英語絵本朗読初級というクラス

Beginner’s luck とでもいうものを、わが英語絵本朗読初級クラスで感じることがよくある。

このクラスでは、1冊の絵本朗読を90分で上手くなる方法を伝授している。
参加者は、さまざま。
共通しているのは、「英語は初級レベル」と謙遜している参加者であること。

英語がひととおり読めるひとたちなので、書かれている英語を「ただ読む」のは上手。
そして、この「ただ読むのは上手」の段階で受講したひとの場合、ここ数ヶ月だけの間の経験で、おまけに主観的ではあるが、たった90分でもかなりドラマチックに上達する。

Beginner’s luckと言えるかもしれない、
でも、運ではなく学習の結果で、幸運(luck)に語弊はある。

絵本の解釈をクラスで一緒に深めていくと、「ただ読む」だけだったひとは、内容理解がずっと深まり、朗読自体が見違えるものになる。
真っ白だった布が、ちょっとの染料でも染まって見えるのに近い現象か。

しかし、指導者のさらなる腕が必要なのが、多少なりとも朗読を聞かせる機会をもってきたひとの指導だ。
それも経験が長いほどクセが強くなる傾向があり、そのクセが例えば朗読を聞く観客に違和感を抱かせるものの場合、クセも個性とはいえ、取り除いたほうがいい。

でも、少なくともこのクラスの扉を叩いたひとは、「上手くなりたい」と自ら思ったわけで、上達への壁は薄い。

「beginners」と比べて、90分での上達にドラマチック度が少し少ないが上達は見えるし、目指すものを掴めば、その後が強い。
わたしには自分の経験からの想像でしかないが、このクラス後のみなさんの練習には目標が具体的に見え、「霧の中に道が見える」状態になるのではと思う。

そこで、さらに系統的・継続的に目標を立てて、上達を目指そう、指導者としても方法を学んでみようとなれば、リードアラウド・ワークショップ参加を考えるのもいい。

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そして、指導者の道は考えていないひと、アラカルト的に絵本を朗読して行きたいひとは、朗読初級クラスを続けるのもいい。

英語指導とは別に、わたしが英語絵本朗読について伝えたいのは、

朗読は、自分が身も心も気持ちがいいだけでなく、他人にも楽しんでもらえる(可能性がある) こと
英語絵本は、何度も読む価値のある味わい深い作品が多いこと。

この春も、こんな思いをひとりでも多くのみなさんと分かち合いたい。

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