英語えほん千夜一夜第11夜~Night Animals

Night Animals
Night Animals 文・絵 Gianna Marino 9780451469540
$16.99  目安のレベル:入門

 表紙を開けると、見返しに真っ黒が広がる。そこに3対の目。「はて?」と思ったら、カバーのそでにこんなやりとりが。「It’s very dark in here(ここは真っ暗だ)」。すると、「This book is about night animals. It’s supposed to be dark(この本は夜の動物についてのだから、そりゃ暗いよ)」の声。「How are we supposed to read it then(じゃ、どうやって読めばいいの)」?答えは「Flashlight(懐中電灯でいかが)?」ということで、読者は想像上のflashlightをつけて読み進むとしよう。
 ページを繰ると、見える、見える。まず、SkunkとPossum(オポッサム)。暗闇のなか、オポッサムが木のほらに隠れている。スカンクも成り行きでそこに隠れ、尋ねる。「What are we hiding from(ぼくたち何から身を隠しているの)」?オポッサムの答えは「Night animals」! でも、ほらは2匹には狭いので、他を探しに歩き始める。すると、roar(ガオ~)。びくっとして見ると、それは「SOMETHING is following(何かにつけられている)」と、怖じ気づいたwolf(オオカミ)だった。そして表れたSOMETHINGは、big and hairy with long, sharp claws(大きくて毛深く、長く鋭いかぎつめ)のあるBEAR。ところが、このクマもまた同様に「something HUGE is coming(何か大きいものが来る)」とびくびくしている。そこに今度は、みんなの頭上に黒い影が!「RUN(走れ)!」「HIDE(隠れろ)!」。あわてふためく4匹に、上から「STOP(止まれ)!」の声。影の正体はコウモリだった。すぐに気絶してしまうオポッサムを筆頭に、night animalsに腰が引けている4匹に、あきれて言った。「But you ARE night animals(だけど、自分たちが夜の動物じゃないか)」。
 「Ohhhhhhh(あ、そうーか)」。安堵もつかの間、どこかで「click(カチャ)」、そして動物たちを光が照らす。こんどはいったい何?         
 カバーの裏には夜行性動物の科学的情報が満載で、理科好きにも!
 

音読のヒント 1. 本文はすべて吹き出しに書かれた会話。役に分かれて読み合うか、声を変えてひとり5役で。
2. 大文字になっている語は強く、また字の大きさに合わせて声の大きさも調整する。

リードアラウド認定講座/ワークショップ次回、8月の課題図書

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英語えほん千夜一夜第10夜~Bad Kitty

Bad Kitty [With CD]

Bad Kitty 文・絵Nick Bruel ISBN: 978427213624 , $9.99 レクサイル指数: 280L 目安のレベル:中級

 彼女はネコである。名前はもうある。Kitty、本書の主人公である。ネコを主人公にした絵本といえば、『Puss in Boots(長靴をはいたネコ)』や『The Owl and the Pusshycat(ふくろうとねこ)』などの古典を始め、挙げたらきりがない。そんな「激戦区」にこのKittyが、2005年に登場。家ネコが思いつく限りの悪さをし、その弾けぶりで一躍人気者に躍り出た。現在は、小学生向けの挿絵付き読本シリーズにもなり読者層を広げたが、絵本の本書がデビュー作である。

 このネコ、もとはgood kittyだったが、ある日から「very, very, bad, bad」な、「BAD kitty」になることを決心する。きっかけは、飼い主が餌を切らして、代わりに「healthy and delicious」な野菜類を与えたことだった。 26種の野菜類がアルファベット順に並ぶ。Fennel(ウイキョウ)やXigua(スイカの一種)など何やら美食派風だが、ネコには…。「Ack!」「Eek!」「Ick!」「Oh, no!」「Ug!」「Yuck!」。嫌悪の悲鳴が続く。さらに愉快なのは、その後飼い主が揃えたネコの好物。AからZまで並んだのは、「an Assortment of Anchovies(カタクチイワシの油漬け盛り合わせ)から、「Jellyfish Jelly(クラゲジャム)」や「Shark Sushi(サメ寿司)」…。他では類を見ない(!)リストで、読者は実に楽しく語彙が学べる。これらには、もちろんKittyが歓喜の「Whee!」などの声をあげる。嫌悪でも歓喜でも、英語の感動詞を言わせると子どもは大喜びだ。

 「嫌いなもの」「好きなもの」のA to Z(アルファベット順に並んだリスト)他に、「悪い行為」「いい行為」も、それぞれ26ずつ挙がる。例えば、「悪い」Cは「Clawed the Curtains(カーテンを引き裂いた)」、Oは「Overturned her cat box(トイレをひっくり返した)」。後半でいい子になりCで「Cleaned her Cat box(自分のトイレを掃除)」し、Rで「Repaired the curtains(カーテンを修理)」する。ただ、この「いい子」ぶりは、どこか信じられず、続編を予想させる。

