先日は、オンラインでの認定講師講座、課題書は『Grandfather’s Journey』だった。
大人を対象にこの絵本をリードアラウドしようという、英語指導者のみなさんとの3時間だ。
たくさんの発見があった。
特にはっきりと再確認したのは、「読解と表現の相関が高い」(読解が深まると表現が深まる。表現が深まると読解が深まる)ということ。
リードアラウド講師講習では、いくつか「技術的」な演習もする。ひとによってはこれによる効果を大きく感じさせる。特に、ある期間継続すると、ある程度の表現力として定着する。
だが、表現の上で一番大切であり、仮に一回の講習しか取れない場合には、その後もじわじわ効く可能性があることがある。それは、絵本はちゃんと読解して読むものだ、という絵本への向かい方を知ること。
このたびの受講者のひとりが、読解に多くの時間を割いた本講座の仕上げに、通読するのを聞いていて、その読解の深まりを、同時に表現の深まりを確信した。
特に本の後半、おじいさんが日米間の戦争に翻弄されてしまう場面だ。
力強く伝わる読み手の感情に、こちらの感情も揺さぶられ、思わず熱いものがこみ上げた。
「怒っているのでしょう?」と問うと、
「はい、わたし怒っていますよ」と。
技術的にはまだ磨けるところや、感情の取りこぼしがあっても、本人なりに深く読解ができたところは、本文の言葉に読み手の心が乗り、聞く人の心をも揺さぶることができる。