英語力獲得は一筋縄では行かない〜キッズブックス英語スクール

以前ある人に子どもの英語教育について正面から、「コストパフォーマンス」を持ち出されたことがある。読書、音読、表現を重視するリードアラウドの英語教育は、「費用対効果が悪い」とのご意見らしかった。幼児であっても近頃は、英検試験対策など直接的な「結果」を求める保護者も珍しくなく、それら試験対策に限って言えば、リードアラウドは遠回りに見えたのかもしれない。

しかし、リードアラウドは目標が違う。

リードアラウドでの英語教育の目標は、英語力獲得。検定やら受験などの先にある、検定や試験の種類の違いなどではゆるがない本物の英語力を目指している。

昨今では「何級を何歳で」取ったかまで、そして「TOEIC何点」と言って、まるでこれだけで英語力が高いことの証明とする風潮がある。しかし、わたしは経験上、人の英語力は、英検やTOEICの点だけでは判断できないことを知っている。

それらは、本当の英語力獲得に向けての過程で自然発生的に起こる。受けて見たら受かった。点がよかった、などが理想だ。本当に目標とすべきは、その先にある本物の英語力。そして、「本物の英語力」というのは点や直線で表せない多面的、多角的なもの。一筋縄では行かない。

リードアラウドは、太くて強いそして美しい綱をイメージとする英語力めざして、一筋ではなく、いく筋もの縄を撚り合せて進めて行く。

大人のリードアラウド、上達の秘密は?〜リードアラウド研究会

英語絵本のリードアラウド、一般の大人向けクラスでも、カルチャーセンターでも、みなさんの朗読が、(わたしの印象では)見違えるほど上達している。この上達、どんな指導が効果をもたらしているのだろうと、改めて考えてみた。

受講者は、もともと学生時代に大学受験を突破する程度まで英語の勉強をやってきたひとたちらしい。

日本のこれまでの「受験英語」はなかなか立派なもので、受験の英語、高校3年までの英語をある程度まで頑張った人なら、文法は大抵のところは頭に入っている。なので、絵本の本文の意味は「かなり」わかる。絵本で使われる語彙は意外と受験英語にカバーされていない場合も多いため「かなり」で、正しく意味がとれるのは6、7割になるかもしれない。それはそうなのだが、でも一番の問題は、音読の力。

ほとんどの人は「棒読み」で、表現のないただの読み上げができる程度で放り出されている。「棒読み」は、読んでいる文の意味がわかっていないという証拠でもある。今、英語圏の小学校から中学高校まで、英語教育の目標として、

Fluent reading、音読の流暢さというものが挙げられている。oral interpretationともいわれるもので、内容がわかっていればおのずと音読したときに表現が豊かになる。その表現ある読み、流暢さの程度を聞けば理解度がわかる、という認識。これが教育界の常識となっている。

にもかかわらず、日本の多くのわたしたちは、「棒読み」でも発音があっていればよしとする英語教育を受けてきた。

リードアラウドの朗読指導では、内容理解とそれを音読に反映させる読み方を指導する。文が表している内容や感情を言葉、句、文に乗せる直接的、具体的な演習をする。この指導法がどうやら効果的なようである。

人間の脳というものは、実に不思議だ。母語でない言葉に感情を吹き込むには、実際に母語で感情を動かしてそれを時間をおかず英語に反射的に移し替えるという、ほぼ運動みたいな演習が必要なようだ。

セミナーやカルチャーセンターでのみなさんの上達が、少なくともこの効果を示してくれているようで嬉しい。

大阪でクマ狩り?!『絵本リードアラウド認定講師講座』その1〜リードアラウド研究会

このところ、年二回、春と秋に開催ができている大阪での『絵本リードアラウド認定講師講座』。2018年秋の講座が終わった。

課題書は『We’re Going on a Bear Hunt』。

We're Going on a Bear Hunt

リードアラウドをマスターしようと、今回、集まってくれた先生方。すでに自分なりに、この本を使って生徒と「あーした」「こーした」の声があちこちから。ということで「ギギギー」と、講座のスタートのステージが、音をたてて上がった……。

リードアラウドの定義付けを確認後、リードアラウドの指導では、いかに「問いかけ」を大事にしているかを伝える。そして、それが意外と先生方には難しいことを、「リードアラウドの約束」のデモンストレーションで実感し、認識してもらった。

先生とは、なんと説明が好きな生き物か。これまで何度も、この双方向型の指導法を、多くの先生に開陳してきたが、ほぼ例外なく、生徒に問いかけ考えさせるより、説明して進めようとする。そして驚くことに、それをほぼ無意識でやっている。

だから、わたしが「気をつけましょうね」と言っただけでは、なにも変わらない。いかに自分が生徒に考えさせる機会を作っていないか、いかに自分で答えてしまっているかを、現場で「現行犯」として挙げるのが、一番効き目がある。

