絵本1冊で飽きさせない指導〜リードアラウドの心得

いつもリードアラウド・ワークショップのボイスウォームアップで使わせてもらっているRoger LoveさんのCD。

そのRogerさんは、ボイストレーナーから今やスピーチトレーナーとしても、実力を発揮している人だ。

今朝は、Rogerさんの「2秒で聴衆の心をつかむ方法」というネット配信のライブを聞いた。

その方法は、一言で言えば、「Happyな声を出す」こと。

具体的には
1. volume (しっかり大きく)
2. メロディのある声(つまりpitch、高低、緩急、リズムがいろいろある声)

同意しながら、リードアラウドでの、反対のことを考えた。
つまり「(2秒で)聴衆の心を離す方法」。

まず、わたしたち子どもを主な聴衆(生徒)とするものたちも、Rogerさんが言うように、弱々しく、そして一本調子の声で始めたら、すぐに子どもの気持ちが離れる。

「大人の話は行儀よく聞く」という子どもが比較的多い日本では、子どもに話をする大人が甘やかされているところがある。

本来の子どもは、つまらないことにとても敏感でそれをすぐに表す。
そういう子どもを、自分の聴衆、生徒のなかに見つけたら、ことさら幸運だと思おう。

つまらなそうにしている子、飽きている子を、面白がらせる話ができてこそ、一人前、自分を成長させる好機なのだから。

子どもの心が離れる、つまり飽きるのには、飽きさせた指導者の、共通する原因がいくつかあると思うので、ここに挙げてみる。

・声が同じ調子(pitch、volume、それと緩急がワンパターン)になっている

・盛り上げるのにスタミナが足りない(時間が短い、強調が足りないなど)

・盛り上がってから止め際を、わきまえていない(長過ぎる、頻繁すぎるなど)

・子どもの「飽きた」というサインを見逃している

これら、指導者が意識して改善する部分と、訓練しないと改善されない部分がありそうだ。

ワークショップの存在価値は、このへんにある…。

朗読力が求められる『Puff the Magic Dragon』~リードアラウド・ワークショップ11月予習は早めに始めよう

詩の意味を知れば知るほど、読むのが難しくなってくるのが11月の課題書だ。
Puff, the Magic Dragon

詩の共作者でそれを見事な歌唱力で歌っているのが、ピーター・ヤローさんと仲間たち(Peter, Paul and Mary)。

いろいろカラオケバージョンとかもあるが、このビデオはきれいなので、まずはこれを。

繰り返されるサビの部分は、どれひとつとして同じではない。
遊び相手をなくしたあとのPuffと、初めて友だちを得てウキウキしたPuff、歌方でもよく対照してみよう。

歌からも朗読の表現が学べる。

また、歌っているPeterは、おにいさんからおじさん、そしておじいさんになっても、澄んだ無垢の声で歌う。

わたしたちは、歌うわけではないが、声の感じは学べるだろう。

声がおじさんやおばさんになりがちな人は、声をどこかで押しつぶしているようだ。
コブシのようなものを効かせているのかもしれない。
この詩の声には、コブシはいらない。

または、口先だけで出している人も、おじさん、おばさん声だ。
喉の奥までゆで卵が通る管を広げる感覚で。

顔も疲れた顔で読んではいけない。
好奇心に満ちた、作らない顔。

おにいさん時代

おじいさんになってから

本書を歌って聞かせるバージョン

リードアラウド指導「あっけなく終わったが…」~指導者Mさんの報告

先日はブックハウス神保町で、Mさんとわたしでリードアラウド。
A Dark, Dark Tale

Mさんから、素晴らしい観察眼と洞察力に満ちた報告が上がった。
みなさんと共有したい。

(以下Mさんの指導記録のメモから引用)

大島先生から1週間前に渡されたメモには
「moorなどの場所の名を繰り返し(記憶するくらい)尋ねる/次にどこに行くのかを絵で想像させる/緩急をつける。特に後半は急/おどろきと臨場感あふれる読み」 
この四点が記されていた。

自分なりに授業計画を細かく書き始めていたところだったが途中で止め(実際には延々と続く繰り返しが面倒と思ったのだが。)、このメモ書きの四点のみを頭に叩き込んだ。

当日、始まる前のほんの10分間、ウォーミングアップを二種類行った。(註1.)

一つは一語ずつAからZまでを交互に目を見つめ合いながら順に言う。

二つ目はやはり見つめ合いながら、相手の全身の動きを自分の体でコピーする、というもの。

結果としてこの準備運動が本番中に大変役立ったと思う。二人組になって指導をする場合、どんなに綿密に計画を立て、授業のストーリーを頭にいれておいても、結局はその場での二人の息が合っていなければ失敗してしまう。

これまで何度体験しても成功しなかった原因はここにあったのだと実感した。

終了後にいつも反省会をするのだが今回はナシで解散。
さらに後から大島先生より
「楽しい顔が見られて何より。いい会の一つになりました」とのメッセージを戴き、じつはポカンとしたのだ。

あんなので良かったのか、というのが直後の実感だ。本番中何度も送られてくる大島先生からのアイビームに、これだけは逃すまいと気を配っていただけで、あとはその場、その瞬間に考えついたことを言っていた。

