(前回からの続き)先日のワークショップでも、朗読上達の効果を確認できた…
そのメソッドとは…
Characterization。絵本の登場者のキャラクター付けをすること。
今夏、Improvisationの本場、アメリカで3度目の、ワークショップ参加。そこでも、Characterizationを学び、その過程がリードアラウドの朗読の上達につながるという感触を再認識した。
Characterizationのために、段階を踏んだ。
1.緊張を取る
認定講師ワークショップは年間通してのものなので、参加者同士がほとんど顔見知り。
そんな場合は、この段階は飛ばせる。
初対面同士の場合に必要な段階だが、シアターゲームでウォームアップが有効。
2.準備(発声など)する
声を響かせるウォームアップ。
大きく口を開いて、遠くを目標に声を出す。
3.キャラ:身体作り
声は出さず、身体でcharacterizationの演習をする。
課題書に登場する、inchwormやrobin、nightingaleのキャラを分析。
分析したキャラになったつもりで、台詞はなしに歩き回ってもらった。
例えば、inchworm。
幼児だが意気軒昂、知恵もの。人生に前向き、生きる喜びに満ちて歩く…など。これらを姿勢や表情、歩き方などで表すこと数分。
いくら声での表現である朗読でも、口先だけでは自然で趣のあるキャラを作り込めない。
キャラを体現しながら歩き回るうちに、ワークショップ参加者の皆さんが、だんだん解放されていく。
自分も解放感を感じつつ、仲間の自由な姿を目の当たりにするというのも、効果的だ。
グループレッスンの効用も加わる。
4.キャラ:声作り
それぞれのキャラになったつもりで、自由な話題で他のキャラになっているパートナーと話してもらった。
inchwormとrobinなら、少年とおじさんとして、性格は分析したものに沿って、話を続ける。
身体の動きは、さきほどの感じを保つ。
5.キャラ:実際の文中にある台詞を読み合う
役がだいぶ身体に入ったところで、台詞をつけてもらった。
最初の朗読と、かなり違う、血の通った台詞が方々から聞こえてきた。
以上5段階を踏んで、それからの本書『Inch by Inch』の朗読は、それはそれは傑作揃い。
ところどころ、特に細かい練習をしていなかったナレーション部分に、隙が見られるが、会話部分は素晴らしいものになっていた。
characterizationは朗読を楽しく聞かせるものにしてくれる。
そして、この5段階練習法でcharacterizationが身体に入るらしい。