渋谷の文化村ザ・ミュージアムで8月4日まで開催されている、絵本作家レオ・レオニの展覧会を見てきた。
絵本の原画よりも、実は寄書『平行植物』(Parallel Botany)の挿絵が見たかった。
それと、知名度が他の絵本ほど高くないが、とても好きでリードアラウドでは入門レベルにも使う On My Beach There Are Many Pebbles の原画も見たかった。
見た!
画家になりたい人だったのだと、よく分かった。
基礎力が高く、絵がうまいのだ。
『平行植物』を描いていた頃の作品で、不思議な想像上の植物をシュールに描いたダリ風の油絵に足が止まった。
Fine Artsで生活していくのは、どこでも、いつの時代でも大変だ。
何でも器用にこなせ、いわゆる「お勉強」も出来たレオニは、Fine Artsではなく商業芸術を選び、NYで超一流のアートディレクターになった。
絵本は、孫が出来てからその孫たちを思い浮べて作ったところ、人気になり賞まで受賞し、本格的になったという。
肩の力が抜けていて、わかりやすい作品。
別人の作品のようだ。
とはいえ、隅々まで神経が行き届いた、さすが超一流のアートディレクターのセルフ・プロデュースである。
1冊だけ、Fine Artsの香りを醸しているのが、初期の作品であるOn My Beach〜。
これで、実験的に彼が「本当にやりたいものをやってみた」のではないか、とわたしは勝手に思う。
わたしが行ったのは、平日の午前中。
なのに、意外と人が多い。
なんだか残念なのは、出口近くの「グッズ」売り場の様子。
レオニの絵本より、「グッズ」に人だかりがしていること。
ま、わからないではないけれど……。