絵本とは?英語絵本で学ぶとは?〜キッズブックス英語スクール

「戦後日本の絵本作りを牽引した」と言われる元福音館の編集者、松居直さんの中国での講演から、絵本についての言を引くと

絵本は教育のためのものではない。子どもが本の世界に入っていく楽しさを覚えるためには、一番良い芸術を見せるべきで、そのためには良い紙、良い印刷が必要だ。やがて子どもに読書の喜びが芽生える

ということ。

ストンと腑に落ちる。松居さんは特にここでは言っていないが(多分遠慮したのだと思うが)「良い紙、良い印刷」の後に「芸術性の高い、良い作品」も加わるだろう。

絵本ってそうだった、子どもだった時の絵本の喜びが、その時の自分の高揚した息遣いとともに蘇ってくる。4歳5歳で、紙がいいとか、印刷がいいとか、作者の芸術性が高いとかという言葉は浮かばなかったが、

「ああ、素敵な本だなあ。いい匂いだなあ」

と絵本を愛でた思い出が今でも浮かぶ。

「読書の喜びが芽生える」という絵本効果、とでも呼べる子どもへの好影響は、もちろん英語の絵本にもある。「英語での読書の喜びが芽生える」という、英語絵本効果である。

松居さんの活躍は戦後少し長く待たねばならなかったが、日本に先んじて1940~50年代から、高度成長とベビーブームを迎えた米国で、絵本は人育てとビジネス両方で大切なものになった。どんどん期待とお金がかけられるようになり、才能ある作家や編集者が絵本業界に入り、数々の名作と呼ばれるようになる絵本を出版し始めた。

リードアラウドでは、こうした「良い紙、良い印刷」「良い作家、編集者」などのおかげで長く「名作」と定評があるもの、また今後「名作」と呼ばれるようになるだろうと厳選した絵本を使う。

英語教材として作られた「絵のついた教材」は、「絵本」と呼ばれることはあっても、すぐに子どもに「教材」だと見破られ飽きられてしまうのは不思議だ。「〜の役に立つ」と、教育しようという大人のもくろみに子どもは驚くほど敏感なものだ。

想像が広がりわくわくする本物の絵本の世界に遊び、作者が整えた英語の音もそのとおり英語で味わう。

母語が日本語の子どもであっても、心は本当に良い本の前で動く。そして素晴らしいのは「ついでに」英語で読んでいるということ。幼いながら、ちょっと誇らしく思い、英語というものに興味を持つ姿をこれまでに何度も見た。

こんな英語絵本で読書を楽しむ「ついでに」英語を学んで、本も英語も好きになってくれたら…万歳!!

リスニングとリーディングが得意だ!〜キッズブックス英語スクール

我がスクールでリードアラウドを小学生時代に始めた「ベテラン」は、今、高校3年の大学受験生と高校1年生。この二人との経験からだけではもちろん科学的な根拠にはならないが、現在の二人に英語力で共通することがあることに気づいた。リスニングとリーディングに苦労がない、ということ。その自覚もあること。

少なくともこの点については、大変苦労した私の高校生時代を思い出すと、実にうらやましい。

二人が偶然にも語った共通点は、こんなこと。

・英検などのリスニングテープが、ゆっくりに感じる

・出題されたリーディング問題文を、試験中にも関わらず情報として楽しむことがある

ははーん。リードアラウドを知る人は気づくのではないだろうか?

そう、リードアラウドでは表現をうるさく言うのだが、求める表現は自然と英語圏のナチュラルスピードになる。そして表現には、読解が伴う。すると、英語圏の自然な速度で意味が取れるようになる…。

また、もひとつ。リードアラウドを続けることで、読む本(再読も含めて)、読む英文のインプットが蓄積していく。ある程度の速度を持って、本を何度もそして何冊も継続して読んでいく。すると、英文を読むこと、ある量読むことに抵抗が少なくなっていく…。

リードアラウドの今後の課題は、語彙である。年に30時間余のレッスンだけで、英語圏ネイティブの同年代の語彙に追いつけない。そこで、いかに少しでも多くの語彙を身につけさせるか。

そして、もうひとつ。これは一番難しいかもしれない力、ライティング。いかにより知的な語彙を使って、内容ある英文エッセーを書けるようにするか。「内容ある」ものも求めると、とてもレッスンだけではこれも追いつかない。各自が考える習慣をつけること、これを示してもいこう。

新年度は、今までのリードアラウドを踏襲しつつ、さらにこの語彙とライティングの課題を徐々にカリキュラムに入れていく。楽しさは保ちつつ、である。

高校生クラスで使っているテキスト例:

小学生リードアラウドクラス、平日も!〜キッズブックス英語スクール

【絵本リードアラウド小学生平日クラス】も順調です。土曜日の二子玉川教室から、平日はこじんまりした用賀教室に。始めぎこちなかったTくんも、2回目の前回からはリラックス。

土曜クラス同様のプログラムで、『Mr. Rabbit and the Lovely Present』を読み終えました!

