英文学、今なら読めるか…〜リードアラウド研究会

リードアラウドの名付け親でもある、成蹊大学の宮脇俊文先生が、近々「文学サロン」と「英語サロン」を、我が研究会の二子玉川教室で始められる。

その概要。まずは「文学サロン」から。

英語名称:The Wisteria Literary Salon

今の時代、じっくりと本を読んで物事を考えるということをしなくなってし
まった。それは大学の教育においても同様で、即戦力的なことばかりに目を向
ける傾向が強くなっている。英語教育も、本を読まずして「会話」能力にばか
り目を向けがちだ。それでは時間を無駄に消費するだけで、結果的にどこにも
到達できない。そんな風潮を是正すべく、今こそ古典的な方法で書物と向き合
い、精読し、思考し、議論することをこのサロンではやっていきたい。時間を
かけずに何かをものにしようといった安易な考えを改め、今こそじっくりと古
典を中心とした書物に取り組む時だ。なぜ今古典かと言えば、それは今の時代
にも十分に通用する人間の普遍性を提示するものであるからだ。何かを極める
には、それなりの時間がかかる。それが結果的には、本物の力を身につけるこ
とへの近道なのだ。

本当は、私などよりずっと若いみなさんが、こういう時間を持ったらいい、と思う。

でも周りを見ると、ものをある程度考える若い人は、「時間をかけずに」「何かをものにしたい」、お金は食べ物へと、成果や結果をすぐに感じられるものへ向かうというか、そうせざるをえないと思われる環境にある。

なのに、(若くない)私のこんな身近にこんないい機会がやってきて、時間も費用もまかなえる…

 

英語で文学か。やっちゃうか。

もう準備できたかな、大人の文学が(ある程度)わかる英語力。

 

サイエンスの世界での英語でアップアップして、それでも徐々に児童文学、ミステリー、ノンフィクションと読めるようになってきたけど、気がつけばシニアの年さ。

 

始めるか、文学作品。

 

(「文学サロン」開講は1月、お披露目会は12月1日。いつもの二子玉川教室で。詳しくは後日)

絵本リードアラウド認定講座第7回報告:パパ・ママにご指南する~リードアラウド研究会

「キャラクター造型について」より続く

 

子どもを持つ親たちが『Hop on Pop』を、我が子にどう読んで楽しませるか。親たちを対象にした「読み聞かせ」(声高に言わないが「実質はリードアラウド」)指南の方法を学ぶことが、本講座のもう一つのテーマだった。

 

これまで書店などで開いた「パパ・ママ講座」で聞いた、親からの相談や質問、そして反応などから、固まって来た手順や方法を、本講座で紹介そして演習した。

想定する親たちの「読み聞かせ」の対象は、0から2、3歳までの子ども。その子たちが見聞きする、初めての英語絵本になることが多いだろう。

親がそこで案じるのはどういうことだろう。わたしたち指導者は、しっかりそれを把握しておきたい。そして、納得のいく答えをわかりやすく伝えたい。

 

たとえば、こんな質問だ。

「自分たちの日本人なまりの英語で、読み聞かせてもいいのか」

「CDなど音響を使った方がいいのではないか」

これなどは、必ずわたしたちが答えを用意しておくべきものだ。

 

今回は認定講座に初めての参加者もいたので、おさらいをしながらだったが、「ベテラン」の域に入るリードアラウド認定講師が、意外と自信なさそうな話し方だったり、内容にツッコミどころが多かったりしたのは、予想外だった…。

講座として、危機感を持って、力をつける演習を工夫するなどして、認定講師全員が、しっかり、第二言語習得学(論)を踏まえて、「そのご質問、待っていました」と答えられるようにしたい。

大反省。

 

指導の進め方については、リードアラウドとしての型がはっきりしてきたので、踏襲しやすくなったのではないだろうか。

つまり、

絵本の絵をよくみて、語り合い、「普通に読んでみましょう」の時間を作り、

「目玉」の表現練習の時間に移る。

ここで、シアターゲームから拝借したWord Ballゲームで、言葉に表現を乗せていく練習は、認定講座の演習でおなじみで、リードアラウドのベテランたちは、この指導は心配がなさそうだった。

