「英語絵本リードアラウド・ワークショップ」10月の報告

先月のワークショップのテキスト絵本『Art & Max』では、ふたりの登場人物(トカゲ)を造型したが、今月はふたりどころか5人の造型が求められる『King Bidgood’s in the Bathtub』が課題だった。

リードアラウド指導者の朗読に求められているものが何かを知るみなさんだ。
予習の段階で朗読の完成度もかなり高くなっているので、みなさんがワークショップに求めるもののレベルも上がる一方だ。
そこで、ワークショップ中にすでに指摘したところも含めて、みなさんの朗読で、まだ磨ける点を列挙してみる。

1、空間を感じさせるための間をもっと。
王様のいるbathtubは、一種の異次元。
異次元を表すことができれば、朗読に奥行きがでる。
物理的な距離がたとえ近くても、異次元作りの方法として、ちょっと長めの間をあけるのもひとつの手だ。

2、声を長く響かせる。
エコーをかける感じ。
「Come in」をさらっと読んでは、王様の大きなbathtubの感じが出ない。
「カ、ミーーーン」と深く声を響かせてみよう。

何しろ王様とBathtubに磁力を感じさせなければいけない。
それが本書の目玉だ。

キャラクターの造型を、観念的ではなく身体化させる練習もした。
王様は大きなお腹でのしのしと、5、60歳の感じで歩く。
表情も忘れてはならない。
威厳があると同時に愛嬌のある笑顔だ。
頭からつまさきまで、王様になってみる。

模擬授業は、ちょっと長めに時間をとった。
指導者役は、生徒役のみんなとの対話でリードアラウドを進める。
その際、生徒の答えに「Yes, and」というシアターゲーム(インプロ)の方法を取った。
「Yes(そうだね)」と一度、受け入れる。
「And(それに、こんなこともあるよ)」と、有益な情報や知識を加える。
これを積み重ねていく。
説明は避ける。
発問に答えさせることで、本の内容を知らせる(tell)のである。
先生稼業をしていると、どうも説明したくなる。
そんな先生たちの「業」のようなものを、みんなで再確認して、その場で改善していけるのも、ワークショップの醍醐味だ。

今回もどうもみなさんお疲れさま!

P.S.
登場人物のthe Pageの声。
ベテランたちが、意外と苦手とする声だ。
この、少年の無垢な声が、抜群に上手だった広島から参加のHさん。
それから、KさんとYさんもよかった!
お互いの「芸」を盗み合えるのも、ワークショップの効用。

Art & Max (Art and Max)

King Bidgood's in the Bathtub

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