リードアラウドが大切にしていること、
それは、絵本に書かれていることを表現豊かに読むこと、
読んで表現すること。
oral interpretationをすること、とも言える。
口に載せて表現することで、解釈を深める。
リードアラウドのアクティビティとして行っているリーダーズシアターも、oral interpretationのひとつの形だ。
演劇等のパフォーミングアーツで言われることが多い言葉だが、語学学習に抜群の効果をもたらすと、わたしたちを含めて、気づいている人たちもいる。
oral interpretationについてのペーパー(報告書)を読んで、英語習得の手段としてそれが強く、可能性も大であるという思いを新たにした。
Oral interpretationと聞いて思い出すのが、名優オーソン・ウェルズと電話帳のエピソード。
名優は、ただの電話帳でさえも、たいそうドラマチックに読めたらしい。
oral interpretationの最たるものだろう。
リードアラウドでも、書かれているものを、自分のなかに取り込み、解釈を加え声として出すということを目標にしているのだが、
そのとき、問うのはこんなこと。
・語り手はだれ?
・だれに話している?
・いつ?
・どこから言っている?
・目的は?
・何を?
・どのように言っている?
理想的には、これらを考えて、読むと、書かれていることが、現実のもののように浮き上がり、息をしはじめる。
聞いている人たちに、物語が「見えて」くる。
これは「ただ読む」のとわけが違う。
読み手は書かれていることの「通訳」(interpreter)たるべきなのに。
それにしても、なんと日本の英語界に、
「ただ読む」ことでよし、とする空気が溢れていることか。