今後は、ゲームをつど使用する本に合わせて自由自在にアレンジできるよう、自分から楽しめるようになると、さらにいい。

 

リードアラウド歴が短かったり、またはブランクがあると、表現指導する指導者として、表現が貧弱だったり、物足りない。

今回の演習でも行なったエネルギー放出と、感情のバラエティを思い出して、指導者としてエネルギーを高め、より細やかな感情を表現できるよう、本講座の演習を工夫していきたい。

 

 

 

 

 

 

 

絵本リードアラウド認定講師講座【大阪】2019秋 報告その2~リードアラウド研究会

今回の講座、後半は往年の名フォークトリオ、PPM(Peter, Paul and Mary)が歌唱し大ヒットした曲を、メンバーのPeterが絵本にした『Puff, the Magic Dragon』。

深みと温かみのある新人イラストレーターのイラストが、幼い読者にも大いに語ってくれる、選者としては「新古典」としたいところの一冊。

 

リードアラウドでは、本文である情緒豊かな詩を読み解くことで、

おとぎ話の「語り口調』での朗読方法を学び、

指導に関しては、生徒の興味を呼び理解を促す発問を出せるようにする。

 

易しそうでいて、大人の深読みを誘う詞だ。

難物は、7回も繰り返されるサビの部分。

Puff, the magic dragon lived by the sea〜

のところが、物語の進展によって、7通りの違った感情になる。それを表現する。読み分ける。

 

そのために、声だけの機械的なものではなく身体的にするため、読解をしっかり確認していった。

 

分析を通し読解を深め、具体的にどんな感情かを各自が場面ごとに考え、それを書き出す。

この作業で、読み手の感情のゆらぎが減少し、聞きやすく場面が頭に浮かびやすくなる。

 

感情を表現するには、「筋トレ」も必要だ。

声の要素の演習。

呼吸、発声から、声に強弱、大小といったvolumeをつける演習、音の高低や、緩急をつける演習を行った。

本書は、遠近という要素も生きる。これは視線の移動で作る。

 

そして、もうひとつ。

皆さんの自習してきた朗読に残る、ごろっと耳に違和感のある言葉。

これを減らす演習だ。

 

シアターゲームのWord Ballゲームが、有効だった。

たとえば、主人公が大切にしていた「宝物」、stringsやsealing waxを聴衆にイメージさせるには、まずは読み手がイメージを持たなければならない。

このゲームで随分と、イメージが言葉に乗るようになったようだ。

 

こうした表現を磨く過程で、自然と読解に関するディスカッションがされた。

その内容がほとんどそのまま、自分たちが指導するときの、生徒への発問になる。

全体を通した模擬授業は、時間切れでところどころしかできなかったが、この日、自分たちが読み解いていった過程を、生徒と再現するつもりで授業にしてみて欲しい。

 

朗読BEFORE/AFTERで、皆さんのAFTERは…

お互いの講評でも挙がったことだが、BEFOREとは大違い!

 

ひとつひとつの言葉を大切にする心が、全体を「なんだかいいな」という空気で包んだ。プレゼンではとても大切なことだ。

まだ感情の「抜け」と、切り替えの不確かさ、起伏の弱さや違和感が残るが、今後、それを録音で自ら聞き取り修正していければ、もっともっといいものになる。

ご精進を!

