後)が前提条件だ。
そのような条件で、教科書の作りは思った以上に工夫されているが、「こうも言うが、これでもいい」という語学にありがちな多様性まで、文科省の指導要領にも縛られているのだろう、深くは踏み込んでいない。
それでも、生徒たちが「あーだ」「こーだ」と言える場なら、発言を拾いながら教科書以外の表現や、巷で耳にする「英語」と関連づけることもできそうだが、発言が少ないという日本人の特性(?)と1クラスの人数の多さと限られた授業数で、そうもいかない。
「支援員」になって1年経って、教科担当の先生とのゆるやかなチームワークも取れてきた昨今、わたしが代わって「あーだ」「こーだ」と、時々口出しをさせてもらっている。
その一例。
授業冒頭の挨拶、ほとんどいつも、どのクラスも、同じパターン。
飽きる。
昔も日本人の「英会話」はワンパターンだったが、最近ちょっと変わったのは、
How are you? の後に、
I am sleepy やら I am hungry.
が聞こえる。
…ま、いっか。
I’m fine, thank you. のワンパターンより変化がある?
でもそれもパターン化したある朝、ひとりの生徒のTシャツに書いてあった
What’s up?
を見て、「変化球」を投げる気になった。
いつもは、How are you? だったところに、
What’s up?
教室はシーン。
無論、What’s up Tシャツを着ている生徒も、シーン。
「How are you?を、いかにも言いそうな時に、What’s up? ときたなら、どんな意味だと推測する?」
このヒントで、
I’m good.
と答えた子が数人。大変よろしい。
「仲間同士なら、これもありだね」と、「仲間同士」を条件とすることと、釘をさす。
英語のいろいろを教える、小さな一歩でした。
カジュアルな、仲間英語が学べる『Yo! Yes?』