 大人には、付属のCDの声優Vanessa Williamsの名が懐かしい。アフリカ系米国人初のミスアメリカからモデルに、近年は演技派俳優になった人だ。よくある甘ったるい読み聞かせではない、ごく自然で生活を活写したような朗読は見事。

 

音読のヒント

1. 野菜と好物のアルファベットを一緒に読みながら、Bad Kittyのリアクション(Yuck!Yum!などの感動詞を言う)を真似てみよう。

2.  CDを流し音源と一緒に読み、同時に読んでいる語を丁寧に指でなぞっていく。Letters(文字)とspeech(音)がだんだん一致してくる。

 

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文を身体化する~リードアラウド認定講座第4回報告その2

You Are (Not) Small

先日のリードアラウド認定講座第4回のもうひとつの要は、

身体化。

そこで、朗読を口先だけでなく、朗読者の身体のなかから、深く厚みのある表現にするための演習である。
そしてその演習はそのまま、生徒の表現力指導にもなる。

「感じを出して読む」のをモットーとするリードアラウド。
生徒の手本となるべき指導者の表現が、平坦だったり、観念的ではまずい。

まずは、表現を筋肉にさせる演習だ。
声を出さずにscream!

口だけでなく、身体を使って、でも声を出さないで叫ぶ。

なかなか、楽しい光景が広がった。
そして予想外に早々に、みなさんの表情がゆるみ、筋肉が反応しだした。

いい傾向だ。

それから、今度は声を実際に出してもらう。
「え?いいんですか」と、だれか。

ふと、怖くなったわたし。
もしかしたら、これまた予想外に、凄いことになるのか。

ア〜〜〜〜〜

…健全な、そして解放された叫びが、教室内に響き渡った。

本講座の指導者たちが、かなり元々から解放されていることがわかった演習でもあった…。

子どもとの場合、初めてで緊張していたり、解放が必要な閉じた子どもたちに、効果的なWarm-upだ。

次なる身体化演習は、キャラ作り。

課題書『You Are Not Small』の登場者ふたりを、声だけでなく身体から演じ分ける。

大きいほうの登場者を、観念的でなく身体から、それも具体的に5メートルの身長とか、体重300キロとかイメージして台詞を読む。

同様に、小さいほうも、50センチで20キロなどとイメージして読む。

こちらの演習では、なりきり力に差が出たようだ。

この辺のところは、すっかり「大道芸人」力のついたMさんが、思いっきりよくダントツ。

「顔芸」だけでなく、近頃は「身体芸」も意識して、立体的になった。

また、あどけない子どもの表現も、クサさがなくなり自然。

それから、普段の外見から「まさか」と思う表現をするようになったHさん。

昨年から兆しはあったが、本年度になってはっきりと、身体の反応が外に出て、表現者としていちじるしく成長中か。

Nさんの楽し気に表現する姿も印象深い。
芸も大きくなった。芸の「体幹」のようなもの、頼もしさのようなものが感じられる。

今後が楽しみだ。

新人の場合、どうしても声に強さや響きが足りない。
よって、訴求力が弱い。

ただイメージとしては、妖精のようになるのが興味深い。
ひとつの表現として、覚えておきたい。
ただし、残念ながら、今回の課題書の登場者は妖精ではない…。

声の力はあっと言う間につかないが、意識して日常で育てて行けば、必ず身につく。
がんばれ、新人Yさん!

かわいい高声が個性的な中堅Yさん。
近頃は、これまでやや観念的で平坦だった強いひと(かわいくないほうの)キャラもこれまでの観念的でなく、実際に身体的で、存在感も漂い始めた。

ベテランには辛口になるが、パターン化または「そこそこの表現」にしていないかと問いたい。

「踊り場」に到達しても、そこは頂上ではない。
まだいくつもある「踊り場」のひとつに過ぎない。

いつも同じようなキャラを登場させて、「省エネ」にしていないか。

Hさんは、いつも爆発的表現の前に抑制がきく。
いい抑制もあるが、子どもとしてはときに爆発する大人は見ものだ。

自分の枠を広げてみると、新たな開放感があるかも。

 

Rさんは、新キャラとして、ひとつ「三船敏郎」みたいな動じないひと、というのを作り出せないだろうか。
自分のなかにないキャラも、そろそろ作れる頃?

