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オンラインで英語絵本リードアラウドのレッスンを始めた4歳の近況を報告する。
前回は『I Went Walking』を、感情をちょっと乗せて全部、ひとりで読めた。
それから二週間後の、今回の予定は『I Went Walking』の復習と、『No, David!』をと、思っていた。
ところが……
わたしが『I Went Walking』の本を掲げて、「どんな動物が出て来たかな?思い出してみよう。」といったときから、雲行きがおかしくなった。
おかあさんの方に顔を向けっぱなしで、なにやら訴えている。
「順番通りでなくていいのよ」とか「ほら、表紙にも描かれているね」など、ハードルを下げるつもりで言っていくと、プレッシャーを感じてしまったのだろう。ごめん!
涙がぽろぽろ溢れて来た。キャー大変!
するとお母さんの助け舟、涙のわけを話してくれた。
「『No, David!』が楽しみで、こちらの方を練習していたので」ということだった。
そういうことなら、no problem! 幼児には臨機応変に対応する。
すぐさまわたしも、その子も、気持ちを切り替え、『No, David!』へ。
英語でおそるおそる話し始めると、また顔が曇って、お母さんの方を振り返る。
ええい、しばらくは日本語だ。
この年頃、4〜5歳は母語の発達が目覚ましい。そこに、第二の言語が入ってくると、とてもわずらわしく感じる、と第二言語習得論や発達心理学では言われている。
また実体験としても、随分と前のことだが、この年頃の子どもを「バイリンガルに」と、今思えば英語を「強要」して、失敗した経験がある。
「大嫌いだ!」「あっち行って!」と、まで言われた悲しい経験。
今ならだいぶわかる、幼児の心理。
せっかく大人たちが話している言語がわかり始め、自分でも言えそうなのに、わけのわからない他の言葉で話すように、またはその言葉で話されれば、子どもだってイライラする。邪魔に感じるだろう。
そんなときは、しばらく母語で。
「ここぞ」というとき、「これなら」という英語だけを、欲張らず使い、興味を持たせる。
この日のレッスンでは、David という名前、「No!」という言葉を、それを使う状況を本を使いながら、最初は言ったり、そのうち読んだりした。
この2語で自信をつけてから、すらすら「言えて」いた本文の「Come back here, David!」を、本当に文字ごとに「読める」までにする。
ほんのすこしの練習だけで、読めるように!
ちょっと誇らしげに、指で文字をなぞりながらその語の音を一致させた。
本当に読めるようになったのは、素晴らしかった。