2歳児のお母さんの質問とその答え〜リードアラウド研究会

ブックハウスカフェでリードアラウドのあと、皆勤賞を差し上げたいくらい熱心に参加してくださっている、2歳児のおかあさんから質問をいただいた。

このごろ単語は指差して言ったりするようになったのですが、単語だけなんです。文章はどうしたら読めたり、言えるようになりますか?

何気ない自然な感じの質問ですが、内容がすごいじゃないですか!?

2歳になったばかりの子どもが、月に1回のリードアラウドと家庭での親のフォローだけで、もう英語のwordsをいくつも認識できるなんて。

以下は、わたしの答え。

いまもうすでに、認識できる単語があること自体、素晴らしい。英語ネイティブの子どもも単語から、恐らく平均では3歳前後から文字を認識し始めるでしょう。

単語といっても、一語文という立派な文もあります。だから、もう一語文が読めるということです!

最小単位の一語文から、二語文、三語文……と、英語ネイティブの子どもは、就学前にゆっくり助走を始めます。このように読める語数を増やすことができた子どもは、そのあともつまずかずに小学校低学年で、かなりの文が読めるようになります。

非英語ネイティブの子どもの場合、readingの伸び方は、小学生になるとどうしてもネイティブと違ってきます。でもまだ就学前、それも2歳ですから、調子は上々です。これから強制的と思われない程度に、二語、三語……とゆっくり進めていけば、まったくもって大丈夫!

Egg

英語ネイティブの英語の学び方〜G3で非ネイティブを大きく引き離す

小学生アドバンスクラス では、今期のGrammarはこのworkbookのG3(写真はG1)を使用している。

G1、G2と学んできた項目や順番はほぼ同じだが、おおざっぱに示された分類や約束事が、学年があがってより細かい理解を求めてくる。

先日は「Action Verbs」の項目だった。G1では「Action Words」というくくりでざっくりと、G2では「Verbs」という呼び名が紹介されて、文中のどれか、わかりやすい初級単語で学んだ。

G3になって、Verbsだけで5項目、ページ数が5倍もある。「Action Verbs」はそのうちの1項目。

ここで、「もうaction verbsは知っている」つもりの生徒に、そして「もう指導した」つもりの指導者に、ちょっと意外な展開がされる。

 

「Circle the action verb in () that paints a more vivid picture of what the subject is doing。」と、ウォームアップのあとに指示される。「よりvividな絵が浮かぶ動詞はどちらか」という二択問題だ。こんな展開、考えたことがなかった……。

こんな問題だ。

 

Father (whispered, talked) to the baby.

The puppy (ate, gobbled)down his food.

The ball (fell, bounced) down the stairs.  これら、カッコ内の動詞のどっちがvividか?

 

これは、grammarといいながら、synonymsの問題でもある。

直喩的な初級動詞だけに止まらせず、ある行動を言い表すのに、ニュアンスのある別の単語もあることを、G3で動詞の文法の枠で教え始めている。

もう、ここで日本の今までの中学英語はおいてきぼりになると思った。

これまでは、「語りかける、話す」はtalkかspeak一辺倒で、「囁く」whisperを「語りかける、話す」の一種と考えたこともないだろう。「食べる」はeatに決まりで、「がつがつ食べる」gobbleは知らないまま。ballが階段を落ちるは、fallと言えたら上出来で、bounceなんて大学生でも思いつかないかもしれない。

G3ごろなのだろうか、日本人の英語がおおきくネイティブに置いていかれるのは。

 

「なんで同じことを別の(難しい)英語で言うのか」と、

腹立ち紛れに、語彙の暗記に明け暮れる高校生に、これまで何度か尋ねられたことがある。

これが(動詞の場合の)答え。

to paint a more vivid picture of what the subject is doing

 

絵本リードアラウド認定講師講座第3回報告その2〜『Swimmy』reading comprehension

『Swimmy』は深読みを誘う絵本、これを課題にしたからには、指導者たちも深読みをしたい。講座でも、何層にも読み取れる内容解釈やテーマをディスカッションした。

指導者である私たち自身の、読解を深めることが、生徒への発問の質とわたしたちの朗読そのものの質に大きく関わる。自分が考えてもなかった解釈など、この日の講座に何か発見があったら嬉しい。

