『風立ちぬ』わざと棒読みの声優にしたらしい

この夏、話題のジブリ作品。
やっと予告編を見た。

宮崎駿監督がインタビューで言っていたあることが、気になっていた。
自作の主人公、零戦を設計した技師の声を、「外国ドラマの吹替えのような声にしたくなかった」と言うのだ。

あの一連のスタイル、お笑いのネタになるくらい不自然というか、独特のもので、わたしも違和感を持っている。

実は、「絵本読み聞かせ」の読み手の一連のスタイルにも近いものがあり、それにも違和感がある。
まあそれが、わたしがリードアラウドを始めたひとつの動機でもあるのだが。

さて、宮崎さんが選んだ「声優」は、なんと庵野秀明さんという仕事仲間で、アニメ監督。
声の仕事は初めての素人だ。

庵野さん自身は、自分を「棒読みです」と言っている。
だが、あの宮崎駿さんが抜擢した読み、表現はどういうものなのか。

ある芸術家が選んだ、この主人公役に適した台詞の読み方とは?
とても知りたかった。
予告編の冒頭で、ちらっと聞ける。

ううむ。

P.S.
重要なテーマ曲も、なんと「荒井由美」の『ひこうき雲』。
学生時代に「大島、おまえでも歌手になれるかも」と引き合いに出された、素人っぽい歌声である。

だが、これは「美空ひばり」が歌ったら、台無しになる歌。
マライヤ・キャリーでもホイットニー・ヒューストンでもだめ。

切ない(実は声量がとぼしかったり、音程がぶれたりしているだけかもしれないが)感じが、心を打つ。

久しぶりに聞いて、涙までこぼしてしまった……。

よい表現芸術には、技術が勝てない「心」という要素があるようだ。