認定講座で、今年度最後にとりあげる絵本『Crow Boy』、独白口調で読もうと思う。
問題は、「ぼく」がだれか、の認識と、その「ぼく」のキャラクター分析。
「ぼく」は、Crow Boyを無視していたクラスメートのひとりだろう。
いじめっ子ではないが、積極的にCrow Boyと仲良くしたりはしなかった、傍観者。
でも、6年間一緒に学校で過ごし、最後の学年で見方を変えた。
もともと、優しい心はあった人なのかもしれないし、そうでないかもしれない。
数々のCrow Boyの「変わった」様子を述べるときの、距離の置き方は、「ぼく」のキャラによって違う。
でも、最後まで読むと、「ぼく」が決してCrow Boyのよさをわからない人ではないこともわかる。
超然と第三者的に、まるでNHKのニュースアナウンサーのように読んでは違和感があるだろう。
べたべたに同情して読むのも、ぴんとこない。
「ぼく」とCrow Boyの距離、どこでどのくらいなのか。
ベテラン域に入っているみなさんは、ページを繰りながら、その細やかな読解と表現まで追求してみよう。