課題書『Tough Boris』では、toughを始めとして初級の英語絵本にしては上級な形容詞が、意図的に使われている。
子どもは意外と、難しい単語が好きだ。
なんだか大人になった気がするのかもしれない。
でも、それらを、「ただ読む」だけではなかなか意味が分からず、本書の楽しさが伝わらない。
そこで、これら形容詞を自然で分かりやすく表現するためには、指導者自身が、自分たちの感情と一体になるよう、身体に言葉の感覚をしみこませることが重要と考える。
指導者が、それぞれの形容詞を自分の感情として理解しているかが、相手に伝わる表現の鍵になる。
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この日のワークショップで、このことに関連して、重要な気づきがあった。
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二人ずつ向かい合って「Hello〜」と言葉を交わしながら、だんだん距離を広げていくーこの前回もした演習。
今回はこの「Hello〜」に、tough、massive、scruffyなど本書で使われている形容詞のemotionsをつけくわえる、という応用編だった。
toughな感じに「Hello〜」と相手に言いう。
相手との距離を段々にあけていくことで、emotionsの押し出しを強くはっきりさせる演習だ。
みなさんのノリもよく、かなりのエネルギー放出と心の解放もあって、さぞかし本文の形容詞の部分の表現にニュアンスと力が加わるだろう、と期待できた。
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ところが、である。
仕上げの朗読は…
ん〜。
弱い。
微妙なニュアンスがない。
結果、表現が単調でつまらない。
演習では、上手に感情が出ていたのになぜ?
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しばらくして、
気づいた!
こういうことなのでは、ないか。
例えば、tough。
toughな感情を出すのは、みなさん上出来だった。
だが、もう一段階、必要だったのだ。
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toughな感じを、「tough」という単語そのものに乗せる練習、
それをしていなかった!
toughな気持ちという空気のようなものを、toughという実在、つまり単語に乗せる、というもう一段階が、必要だった。
脳の中の、処理機能に関わることだろうと思う。
「言う」中枢に、「感じる」中枢を繋ぐのに、具体的な運動が必要らしい。
「tough」という言葉を、本当にタフらしく、脳に記憶させるように演じつつ大きな声で言う練習をすること。
今後の本講座の演習の仕方は、今回の気づきのおかげで、もっと効果が高く、効果の現れが速いものになるはず!