小学生の中学年以上に、英語を読み続けさせるには〜キッズブックス英語スクール

小学生などまだまだ「小さい子」なのに、学年を上げていくと「絵本なんて小さい子の読むものだ」なんて言い出したりする。

絵本だけでなく本離れしてしまうこともある、こうした「危険な」年頃の子どもに、どう絵本や読書を楽しませ、特に英語学習に繋げ続けるか。

指導者の指導力が試されるところでもある。

また、その時期になった教え子に、「つまんない」と言われ、あげくに「やめる」と言い出されたときのショックはかなり精神に響く。

どこがいけなかった?何がつまらなくした?自問自答の苦しい時を過ごすことになる。

反対に、「みんなが、こんな風に続けてくれたらいいなあ」と思う、理想的な生徒との時間を持てることもある。

FBにそんな時のことを書いた。

【小学生クラス】発表会を目指して、この『The Day the Crayons Quit』を「色別」に担当を決め、練習中。
英語入門から継続して一緒に絵本でリードアラウドしている4年生男子。たまにグダグダの日があるが、こちらがツボを当てた時の理解力の深さや興味や好奇心に感心する。この本、クレヨンそれぞれが持つ不満を、クレヨンの持ち主に訴える内容だが、この生徒とは各クレヨンの不満やその後などについて、ディスカッションができる。英語、文字を読む勉強としてだけでなく、本の内容について会話ができることが嬉しい。このクラス、読解や表現といったリードアラウドの真髄を実現しつつあるかな。

ここで言う「ツボを当てる」のが、実はとても難しい。

その成功は、例えばこんな方法で訪れたりする。

▪️母語での読解力があると踏んだ生徒なら、内容に対する本質的な質問をいろいろ投げかけてみる。

英語では、まだ単純な答えしか言えないが、母語でいいとなると、怒涛のように面白い意見、ユニークな見解などが溢れ出ることがよくある。

そこで、その意見を拾い上げ、一緒にその本について語り合う。すると本の印象が深くなり、さらに興味が湧き、「読む気」が維持される。

▪️「作り話なんか」と思っているむきには、ノンフィクション系を与える。

この小4男子は物語にも乗ってくれるが、授業の初めに「Brain Quest」というクイズのフラッシュカードを、嫌がらずにする。クイズの分野は、算数、英語(文法など)、地理、科学などに広範に渡り、大人でも英語でどう言うか知らないものもあり、小学生にはチャレンジングで大変よろしい。

もともと知りたがりというのが子どもの一般的な特徴で、こういうクイズにうまく「食いついて」くれる。

問題文が難しすぎるとやる気がわかないが、そこは学年を下げ(現在G1)て、問題文はできるだけ自力で理解できるもの、または少々手伝う。

知らないことへの興味が湧いているようすが見られて、嬉しい。

算数は特にいい。

答えに予想がつけやすい。解けたときの「したり顔」がみられる。自信や達成感の積み重ねが、小学生のやる気を起こしてくれる。

▪️シャドーイングさせて、ぐいぐい引っ張っていく。

本の内容や英語が、生徒の体に入ってくるのは、やはり何度も読んだあとだ。何度も読ませるには、指導者が引っ張る。

そうすることで、読む速さや抑揚や表現も上等なものになる。

シャドーイングで指導者の読みを耳に入れ、口ですぐに反芻させるのがいいらしい。生徒も読めない苦痛がなく、調子が上がる。

▪️Word Ballゲームで「遊ぶ」と見せかけ、語彙を身につけさせる。

先日、復習として既読の2冊読ませたが、以前はたどたどしかった難しい単語の読み、例えば congratulateとか、aggressiveとか、successfulとかが、あっと驚くスラスラさ。驚いた。

これは集中が切れた時、やる気が失せている時にとくに効果を発揮するアクティビティ、Word Ballゲームのおかげだ。

やり方は簡単。課題書の新出語彙や読みにくい語彙を板書、またはポスターにして貼る。

その読みを一度、おさらいする。

それからボールか、柔らかい人形をパスしながら、受けた生徒がどれか一語を言う、という単純なゲーム。

だんだん速くする、間をおかない、ということでプレイすると、それなりに指導者も一緒になってムキになり、大きな声が響く。

 

いろいろ指導者として技を磨き、生徒には力を効果的につけさせそれを実感させて、小学生の「英語離れ」をくい止めたいものだ。

 

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