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新年の大人のリードアラウドレッスンは、本書だった。
1963年に米国で出版されて以来、「20世紀の絵本の金字塔」とも称される、先生や図書館司書、編集者などプロだけでなく、子どもと一般読者にも人気と評価が高い本だ。
舞台がイメージできるような、文字通りドラマチックな展開が、読んでいるうちに脳裏に浮かぶ。
リアルな、20世紀の子どもらしい(親にも口ごたえする反抗心を持つ)主人公と、これまた20世紀の自分の感情を出すお母さんの諍いがあり、子どもだったら共感をもつところだ。
この日は、このイントロダクションの数シーンとそれぞれ添えられた本文を、自分たちの声で繋ぐ、というレッスンが主だった。
「絵本をリードアラウドする」というのは、本当の意味で文を読むこと。ただ文字を声にすることではない。
近頃、子どもでも「立板に水」のように、文字を音声化する子どもも出現する。
だが、「何が書いてあったの?」と尋ねるとさっぱりわからない。
そこではっきりさせたいのは、「reading」するというのは、「make sounds out of letters」ではなく、「make sense out of letters」することだということ。
そして「リードアラウド(read aloud)」も、読み手がまずreading して(英文解釈ではなく、国語の授業で学んだような読解を)し、読み取ったsenseを声に乗せて、聞く人も「make sense」できるようにすることを目標にしている。
綺麗な発音で正しくスラスラ読み上げるのが目標ではなく、特に英語が達者ではない聞き手に、sounds ではなく、senseを届ける。
新年のこの日、リードアラウドが初めての人も何度目かの人にも、レッスンは、make sense しただろうか。
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