ポートランドでのこの冬の収穫:その2

 今更だが、ポートランドでの恒例のbook huntingで見つけた本のうち、現在も手に入るものが、やっと入荷した。
Gallop!: A Scanimation Picture Book
Gallop!: A Scanimation Picture Book
 これは、飛び出さないが、動くしかけ絵本。あのサブダも絶賛。ベストセラーのため品切れになっていた。わたしは、ポートランド美術館のショップで見つけた。そのしかけは、「Scanimation」と名付けられたもので、格子をずらすことで絵が動いて見えるという仕組み。ずらす早さで速く動いたり遅く動いたりとてもアナログだが、それを絵本にしたところが大変新鮮。百聞は一見にしかず。見なきゃだめ。
Eye Think Retail Shop

 日本だけでなくアメリカでも、子どもたちの本離れが懸念されている。そこで救世主として登場したのがgraphic novels。日本のマンガのこともgraphic novelsと呼ばれるが、ここで紹介するのはもう少し文字が多いもの。小学生から中学生向けで、読書にまだ抵抗がある子どもたちを、うまく読書に引き込むためにgraphicが取り入れられている。
 そのひとつで、NYタイムズの児童書ベストセラーリスト#1に輝いたのが、
Diary of a Wimpy Kid
Diary of a Wimpy Kid
“a novel in cartoons”というキャッチコピーが付いている。開くと、手書き風の文字が、日記帳を模したページに並び、1ぺージの40%程度が「ヘタウマ」風のマンガだ。背が低く、弱虫な、まだ髭が生えるきざしもない中1の男子の日記の体裁だ。本のデザインとしてもおしゃれで、大人が手にしてもそう幼稚に見えない。

 ポートランド空港内のPowell’s Booksで、ある小学生の年子のきょうだい(男女)が、この本をめぐって喧嘩をしているのを目撃した。好きな本を1冊ずつ買ってもらえることになったふたりが同じ本『Diary of a Wimpy Kid』を選んでしまった。母親が同じ物はだめだと言ったので、どちらか一方が他の本を選ばなければならなくなったのだが、ふたりとも譲りたくないという……。
 飛行機の出発の時間が近いのに、子どもの喧嘩聞き耳をたてていた大人のわたしもナンだが、つまりこの本は人気が高いということだ。

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