2020年度の認定講師講座が、1月の発表会で終了した。
英語指導者に、絵本の朗読と、それを指導する力を磨く講座、一年間の習得の発表会である。
朗読。
聴かせていただいて、まずは、みなさんが朗読への興味を持って、朗読を磨く「面白み」を共有していただけているなあ、という感慨があった。
世間には、聞いていて何のイメージも浮かばない、文字面をただ「きれいな」発音や抑揚で読む朗読や、型にはまった仮面のような朗読、また朗読にも至らない読み下しがある。
そこにあって、英語がよくわからない人の頭にイメージと各場面に漂う感情が伝わる朗読を、一緒に目指している連体感のようなものが感じられた。
次なる高みへの力が湧く。
ところで、リードアラウド認定ベテラン講師R先生が、発表会を前にとても興味深い経験を話してくれた。
小学生に、『The Little House』読んで聞いてもらった時のこと。
英語がかなりわかるようになってきた4年生だが、最初、先生が読むのを聞いてあまり意味がわからなかった。わかるところと、わからないところがモザイク状…..。それに対してR先生は、わからなかったところは、自分の読み方に問題があったと気付いた。
理解してもらえなかったところは、そっくりそのまま、R先生自身の頭の中でイメージが湧いてないところ。文字面だけを読んだところだった……。
気づきは、とても重要だ。一人で読んで、いくら録音を聞いても、自分が大した耳を持っていないと、問題点を発見できない。しばらくは、「耳のいい人」に指摘してもらうことが、一番大切。
それを続けて、自分の耳がよくなってくれば、自分で問題点を発見できる。
この繰り返しで、だんだんと自分の耳も、「口」もよくなっていく。
さて、R先生が自覚したイメージがわかない言葉、平坦になっている言葉に、イメージを取り戻すのは、どうしたらいいだろう。
それは、私の経験から言うと、筋トレに似ている。
少しずつ「筋肉」は付いてくる。でも落ちやすい。
1年休むと、70%くらい落ちる。3か月なら、50%?続けなければ、20%くらいまで落ちてしまう感じだろうか。
でも朗報がある。
この「筋肉」すなわち表現力は、一度しっかりつけたものなら、たとえいくらか落としても、回復が速い。
初心者の時のような、ジリジリと力がつくのではなく、パッと、失った半分が数ヶ月で戻ることが多い。
さあ、来年度。
「筋力」を落とした人はパッと戻して、まだまだの人はジリジリ力をつけて、ご一緒して行きましょう。