どきどきのリードアラウドの発表会。
これまでそうだったように、子どもたちは集中力を出して「おお化け」するとは思いつつも、「でも…」と心配になる。
ははは。
またまた杞憂だった。
大いに「化け」てくれた!
12月のクリスマス発表会では、入会したてだったので、『Bob Books』からの1語文などを読んだ生徒。
豹変した…。
声は朗々、演技も楽しそうにつけて読むではないか。
『Snow』の登場者、おじさんとおばさんのせりふは、リハーサルのときから比べると、ちょっと表現がおとなしくなったが、それでも大したものだ。
(「読める、読めない」の次元はもう越しているのである)
英語の絵本を手に、生き生きとして読む様子を見るのは、本当に指導者冥利につきる。
「この子には、リードアラウドで英語を学ぶのが、性に合っているのかも」と、なんとも嬉しくなった。
幼児からリードアラウドを始めて、この春からは小学生になる生徒。
発表会での「化け」っぷりは、毎度のこと。いつも驚かされて来た。
とは言え、今回は…と、心配になる。
発表会のほんの2週間前まで、実は一人で読ませるのは荷が重いかなと思っていたのがこの本、『The Watermelon Seed』。
そんな懸念を見せたわたしに、本人はけろっと「(この本で)いいよ。やれるよ」と言ったのだった…。
そして、本番。
やった!今回も有言実行だ。
誇らし気な顔、この顔を見たのはもう何度目だろう。
いつもだけれど、ありがとう。
最年少、4歳の生徒は、もうすでに一度「変身」している。
蚊の鳴く声のような声でしか、読んでくれなかったのが、秋頃から徐々に変わり、今ではもはや「蚊の鳴く声」を思い出せない。
さなぎだったのが、蝶に大変身したみたい。
今学期、たいていのところは文字をちゃんと追って、声を上げ読んでいる。
その声も、『Rhyming Dust Bunnies』のせりふ「Run for it!」や「Ahhhh」は、やかましいほど。
生徒が「やかましく」なって嬉しいと思うのは、リードアラウド指導者ならではかもしれない。
それから親子クラスからもうひとり、新入生も発表した。
それも「超」がつく仲間入りしたばかりの新入生だが、本屋さんのリードアラウドで常連だった生徒だ。
いっしょにスクールでは学んでいない『Snow』の、文章量の多いナレーションを受け持たせた。
生徒の伸びしろをいつも大きめに考えて、挑戦的な課題を出す。
しかし、そうした後に決まって、指導者の心に渦巻くのが、
「負担が大きすぎたらどうしよう」「読むのが嫌になったらどうしよう」という、弱気…。
そして結果は、いつも生徒たち(プラスご家族)に驚かされることになる。
この日の、『Snow』の仕上がりもそうだった。
すらすらと、でも平坦な読み下しではない、そこここに情感さえ感じる読み。
リードアラウドの約束「気持ちを込める」に忠実な、内容をわかっているからこそだせる味をだしていたのである。