 

さて、次回までの課題ひとつ。

ひとり二役。上位のもの(登場者brown)は、右下を見て語る。下位のもの(gray)は、左上を見て語る。鏡の前で練習してみよう。

それぞれの工夫そして精進に期待しよう。

また、次回の新課題はこれ。

Night Animals

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「比較級も教えましょうか?」〜キッズブックス英語スクール

FAQならぬJust Asked Question(JAQ?)に答える。

You Are (Not) Small』を、スクールの親子クラス2つ(英語入門クラスと英語経験2,3年以上「べテラン」クラス)でリードアラウドおよび劇で演じるように役に分かれて読み合う、リーダーズシアターをしている。

英語入門クラスでは、本文中で頻繁に使われる
You are〜
I am/am not〜
に慣れること。

そして、
big/small
という形容詞の反対語の対を知ること。

これらが、最初の目標だ。

Youと言って、相手を指し、Iと言って、自分を指す。
そんなところから、英語が身体化したらいい。

「ベテラン」たちには、
You are〜が「あなたは〜だ」と意味していて、
I am〜は「わたしは〜だ」を意味していること。
文法で言えば、SVC の構文を学んで使えるようにと思う。

また本文にあるように、相手に「You are small」と言われてむっとした登場者が、
「I am not small. You are big.」
と言い返す。

その言い合いのニュアンスを掴むこと。

そして、チャレンジとしては、are を前に持って来て、後ろに ? をつけるだけで、
「あなたは〜なの?」
Are you small?

とたずねる文になることも、頭の片隅に滑り込ませる。

こんなことを、目標としている。

だが、先生たるもの、どん欲な生き物だ。
これだけじゃ、気がすまない。

「最後の場面で、もっと小さいのが出てきたり、もっと大きいのが出てくるので、smaller とか bigger とか、比較級も教えたらどうかと思うのですが」

と疑問というか、提案があった。

ふむふむ。
もっともな感じでもある。

でも、わたしの答えは…

4歳から7歳の生徒に、2~3回の授業で教えるのは、欲張り過ぎ。
なし!

ネイティブの同年齢層の子どもたちにも、そこまで求めない。

ここで比較級を教えようと思うのは、中学生から英語を集約的に学んだ、英語優等生たちには、とても自然な発想。
自然すぎて再考がないのかも知れない。

ここで考えるべきことは、教える相手の年齢。

脳の発達的に、smallにsmallerがあって、おまけにsmallestになる、という知識は整理がつかない。

英語圏の英語教育学誌で、三人称の単数、現在形のときにつく「s」についての考察を読んだことがある。

この「s」、日本の中学1年生には頭痛の種のひとつだが、ネイティブにとっても、これを身につけるのはかなり後、たしか小学校中学年以上になるという。
大きくなっても、平気で「s」をつけないネイティブもいることから、身につきにくい、難しい文法だと言われる。

これから推察するところ、比較級もしかり。

難しいかどうかは、英語ネイティブの英語文法の間違いを知るといい。

高校生以上のネイティブが使う英語でみられる英語の間違い、ずいぶんある。
それは、難しいから。

ネイティブもしっかり学ばないと身につかない文法的知識を、英語の非母語者であるわたしたちが、ましてや中学生にもならない子どもが、学ぶのはなかなか難しい。

英語の先生をしている日本人は、中学高校時代に英語の成績がよかったひとがほとんどだろう。
自分たちがしっかり心して学んだ比較級、最上級、不規則変化など、生徒たちに教えるのに力が入ってしまうだろう。

中学生になっていない子どもたちに、英語を教える場合、先生方は自分が英語を学んできた道を、いったん忘れた方がいいかもしれない。

子どもたちの英語の学び方は、どちらかと言えば、ネイティブの学び方に学べることが多いようだ。

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『A Is for Salad』で学ぶ語彙〜キッズブックス英語スクール

英語を長く学んで来て、今更ながら大切だと思うのが語彙。

さて、今スクールの親子クラスでは、『A Is for Salad』という、「え?」というタイトルの本をリードアラウドし始めたところ。

Aは、サラダのA、って違うでしょ! 
「サラダはSで始まるよ、Aじゃないし…」
子どもたちが言う。

絵を見ると、サラダを食べているのが、Alligator。
「あ、コレだね!」

と、このように、ワンクッション置いて印象づけ、1シーンで2つの単語が愉快に学べる。

先日、この本の第1回目の授業でのこと。

扉絵は、『A is for Salad』とタイトルがあって、そこに大蛇の絵。

「なんで?」と思わないのは、大人ばかり。
ちょっと英語を知っている子どもなら、「なんで?」と騒ぐ。

「ヘビはsnakeで、Aで始まる言葉じゃないし」

子どもに聞かれて、答えにつまったら、
ココを見よう。

A is for Anaconda!

次に、大人が困りそうなのは、MとN.

M is for …のところに描いてあるのは、シカ。

でも、この種類はなんという?

答えは、ヘラジカ。M is for Moose!

Nを見ると、鼻のあたりに1本、槍のようなものがついた動物が描かれている。

「これ、実在の動物ですか?」って聞いた大人はひとりではない。
しらなかったら、子どもと一緒に調べよう。

イッカク、ちゃんと実在しています。英語はNarwhal.

N is for Narwhal.

このひとすじ縄では答えがでない絵本を読みながら、いろいろ知らなかった動物の名前をインターネットなどで調べて、本物の姿をぜひ、親子で見てみよう。

語彙ということだけでなく、生き物の世界の多様性に驚きと興味を持つことで、環境や地球に対してかけがえのないものだという畏敬の念も育まれるだろう。

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