Tくん、読み始める時だったか「へっ、Mr. Rabbitだってよ、rabbitが」。と、日本人の大人だったら意外と素通りしてしまう、本書のギャグに気づいたようです。

そして、普通はrabbitとrは小文字なのに、Rになっていることにも気づきました。英語の基本的な約束なのに、私自身の記憶ではあまり中高の英文法の授業で重視された覚えがなく、昨今の国内の広告やサインで間違いが散見されることが気になっている、Capitalizationへの言及です。

こういう自然な英語感覚というものが、大人になってから生の英語に触れた私などの中学生時代には全くなかったので、幼児期から英語絵本を「浴びる」ようにリードアラウドしてきたTくんがうらやましくなりました。

さて本文読了後は、本書で使われた語彙を活用するシアターゲーム。この日は、vocab. snapゲーム。「Something red」などsomething〜でカテゴリーを挙げ、それに当てはまるもの(名詞)を滞ることなく順に言っていく。Fire engines, apples…詰まると「Something yellow」などとカテゴリーを変えるのもOK。

このゲームで、知らない単語のインプットのほか、知っている単語の棚卸というか、使える記憶の貯蔵庫に単語を引っ張り出し、とっさに英語を口から出やすくします。

それから、インプットを増やすTrivia ゲームも。質問の形になれること(5W1Hなど)と、その内容を理解し、自分の知識を引いてきて答える。遊びと感じる学びの一つ。ある程度の英語(英語圏のG1〜G2以上)がわかると楽しめます。日本語で「物知り」の生徒なら、英語が多少自信なくても、勘で正解を導けるものです。英語は知っていても知識がまだ浅い子どもと、英語はまだまだでも知識が優っている子どもが一緒に学べるゲームです。

そして最後。文法をそれとなく確認するWritingワーク。Tくんは内容がよく読めているので、答えはすぐに言えます。その語のスペリングを本から探すのが、ちょっと苦労。スペリングはちょっとずつ、気長に行こうと思います。

と、まあ順調に始まっています。土曜の17:30からか、火曜日の16:30からか、いつでも、こうして絵本のリードアラウドを通して総体的に英語を学ぶ仲間を募集中。

『Snow』は名作~キッズブックス英語スクール

絵本を表現豊かに読むこと(リードアラウド)を通して、英語を総合的に学ばせよう、というオリジナルな英語教育方針のわがスクール。その親子クラスで、今年の1月は『Snow』を読んでいる。

毎年のように冬になると、どこかでリードアラウドしてきた本だが、なぜ「毎年のように」なのかと言えば、あきないからだ。

いつも子どもが、それなりに食いついてくれるし、一緒にいる大人は「発見」があったり、「童心」を思い出せたり、何かしら楽しさを感じるのである。

これまで一緒にこの本を読んだ子どもは、100人近いかもしれない。

そのうち「雪がきらい」と言ったのは2~3人だったと思う。この本には、そんなたいていの子どものsnowへの喜びが描かれていて、子どもはとても共感する。

「It’s snowing!」

主人公の少年があげる喜びの声だ。

この台詞を、子どもはなんと上手に読むことか。それに比して、指導者も含めて大人の、この台詞の響きが悪いことといったら。雪が「やっかいで、降ってくれないほうがいい」というこれまでの経験からの現実的な気持ちが、どうも心を濁らしてしまうようだ。

どの子どもも、いつも、毎回、「It’s snowing! 」を素晴らしい表現で読む。その声を聞くだけでも、わたしたち指導者は

「ああ、この本にしてよかったなあ」と思う。

子ども万歳!

『Snow』万歳!