 

 

 

キャラクター造型とリードアラウド〜リードアラウド研究会

先日の絵本リードアラウド認定講師講座第7回の朗読の要は、物語りをしていない絵本に物語りを見つけ、そのキャラクターを造型して、朗読を立体的にすることだった。

その講座でも話したのだが、近頃の発見ー今頃かとツッコまれそうだがーというか、再発見?は、

「つまらない朗読と面白い朗読の違いは、作品のキャラクター造りの有無による」

ということ。

 

ただ「正確に」「美しく」絵本を読んでいるビデオが、ユーチューブに溢れているが、リードアラウドとして「合格」にできる、または子どもが楽しめると太鼓判を押せるのは、2割程度だと思う。

 

その2割は、ほとんどがプロの俳優によるものだ。

 

ただの俳優ではなく、うまい俳優。

 

そんなことを思っている今日この頃、伝記映画をたまたま2本続けて見た。

1本目『FOUJITA』は、画家藤田嗣治を日本人の俳優が演じたもの、

もう1本はアメリカ映画だが、英国が舞台。実在したENIGMAという「世界で最も解読が難しい」と言われたヒトラーのドイツが使った暗号を解読した英国人Alan Turingを描いた『The Imitation Game』。主人公を演じるのは、Benedict Cumberbatch。

 

完全に2本目の勝ち。1本目は最初の30分で、見続けるに堪えなくなった。

ゴメン。空々しい台詞と何も滲み出さない薄い演技。嫌いではない俳優だけど、演技の基本ができていないフワフワ感についていけない。

 

対して、『The Imitation Game』。

これは最後まで一気に見ただけでなく、終わってから、そして翌日も、主人公Turingの存在感に頭がいっぱいになった。

 

俳優が「演じた」ということさえ意識から吹っ飛んで、実在のAlan Turingのことを読み始めたりしている。

目をつむると、Turningいやいや、Cumberbatchの仕草や言葉、表情を思い出す。こう言う状態は、hauntedとでもいうのか。頭から離れない。

 

キャラクター造りが、見事だった。素の俳優は見えない。地味な主人公なのに、ああこういう人いるな、と自然に思える。

台詞回しは、性格に合わせて、おどおどしたり高圧的になったり、頭出しが遅れたり、どもったり。アスペルガー的天才肌だったのかな、とだんだん印象が積み上がっていく。

特に素晴らしいのは身体表現。表も裏も横も演じている。立ち方、微妙に内股の時があったり、もつれたり。横から見ても、感情が伝わる。

 

ああ、一度の人生じゃ、ここまでたどり着けない……。

それでも、精進します!!

 

 

Alan Turingに扮して、その手紙を読む

「おとぎ話」を読む。

そして、『The Imitation Game』のTrailer.

絵本リードアラウド認定講師講座【大阪】2019秋 報告その1~リードアラウド研究会

『Freight Train』と『Puff the Magic Dragon』の2冊を課題書にと欲張った講師は、台風19号(Typhoon Hagibis)で増水した多摩川を後に、一路大阪へ飛んだ。

 

西日本の参加者の皆さんも、多少の日程の調整はあったようだが、ありがたいことに受講予定者の全員が無事集合した。

 

まずは『Freight Train』でウォーミング・アップ。

 

色、貨車の様々な形や種類に踊る心を思い出す演習だ。

そして、構成を鳥瞰して緩急をつけるところまで。

 

意識を持つことと、ちょっとした身体演習で、これらが皆さんの朗読を豊かな表現に導き始めた。

 

それから、再びコンパクトにまとまった適材、『Freight Train』で、リードアラウドの模擬授業をみなさんが分担して行った。

 

イントロダクションは、表紙を使った「リードアラウドの約束」の紹介。ここに、オリジナルな考えが詰まっている。

絵本ごとに、そして相手(聴衆、生徒)ごとにやりようがあって、何度やっても飽きない(のは私だけ?)楽しい部分であると同時に、大切なところだ。

参加者の中でもベテランはさすが。自由さ、リラックス感は、慣れれば慣れるほど出てくるし、「どう料理しよう」という楽しさも見て取れた。その調子で!

 

リードアラウドの指導は、指導者の問いかけに応えてもらうことで進める。よって、何を聞くか、発問することが次々浮かぶようになりたい。

そのためには、「何を何のために尋ねるか」を指導者が自身にあらかじめ浸透させておく。

 

『Freight Train』は、発問する練習にも適当な絵本で、必然的な発問、というものを見つけやすかったのではないだろうか。

 

さあ、難物は『Puff, the Magic Dragon』だ。

(続く)