にほんブログ村
スクールの発表会、一年に2回、冬と春に開催している。
今は本年度最初、冬の発表会の準備中だ。
約半年の学びの成果を家族に見ていただく。
スクールのカリキュラムは、この発表会をいい意味で「利用」している。
英語絵本を主な教材にしているのだが、一冊を2, 3回のレッスンでひととおり読み終えると、なんだかもう一度読み直そうという気分になってもらえない。
まだよく解釈もしていないにも関わらず結末を知ってしまうと、みんな再読はだれ気味になる。
そこで、いったんその本は置いておき、次の本に入って、refreshすることにしている。
でも一度読み終えた本をそのまま、お蔵入りさせるのではなく、発表会で演目に加えるのだ。
しばらくしてから、「発表会の練習」という名の復習に入る。
そのときから、ちょっとした緊張が子どもたちに走る。
「家族が見にくる」!
練習に力が入るは、この要因のおかげでもある。
最初は棒読みに近いが、「もう読める」と本人が思うところまで到達させる。
さあ、リードアラウドの指導者はそこからが、力の発揮しどころだ。
棒読み的な読み方、ただ読み下しただけの読み方に、本の内容に沿った感情を加味させるのだ。そうするうちに、本の読解も進んでいく。
たとえば、ある子ども。
ほぼスラスラと一冊をひとりで読めるようになった。
この子への「演技指導」の一例を挙げると、本文の「Going this way. Going that way」という部分。
「こっち」と「あっち」と、ニュアンスが違うところを、音の高低や、近くと遠くのイメージを感じさせて読み分けさせる。
こんな練習で、thisがこっちで、近い感じを指す言葉で、thatがあっち、遠い感じを指す言葉だと、体が学ぶ。
頭で「this=これ」「that=あれ」と丸覚えするのと違って、表現がついてくる。
近くを指されてthis、 遠くを指されてthat、の意味を学ぶ。こうした子どもが母語を学ぶのと似た回路で、少しでも多くの英語を頭に入れてもらいたい。
体で分かる、感覚で分かる英語の語句を増やしたい。
スクールの発表会は、そういった体や心が動く伝達手段としての英語の学習の、速度や密度を上げてくれる、ちょっとした「システム」になっている。