発問!発問!発問!〜リードアラウド研究会

リードアラウドらしい指導の鍵は「発問だっ!」と、思っている。

先日の絵本リードアラウド認定講師認定審査の、皆さんの模擬指導 では、いいところなのに生徒に尋ねずにスルーするのを見ては、「発問だっ!」と心で叫んでいた。

ブックハウスカフェで子どもたちとのリーダーズシアターがあった。本は『Night Animals』だったのだが、以下のような問いかけで全編を進めた。「発問するってどうするの?」と思う指導者みなさんの参考までに、順不同で一部だが、発問そのものを挙げてみる。「→」からは、子どもの答え。

表紙を見せながら「この本、何の本だろう」→暗いから闇。動物の本。

題を一緒に読んで「知っている言葉あった?」→ Night! 闇だ。夜のこと。Animals! 動物

それを受けて「夜に起きている動物だね。どんなのがいる?」→ひとしきり動物名を挙げさせ、英語でも言ってみる。夜行性でなさそうなものには、「昼のほうが元気かも?辞典で調べてみよう」とオープンにしておく。

この本に出てくる夜に元気に起きている動物は?」→(本に目を向けさせる。パラパラ全体を見せながら)こうもり(bat) クマ(bear)

登場する動物名を挙げさせ、不案内なものpossumについて、考えさせる。「これ、何だろう?」→monkey? rat? 挙げるもの順に英語名も教えるが、possumは出ない。

possumについてヒントを出す「どんな特徴があるかな?本の絵を見て」と内容に触れさせる→怖がり、すぐに気絶する?

「臆病で、危険だと思うと死んだふりもする、ネズミの仲間で木に住んでいる、possumっていう動物なんだ」とマメ知識を与える。

出てくる動物の鳴き声は?特徴は?」と、本文の内容にさらに入り、ところどころ書かれている鳴き声を見つけさせ、一緒にそれらしく読ませる。

今のwolfの鳴き声、どうだった?」→ イヌっぽかった。ちょっと声が小さかった。

「イヌの先祖だからイヌっぽいね。野生だから大きくしてみようか」その声から、登場動物の台詞の読み方を想像させ、やらせる。読ませる。shhhhなどから臆病などの特徴を挙げさせる。本文に本格的に入る。

「Big, hairy, long sharp clawsってだれの特徴?」→bear!

ちょっと集中を切れた時、いちばんウケそうな動物について尋ねる。「スカンクの特技は?」→おなら!

「怖くなった時、危ないと思った時、そう一発するね。じゃ、この話では何発したかな?」。これでもう夢中で、描かれた黄色いガスを探し始める→3発!ちがう4発!

じゃ、一発目のところ、なんで怖くなっちゃったのかな?」その場面にかかれている情報を読んだり、発見したり。→wolfの声を聞いたから。possumは気絶してる!

幼児から小学生3年生が混じったなか、秀逸な本書の描写に助けを借りながら、小学生の興味(「夜行性」などの科学的な用語や動物マメ知識など)を引きつつ、聞かせ、マネさせ、自力で読ませ、物語をわからせる。すわったまま約40分(残りの20分はリーダーズシアターのプレゼン)、子どもに質問を投げかけそれに答えさせつつ、関連づけて読ませる。子どもはちゃんと、ついてきてくれる。

こうした子どもへの問いかけが「湧いてくる」タイプの指導者でも、経験が浅いうちはそれなりに予習して、付箋紙で発問すべきページに発問の内容を貼り付けておくといい。湧くように発問できるようになるまでにかかる時間は、経験の多さや個人差がある。しばらくは付箋紙でいい。

発問が湧いて出てくるタイプとして、自分の頭のなかを見てみた。特徴なのかどうか、でもどうやら、ものを見るときに、いつも新鮮に感じるという態度があるようだ。発見しようという、好奇心?かも知れない。

(なんども読んだ本であれ)ページを見たそのときに「これって…?」という疑問が一瞬浮かび、「ああ、そうそう、こういうことだ」とこれまでの経験や知識で答えが出る。ときに出ないときもある。そのときは、すぐに知りたくなり調べる。それから、得たばかりの新知識に満足したり感心する、というパターンだ。

一瞬の「これって…?」という疑問は、だれの頭に浮かぶはずなのだが、それを認識するか、しないか。認識してその一瞬を捉えれば、それが発問そのものになる。自分の知っている答えで納得してしまうより早く、浮かんだ疑問を認識する。

ボタン押しゲームのような、一種の反射神経かも知れない。頭の中で、たとえば左から疑問が湧き、右から答えが湧くとすると、経験を積んだ大人になった今は左を省略して右のボタンを反射的に押して、それを生徒に伝えているのかもしれない。その自動化しているらしい流れを再び戻して、左のボタンを押す。反射的に押せるようにするのだ。

新年度のリードアラウド認定講師講座では、ちょっとここらへんの「反射神経」の演習を考えてみたい。

Night Animals

絵本リードアラウド認定講師講座[一日講座]

Pouch!

The Carrot Seed

The Happy Day