「高速で進化中」のリードアラウド指導者、Hさん。
以前、勤務していた厳しい職場(書店)で、しっかり「仮説と検証」する仕事の仕方などを学んだひとだ。
「授業計画」(仮説)と、「指導記録・報告」(検証)がしっかりしているのが、頼もしい。
子育て中でもあるHさん。
今のところ、おそらく丁度いい案配で、これまで学んだこととやりたいことと、今出来ることを、結びつけているようだ。
先日は地元広島で、何度目かのリードアラウド。
『How Do Dinosaurs Say Good Night』を使ったときの、報告をしてくれた。
以下に、転載させていただく:
2組キャンセルの、5組で行いました。
初めての方、旦那様がアメリカ人で英語環境に慣れている方、常連様、と参加者はさまざま。
自分と直接の知り合いでない方からの参加や問いあわせが増えてきたのが嬉しい。
今回はシアターゲームの1to10でウォームアップ。
10to1にしたり、AtoZにしたりで、子どもも大人も多いに楽しんだ。
声のボリュームもはじめと終わりでは明らかに違っていた。
いつも通りリードアラウドの定義と4つの約束事を確認してからスタート。
一回目はDinosaursが何をしているか確認しながら、実際にその動きをまねして。teddy bearを持っていって投げたり、お母さんとおんぶやハグをしながら。
slam用にベルトを持ってきいましたが、本気で怖がりそうだったのでやめました。
2回目は、見開きの恐竜図鑑で恐竜の名前の発音と特徴を確認した上で、絵探し、名前探しをしながら。
3回目はそれぞれのページの韻を確認しながら。
韻については、今まで意識していなかった、と新しい発見があった参加者も。
最後は全員で韻を意識しながら、通しで読みました。子どもはラストは集中力切れていましたが、お母様たちの声にはしっかりとした一体感がありました。
今回は時間に余裕を持って終われたので、余った時間でこの絵本の関連本を紹介したり、良さを語り合ったり、あーだこーだ話す時間がとても楽しかったです。
12/3、別場所で開催予定。今回は出来なかった指なぞりの徹底と、表紙の字体でイメージを膨らませたりする時間を取りたいと思います。
(以上)
この報告からの特記事項は、シアターゲームの効果。
リードアラウドの成功のひとつの秘訣は、子どもたちを解放させること。
解放されると、声が大きくなる。
表現が表に出てくる。
発言するようになる。
シアターゲームには、子どもに限らず人を、短時間に解放させる力があることが、ここでも示されたようだ。
「さあ、声を大きく!」「さあ、豊かな表現で!」「どう思う?」ーなどと、急に求められても、特に日本文化圏にあっては、なかなか人は応えられない。
しばらく一緒にいて慣れないとだめなのか?
しかし、リードアラウドは一期一会の場合が多く、待てない…。
そこで、シアターゲームの効果が光る。
Hさんは、10月に開催したシアターゲーム・ワークショップで、初めてシアターゲームと出会った。
そのとき、手応えがあったらしいことは、進行係りだったわたしにも、Hさんを見ていてよくわかった。
まんが的に表現すれば、Hさんの頭の上に、ピカッとランプがついた。
そんな「AHA!」の感じだった。
そのときの手応え(「いける!」)が、こうして実際に効果を生んだ。
これでまたひとつ、Hさんのリードアラウド指導者としての自信になる、経験が重なった。
シアターゲームでのウォームアップ以外でも、リードアラウドの「王道」的指導の進行が、うまくいったようだ。
まず使用する本の「テーマ」を指導者として捉えて、階層化する。
この本なら、
1.動作の面白さ
子どもが就眠前にすること、それらを恐竜がする。
その動作がどういうものかを、立体的に捉えさせる。
ここで、子どもたちを動かして楽しませる。
2.恐竜の種類、名前
恐竜は子どもたちのヒーロー的存在。
種類や名前に、かなり小さい頃から興味を持つ
3.詩人でもある作者の真骨頂、押韻
本のバックグラウドを知ることでも、凝った押韻に気付かされる。
作者が楽しんで押韻しているのを、読者としても楽しみたい。
これらを、参加者の興味を見ながら、そして興味をひきながら、伝える。
この本のために読者に伝えたいと、わたしが思うことも、ここに集約される。
Hさん。
本や作者に代わって、この本のリードアラウドをどうもありがとう。
長いこと本書を紹介してきたわたしからも、ありがとう。
P.S.
シアターゲーム・ワークショップ、次回は未定。
春休み、またはそれ以降の日曜か祭日に、3時間程度の集中セッションになる予定。