小学生の英語でどんなことが起きているか(いないか):その2〜リードアラウド研究会

前回は今の公立小学校の英語で起こっていること、主に好ましいことについて書いた。

今回は、まだ起こっていないが、これから起こって欲しい好ましいことについて書いてみたい。

 
1. 語彙を増やす意識を!
 
 
小学校で学習する英語の単語数は、学習指導要領で600~700語程度とされているので、それくらいの数の単語が教科書に「紹介」はされているのだろう。
 
だが、口に数回乗せただけ、または目の前、耳をかするだけのものが多いのだろう、6年生三学期の生徒たちの英語を見聞きしても、語彙は学習要領で言われている数の半分がいいところかと思う。
 
 
問題は、この学習要領にある語彙数を100%自分のものにしても、アメリカの典型的5歳児の語彙が10,000語という報告を読むと、気が遠くなる。
 
 
全然足りない!
 
高校卒業時までに教科書で使われる英語語彙は、5000語。これは何しろ「教科書に出てくる」英単語の数で、知っていたり使えるというわけではない。
それでも、アメリカ5歳児がマスターしている語彙の半分!
 
 
そして、「英語を使える」レベル(あえて英検でいうなら準一級以上レベル?)になるには、知っている、使える語彙が多いことが必須だという実感がある。
 
 
ああ、それなのに……
 
 
小学校「外国語教育」の指導要領で、語彙習得の意識が低すぎる〜!
 
 
英語圏の人たちでも、いっぺんで新しい単語が覚えられるわけではない。なんども出会って、ある研究では平均12回、その単語に出会って、初めて定着するという。
 
 
小学校で「単語テスト」はいらない。
代わりに、新出単語や定着していない単語にもう少しライトをあてて欲しい。
 
 
たとえば、何かその言葉にまつわるエピソード、またはその単語を使った文を作って言わせる、など印象付けはどうだろう。
 
少なくとも、大きく板書するのもいい。
イメージがあると記憶が定着しやすい、という研究もある。
その言葉が表すことを、絵や記号にして見せる。
1語なら5秒もあれば済む。
 
公立小学校の5、6年生を一年半ほど観察して思ったのは、動画や映像とリズムのある音を喜ぶということ。
それと結びつけてもいい。
アメコミ(American comics)の表現、たとえば「Boon!」とか字が飛び出してくるような描き方で、重要語を意識させたりもいい。
 
 
(この点でも思う。英語絵本、読本などは、語彙を学ぶ上でも、視覚的に印象深いのでとても役にたつんだがなあ)。
 

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