12月22日の夕べに神保町のブックハウスカフェで、リードアラウド研究会が朗読会をさせていただく。
その練習を研究会の皆さんとした。
研究会の「上級生」になると、どこをどうしたらさらに良くなるかを聴く耳が試される。
集中して聴いた。
気がつくのは、上達する皆さんに、
幾つか、違った「方面」からの上達の仕方があるということ。
その一つが、全体のまとまりか。
「まとまって」聞こえるので、この方面から上達した朗読者への指南、なかなか難しい。
練習後もどうしたものか考えていたところ、柳家小三治さんの自伝的コラムを読んで「ピカ〜ン」。
名人と言われた古今亭志ん朝さんについての、小三治さんの評価が、なるほどと思えるものだった。
以下、小三治さんの発言。
「志ん朝さんといえば、テンポのいい口調について言う人が多いけれども、私は口調の奥にあるものを見ようとしてた。
芸の神髄は結局、そこなんですね。
表面に出ているものより、奥にあるもの。
そこに演者の個性が感じられる。
このしゃべり手は、何を持って人間の素晴らしさを感じるかっていうことかな。」
リードアラウドの求める朗読は、そつなく滑らかなだけのではない。
口先だけでない、そこに描かれている物語への朗読者の共感や気持ちを表すことを目標にしている。
どう思うのか。どの場面、どの箇所で、朗読者は心を動かしているのか。
周囲の素人による評価が「お上手ね」と言われているようなら、これからの目標はこれ。
朗読の奥!
果たして「奥」まで自分は読み込んでいる?
「奥にある」のなら、それをどう口にのせる?
本に描かれた、人間や人生の素晴らしさが聞こえてくる、滲み出る読みを目指そう。