2013年Caldecott Medal

The Caldecott Medal went to Jon Klassen this year!
リードアラウド関係者には、I Want My Hat Back の作者、と言えばピンとくるはず。

I Want〜は2011年刊で、2012年のThis Is Not My Hat が受賞作品。
This Is Not My Hat

日本の出版社と翻訳出版の橋渡しをした関係で、Jonさんとは2度ほど話をしたことがある。

……なんて温度の低い言い方は、ぴったりこないか。
言い直す。

2011年の本見本市、BookExpo America でI Want My Hat Backを手にして大興奮。
「こんな本、なかった!」

かっかっかっと燃えたまま、来場していたご本人の前にしゃしゃり出て、大胆にも、日本での翻訳権がまだ空いているか尋ねた、という経緯があった。

翌年のBookExpoで、このThis Is Not My Hatを手にして、再びJonさんと立ち話。
新刊のほうも、前作同様に「翻訳出版プッシュします」と宣言したっけ。

毎年、本当に多くの絵本が出版される。
いつも言っていることだが、英語圏の絵本はマーケットが大きいので(お金が儲かるので)、多くの才能が集まる。
作家、編集者のレベルが必然的に非常に高く、そこから頭一つ出るのには、実力の他に運も必要だ。

Jon Klassen作・絵としてのデビュー作は、I Want My Hat Backだ。これは、わたしのような絵本にもはや「ナイーブ」ではない、いわば本選びで百戦錬磨のプロたちを震撼させた、と思った。

アートとして洗練されている。うまい!
それだけでなく、物語が意表をつく。
登場者たちが、甘過ぎず辛過ぎずの造形で愛嬌がある。

他に類書が思い当たらない。
「既視感」がないオリジナルなのである。

そして、子どもたちにも大いにウケた。
ベストセラーになった。

2011年のCaldecotte賞に値すると思った。
が、しかし。
「デビュー作にいきなりじゃ」、と選考委員は思ったのかも知れない。

この昨年の「得点」が、今年に繰り越された感じかな。

I Want My Hat Backは、完全にリードアラウドの定番になると言える。
子どもにも大ウケ、やる大人も楽しい。
みなさんも、ぜひ。

あ、受賞作については……
「料理法」を目下研究中。

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