2019年度絵本リードアラウド認定講師講座は、第10回の審査と発表会で終了しました。
審査の結果は、審査を受けた講師の皆さんの手元に届いた頃でしょう。
いつも思うのは、「発表」とか「審査」とか、何の強制もないのに、自分に果たす人々がいる。尊いものだなあ、ということ。
そういう人々の一人でもある自分自身を思えば、その理由がわかる。
いつまでも成長を目指すから。
努力して、その成果を見たいから。
そこで、2019年度の認定講師講座受講の皆さん。
よかった…。
審査で見せていただいたその成果は、本年度もまた素晴らしかった。
まず朗読。
世間一般の「絵本の読み聞かせ」のレベルを、軽く凌駕したでしょう。
絵本の読み込み、それからの解釈、そしてそのdelivery(言葉遣いなど)とexpression。これら、この一年踏み込んで研鑽したそれぞれの軌跡が、全員に見られました。
審査では「努力が偉い」と、ただ努力を買っているのではありません。
どう努力したかは評価外、見るのは発表の時の朗読そのもの、つまり聞こえてくる「結果」です。
どれだけ書かれているものの本質を表現しているか。
子どもや人々の心に触れる何かが現れているか。
審査では、それらを傾聴します。
もし本に、人のように気持ちと声があるなら、「真剣に読んでくれてありがとう」の声が聞こえてきそうです。
そしてわたしからも、
一緒にリードアラウド、取り組んで下さってありがとうございます。
さて、審査の対象はもう一つ、指導法。
こちらのプレゼンでは、想定外の素晴らしいチームワークも見せてもらいました。
「リードアラウドやってきてよかったなあ」とつくづく思いました。
「チームで指導する」という機会は、残念なことに今のところあまりないのですが、
この日の『Animals Are Definitely Not Wear Clothing』チーム指導は、
通常の「指導」の枠を超えた、教えずして教えるリードアラウドが目指している、双方向性のある活発で楽しさ溢れるものでした。
指導の担当はおおよそ決めて、担当者が進行役にはなっても、他の3人が積極的に口を挟むスタイル。
それがちょうど、進行役が飛ばしてしまったことを補ったり、冗漫になりかけたところにスパイス的なコメントや問いかけをして、楽しさの息を吹き返させる。
そして全体として活発なので、一見まとまりがなさそうでも、実は緻密な仕上がりになっている…。
お見事でした。
一方、担当を決めて、担当講師が専任で進行させたグループは、それはそれで一人ひとり丁寧に指導しました。
ちょっと残念なのは、舞台にせっかく4人が上がって聴衆を前にしているのに、チームワークをあまり見せなかったこと。
誰にでも起こることですが、指導で進行に詰まる。そんな時には、助け舟が出ると本当に助かります。
このチームでも、もちろん「舟」を出すには出したのだけれど、もっと早く、もっと多く欲しかった。
講師間の気兼ね、これがあるのかもしれませんが、
舞台(授業)で気兼ねをすべき相手は、誰なのか。
観客(生徒)でしょう。
観客、生徒ファースト!
どんどんチームメートが、取りこぼしを拾い、穴は埋めたいです。
もっと良くなる!とはいえ、朗らかに、楽しげな空気は流れる授業でありました。
みなさん、どうもお疲れ様でした。そして、どうもありがとう。