 

模擬指導は、前年度までは発問内容も台本のようにあらかじめ渡していたのを改め、今年度は発問の「種」だけまいて、そこからどういう切り口で、どう語りかけるかは、指導者の技量次第とした。それぞれ、磨きをかけて欲しい。

模擬指導では、字面(英文解釈)指導のための「小さい」発問と、内容やテーマについて、reading comprihensionに関わる「大きい」発問を、全員に担当ページで発してもらった。

「大きい」発問では、子どもに問うのに語彙まで大きく(抽象的)になってしまう傾向が見えた。

発問は簡単な言葉に「翻訳」すること。

発言が出にくい場合は特に、答えやすいYes/Noの質問からにする。

これらを、生徒の口を開かせるために心がけたい。

 

指導者が読解を深掘りすると(しすぎでも)、生徒たちは「ん?」と思いながらも、「先生がそれほど楽しんでいるのだから、面白い本なのかも」と感じて読む気になってくれることも多い。

 

さあ、リードアラウド講師のみなさん、これからも絵本を楽しんで、楽しさを子どもたちに伝播しましょう!

 

 

 

 

絵本リードアラウド認定講師講座第3回報告その1〜『Swimmy』の指導

5月のワークショップ終了!

課題書はかの有名な『Swimmy』だ。

英語指導者としての指導対象は、年齢的には小学校中学年以上、英語の力的には3年以上と考えるのが現実的だろう。

英語の難易度レクサイルでいえば、570Lとかなり上等な英語レベルだ。ネイティブなら2〜3年生でやっと自分で読んで意味がわかる程度か。

本書を非英語母語者に学ばせる、つまり音読(fluencyも高く)と読解もさせるのには、指導者の力量が問われる。

まずは、リードアラウドの手本になる読み方、表現力のレッスンをした。

 

本書ほどの語数、語彙、文の長さや難易度がある場合は、生徒にはシャドーイングで読み方を指導する。そこで指導者は、特別にfluencyを磨かないと効果的な指導ができない。

今回の表現レッスンは、「だら〜とただ正確に読むだけ」から「メリハリがあり、だれがどうした、といったポイントがわかる読み方」にするというものだった。

 

うーん。

時間が足りない。

なのに、重要な技術だ。

主部と述部の意識、そして主語と述語の強調があると、「なにがどうした」が、とても聞き取りやすくなる。

それからもうひとつ、「いいことなのか、悪いことなのか」を表現できると、話の展開が聞いてわかりやすい。

 

ところがこれが、自分で練習してきてもわかったが、英語の非母語者には難しい。もしかしたら、難しいと意識さえしていないかもしれない。まずは今回、意識をもってもらえただろうか。

意図していない語(特に冠詞や代名詞、接続詞など)に力が入って、それが重要語をぼやかす。その結果、あちこちに意図せず強調された単語があって、聞く人にはガヤガヤとした雑音になって、文の本筋がわからなくなる。

リエゾンがうまくない、という点もある。

滑舌の演習と同じく、身体に分からせる種類の技術なので、今回の演習はぜひ復習をしてもらいたい。

(つづく)

 

絵本で英語を教える〜英語教室向けカリキュラム講座

英語絵本を主な教材にして日本人の子どもに英語を教えてきて、ここ数年でそれなりにカリキュラムと呼べるものがかたまってきた。

そして、一番の変化は、このカリキュラムで学ぶ子どもたちの力がついてきたことである。

 

これまで数回、その時点でのカリキュラムの公開と解説をしてきたが、先日は最新版、

絵本でどう子どもたちに英語力をつけるか、

どんな考えでカリキュラムを作っているか、

そしてその最新版カリキュラム3年分の公開と、

指導の進み方を客観的に測るアセスメントの方法などを公開する講座を開いた。

この講座のためのレジュメをまとめながら、今更ながら力が湧いてきた…。

これまでの生徒のアセスメントの結果が示すように、英語圏の子どもにより近い英語の力を確実につけながら、面白いと思って続ける気になるーこんな英語の学び方、させてみてはいかがだろう。

先生方の参考になればと思う。