英語えほん千夜一夜:第18夜『The Story of Ferdinand』

The Story of Ferdinand 文 Munro Leaf 絵 Robert Lawson 978
$6.99 AD830L

 猛々しい姿に似合わず、コルク樫の木の木陰で花鳥風月を愛でる雄牛、Ferdinand。このユニークな主人公の本書は、1936年以来の正真正銘のロングセラーだ。作者は米国人だが、舞台はスペインのアンダルシア地方。この地で雄牛といえば、bull fight(闘牛)が連想される。
 その闘牛の牛を育てる牧場が舞台だ。All the other little bulls he lives with would run away jump and butt their heads together(一緒に暮らす他の若い雄牛はみんな、飛び跳ねたり頭をつきあったりしているのに), but not Ferdinand(フェルディナンドは違った)。木陰の大好きな場所で、He liked to sit just quietly and smell the flowers(静かに座って、花の香りを嗅ぐのが好きだった)。母牛は、仲間と交わらない息子を案じるが、幸せならばと理解を示す。時が経ち、子牛たちはみな大きく逞しく成長した。What they wanted most of all was to be picked to fight at the bull fights in Madrid(雄牛たちの一番の望みは、マドリッドでの闘牛に選ばれること)。But not Ferdinand。未だに花を楽しんでいた。そんなある日、牛を選びに5人の闘牛士がやってきた。
 自分は選外と確信していたFerdinandは、いつもの木陰に無造作に腰をおろした。ところが、he sat on a bumble bee(マルハナバチの上に座ったのだ)!すると…He ran around puffing and snorting, butting and pawing the ground as if he were crazy(まるで狂ったように息を吐き鼻息荒く、角をつき、地面をひづめで蹴りながら走りまわった)。闘牛士たちが歓喜して、フェルディナンドに白羽の矢を立てたのは言うまでもない。そしてマドリッドの闘牛場。埋め尽くした大観衆の熱気は、若い雄牛の登場で最高潮に。勇ましい戦いを見せてくれるはずだった…。But not Ferdinand。
 この後はHappy endでほっとする。Mahatma Gandhiが好きな本に挙げた、という逸話にも納得。スペイン内乱勃発時の刊行で、スペイン、ドイツなどで発禁になったのも興味深い。

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