先生方の真面目さや優秀さからくる「説明グセ」「教えグセ」。これらが薄れて次第に双方向式の指導になっていくまで、次の4ステップが踏めるといい。

  1. 自分が、説明し答えてしまっていることを認識する(録音を聞くと効果抜群)
  2. 認識すると注意するようになり、生徒に「〇〇は〜です」と説明した瞬間に気づく。そうして、気づいた瞬間、語尾に「か?」を付けるようにする。つまり5W1Hの質問にならなくとも、「〇〇は〜ですか?」というYes/Noで答えられる質問文が出るようにする
  3. 5W1Hの質問を書いた付箋紙を該当ページに貼っておき、適切なタイミングで生徒に質問する
  4. だんだん、付箋紙がなくとも、質問が湧いてきて対話が楽しめるようになる

今回の講座でも、「説明している!」「答えを自分で言っている!」と言うわたしの声をうるさいほど聞いたはず。運良く(運悪く?)模擬授業をする番がこなかった参加者も、耳に残っているのではないだろうか。直接でも、間接的でもこれらの指摘があったことを銘記して、ぜひ今後の授業に役立ててほしい。

さて、お楽しみの表現演習は、どうだったかといえば……(つづく)

絵本リードアラウド認定講師講座[大阪]
『絵本リードアラウド認定講師講座[大阪]』

How to本嫌いを育てる〜キッズブックス英語スクール

どうしたら子どもを本好きに育てられるか。本嫌いが育つわけについて言及している斉藤惇夫さんの講演を紹介した記事 から、逆説的に考えてみる。

本嫌いはこうして育つ、と斉藤惇夫さんは言う。

読んでくれる人がいなかったか、テレビばかり見せられていたか、あまりに文章も絵も物語もひどい絵本、あるいはワークブックや総合絵本、つまり勉強に役立つように見えるものだけ与えられていたか、折角読んでもらっても質問されたり、お説教されていたり

まとめると、次の通り。

  1. 本を読んであげない 
  2. ひどい出来の絵本を与える(本をよく選ばない)
  3. 勉強に役立つように見えるもの(ワークブック、教科書的な総合絵本など。主に教材や学習出版社)を与える
  4. 読んであげながら(お勉強的な)質問をしたり、お説教をする

ところで、リードアラウドの一つの自慢は、選書だ。わたしは英語絵本を日本の子どもたちに読んでもらうために選書を始めて、もう27年。ほとんど毎年アメリカ出版界最大の本見本市に行ってもきた。毎日のように様々なニーズに応える選書もしてきた。目の前を通った本の数はかなりなもので、そろそろ選書のプロと言うのを許してもらえるかなと思う。

その選書プロとして我が選書の特徴は、

英語が母語ではない日本の子どもに

表現ある音読(リードアラウド)させる(その結果として内容も理解させる)本。

そして、これまで選んできた本のほとんどは、上の2.と3.のカテゴリーには入らないはずだ。

リードアラウドのスクール、講座、教室などに、子どもから一般大人、英語指導者まで様々な人々が集うが、そこで取り上げてきた絵本は、少なくとも「本嫌い」は生まない選書のつもりだ。ぜひ自信を持って家庭で、そして学校や教室で読んだり、読んでもらったり、読んだやったりして欲しい。

東京英語村(TGG)はどんなもん?〜キッズブックス英語スクール

Tokyo Global Gatewayhttps://tokyo-global-gateway.com/personal/programs/five-missions-at-attraction-area/ なる、いわゆる英語村が東京都に今年9月にオープンしたという。『アエライングリッシュ秋/冬号』で知った。東京都の構想および協力のもと、募って決定した企業グループが共同で会社を作り運営する。

江東区青海にあり、ゆりかもめで行けるところらしい。

館内は英語イマージョン環境で英語漬けになれところという設定だ。対象は小学生から高校生まで。平日は学校や団体利用のみで、8人グループで「生活シーン」をいろいろナビゲーターと一緒に英語を使って体験していくらしい。210分で8人、40,000円。

土日は、一般も予約で受け付ける。2時間で3,500円。10歳未満は親の付き添いが必須で、付き添い入場1,000円。

英語を使う典型的な生活シーンが作られている。飛行機の中、土産物店、レストラン、病院、食料品店、ホテル…子どもの生活に「典型的」かどうかわからないが、少なくとも大人の観光旅行の練習に良さそうなシーンだ。でも写真で見るとなんだかがらんとしていて、未来都市のラボの風情。

どのシーンにも、そこで仕事をしている人に扮した、それっぽくない、どちらかといえば英語の先生風の外国人がいて、英語で相手をしてくれるのだという。

うーむ。写真でみると、この施設はどうも活気がない。お店やさんごっこにしても、店構えなどなりきってないなあ。エンターテイメントの精神で作られておらず、先生の大真面目な「お勉強」精神な感じとでもいうか。なんか、つまらなそう。敏感な子どもなら、勉強させようという大人の意図がみえみえで、せっかくの日曜日に行こうという気がおこらない。

でもまあ、いつか見るだけは見ておきたい。