バイリンガルの幼稚園卒の子どもが増えてきた。
その名前に恥じないような幼稚園卒の子どもなら、学校生活で使う会話はかなり理解でき、簡単な受け答えはできる。
アルファベットは一通り読めて、順番もAからならわかる。語彙も英語圏の幼児の基本的なものはそこそこ知っている。
ここまでは、かなり英語圏の同年齢の子どもの英語知識に近づいた。
問題はこのあと。
英語圏ではこれまで親にとって恐ろしい「G1のカベ」、文章を読めるようになるために越さなければならない、苦難、不安の約1年があった。
その苦難とは……。
日本語は音節文字(あいうえお〜)で、英語は音素文字。ということで、日本語なら、ひらがなとカタカナを学べば、意味はわからずとも、「からす」と書いてあれば、ka-ra-suと、ひらがなが音節単位で独立した音となり、読み下せる。
ところが英語はアルファベットが読めても、単語が読めない。「STOP」と書いてあっても、「S:すっ」「T:つっ」「O:おっ」「P:ぷっ」と、ひとつひとつ文字を読み下すと、音素だけで言葉にならない。
その代わりに、S-T-O-Pと4文字まとめて「すとっぷ」と読む、と読み方を個別に学ばないと読めない。
英語圏の子どもたちは、ここでつまずく、というかカベにぶつかる。
そこで、国力として国民の識字率が芳しくなかった米国は、
フォニックスという文字の読み下しのパターンを、20世紀末ごろから本格的に国として学校で教え始め、かなりこのカベを薄くした。
ところで、フォニックスの法則で読み下せる英語は、世の中でよく使われる語の65~70パーセントとも言われる。
学んだ人々が全員がその100パーセントを習得したわけではないだろうが、それでも米国は先進諸国のなかでは低かった国民の識字率を、かなり上げることに成功している。
バイリンガル幼稚園卒の子どもは、フォニックスも多少学んでいる場合もあるが、本格的なreadingは、英語圏と同様に、小学校G1からの学びに期待される。
フォニックスを完全に学んでも、初見で読める英語単語は65~70%、それを、うっすら学んだ日本のバイリンガル幼稚園卒児は、多少読めるといっても、これらの子どもと接する現場での感触として、英語圏小学校の低学年の学ぶ単語の10%あるかないかだろうと思う。
とういうことで、
幸運にもバイリンガル幼稚園でearly startをきった子どもであっても、幼稚園卒業後に待っているのが、「G1のカベ」というもの。
これをどう克服していくか、そしてreadingを自分からする子どもにどう導くか、塾ならどういう塾?いっそのこと「おうち英語」を小学生にも?
思うことを、これから書いていく。
参照 APのphonicsに関する記事:https://apnews.com/article/phonics-science-reading-c715dea43f338f163715b01b83bb1066