気が付いたら自分も楽しんでいる間に終わっていた。実にあっけなく終わった感が私にはあったから。

しかし、実際の録音を翌日聴いて驚いた。

自分と子どもたち、自分と大島先生との言葉のやりとりがうまい具合に進んでいるのだった。

更に自分の欠点に気づいた。
とにかく生徒へのつっこみが大島先生はしつこいのだ。

質問した一つのことをきちんとした返事でかえってくるまでしつこくせめる、または同じことを辛抱強く端から端まで繰り返しさせている。

何度も私が先へ進もうとするのにブレーキをかけてくださった様子がわかった。

また、授業計画書は大切だけれど、それに捕らわれてはいけない。
以前はこのページでは何を言うか、準備していた言葉を捜すことに必死で、目の前にいる子どもたちの言動に気配りが出来ていなかった。

RAというのは一方通行の授業ではない。

子どもたちを乗せ、読ませて楽しませるための、指導者はやはり芸人?船頭さんのような存在かもしれない。 

御蔭さまでリラックスしていたらしく腰痛にはなりませんでした。

(以上、引用終わり)

註1. このときの「ウォーミングアップ」
シアターゲーム2種。
1. A to Z… 向かい合ったふたりが、交互にAからZまで言い合う。
ふたりの息を合わせるゲーム。
意外と次が出て来ないため、とっさにもの言う演習でもある。

2. Mirror(またはFollow the Follower)
ある人(この日は向かい合った相手)の鏡に移った姿になって同様の動作、表情をする。
どちらもleadしないように、どちらもfollowerとして、あくまでも相手を真似る。

パートナーの動作への観察眼を養う。
照れずに向かい合いコミュニケーションを滑らかにする。
結果として、両者のアンサンブルが調和的になる。

英語絵本リードアラウドワークショップ発表会:2016.1.9(土)

2015年度のリードアラウド・ワークショップに1学期間以上通ったみなさん!
1月9日は登校日です。
カレンダーに印をつけて、他の予定をいれませんよう。

ワークショップに通しで通えなかったみなさんにも、この発表会を発表の場として用意されています。

それから、観客になって下さるみなさんを募集します。
もちろん無料です。
人数によっては、集会所を借りますので席をご予約下さい。
11月中旬ごろから募集要項をキッズブックスHPに載せます。
そこからお申し込み下さい。

そして、ワークショップで毎月朗読力と指導力を磨いているみなさん。
以下のカテゴリ、本で、どれをやりたいか、リクエストを寄せて下さい。

朗読1つは、必ず。
それに、できるだけ模擬指導1つも。

Readers Theaterは、全員どれか1つ以上に参加。
11月にこのReaders Theaterは、配役を決めます。

11月にWS参加予定がない人は、キッズブックスまたはオオシマまでにメールで、
1.朗読する本
2.出演するReaders Theater本
3.指導したい本
それぞれ1冊、知らせて下さい。

なるべくご希望にそえるようにしますが、変更をお願いすることもあります。
ご容赦下さい。

以下が絵本リードアラウド・ワークショップ2015 年間履修本リスト:
朗読 Green     
朗読 The Foot Book
指導 Go Away, Big Green Monster!
RT Two Eggs, Please 
指導/朗読 Duck! Rabbit! 指導:むつみ/れいこ
RT Art & Max        
RT King Bidgood’s in the Bathtub
朗読 Puff, the Magic Dragon
RT The Day the Crayons Quit

英語絵本リードアラウド・ワークショップ~参加者からのお便り

朗読指導者で、「表現読み」の提唱者、渡辺知明さんが、こんなことをおっしゃっていた。

朗読者はどうして共同の研究会をしないのだろうか。それは自分が読んで人に聞かせることばかりに関心があるからだ。だから読みが常に聞かせ読みになる。自らの読みへの反省がない。自分の読みを録音して30回以上聞き直す人がどれだけいるか。朗読は独学が本質だ。だが、理論の相互交流は必要なのだ。

リードアラウドのワークショップ、ふたつある柱の1本は、朗読。
そこでは、お互いの朗読を聞き、講評し合う。
普段は「先生」と呼ばれる人も、ここで耳を養って、反省もし、自分のプラスにする。

とても大切な時間だと思う。

前回の参加者のひとり、Nさんが以下のような、気づきをメールで寄せてくれた。

以下、Nさんのメールから一部抜粋:

ママ友さんの、子供達への声がけが明るく澄んだ声(普段は少し低め)。
(そして) 先日の(ワークショップの課題書の登場者) pageでHさんやYさんが出しておられた声、Mさんの豊富な声など、声にもいろんな質があるんだなと改めて感じました。
子供が笑いそうな声も面白いけれど、こんな澄んだ声も優しくて良いな!と思いました。

きっと、これまで以上に、声についていろいろ気付くようになったのだろう。
こういう気づきが始まるのは、上手くなる兆しだ。
楽しみとしよう。

ところで、ワークショップのもう1本の柱は、指導法。
前回ワークショップの模擬指導の時間は、子どもの発話を引き出し、それを肯定しながら知識や情報を伝える演習、「Yes, and」をすることに注意を払った。
それについても、さっそく試して、つぎのような報告。

英語教室のハロウィン・パーティーをし、生徒さんや娘の友達12名が参加してくれました。そこで、『Skeleton Hiccups』の読み聞かせをしました。4歳から小2までの子供達でしたが、Read Aloudの時のように、子供に絵本から推測させ、「yes and」で話を聞くことに心がけました。子供たちは全員、最後までしっかりこちらを見て、英語も一緒に元気に発話してくれました。ゲームやダンスなどもしましたが、この絵本の時間が一番まとまったな!って感じがしました。

なかなか癖にするのは難しい「Yes, and」(シタターゲームのひとつ)。
これからも、心がけたい。

Nさん、いい報告をどうもありがとう!

11月ワークショップの課題書
Puff, the Magic Dragon