大島英美のBLOG

科学的な英語学習~キッズブックス英語スクール

巷にはいろいろ英語学習についての俗説が流れている。
いわく、
先生はネイティブがいいか。
英語は聞きっぱなしでうまくなるか。
幼児期に学ばないとうまくならないか。
などなど。

たまたま見た雑誌「プレジデント」が、意外なほどまっとうなこうした俗説へ「まった」をかける記事を載せていた。

2017年3月27日号、特集「『中学英語』でペラペラ話す」というちょっと引いてしまう字が躍る表紙だが、中の「英語勉強法の脳科学」を読んで欲しい。

第二言語習得学とよばれる、言語習得のメカニズムを科学的に研究する学問があり、その科学的見解にもとずくものだ。

これは一般雑誌なので、言い切らなければならないくくりもあって、読んでいて物足りない所があるが、やっと英語を科学的に考えようという一般誌が出たのは喜ばしい。

もし、もう少し全体的な第二言語習得学について知りたい場合、おすすめの入門書は、これ。

岩波新書『外国語学習の科学ー第二言語習得論とは何か』白井恭弘著

キッズブックス英語スクールの指導も、こうした科学的な知見にずいぶんと影響を受けたカリキュラムにそっている。

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リードアラウド認定講座のみなさん、5月の予習!~リードアラウド研究会

早いものでもう5月もそこまで来ている。

5月の課題書は、これ。

子どもたちの反応を想像して、どきどきしてしまう。
Gross!
叫び声が聞こえてくるようだ。
でも、こんな感じで読まれたら、子どもとしてなんだか夢がしぼむ。
「先生」を演じるときは、手本になるだろうが。

こちらは、どうかな。

But she didn’t.この部分では、ちょこっと笑える。
ちょっと自意識が痛いかも。

おお、これは勉強になる。歌にしてしまったバージョンだが、押韻の効果や、繰り返しの効果がよくわかる。読み方の参考に。

これ!これです。
自然で、とても表情豊か。暖かみとユーモア。少年っぽい超然さ?

こんなところか。
参考にするところは参考にして、各自、それぞれ自分の課題に挑戦してみよう。

こんな課題があった…

・「先生読み」が抜けない人。
だれか聞いてくれる人を前に、話すように読んでみよう

・緩急があまりつかない人。
どこを速く読んでいるか、上の例を聞いて自分なりに差をつけてみよう。速く読みにくいところは、何度も練習!

・「眠くなる」読み方の傾向がある人。
特に繰り返されるフレーズを、毎回pitchを変えて読んでみよう

・「取り澄ました感じ」があると思われる人。
気持ち悪いものを読むときに、それを想像して「きもちわる〜い」という顔をして読んでみよう。

・クセの強い人。
語り手が少年なのを意識して、さらっとするところはさらっと。少年は「コブシ」をいれてしゃべらない

・みなさん。
But she didn’t は、工夫してみよう。

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リードアラウドで「弾ける」そしてそれから~リードアラウド研究会

(4月の認定講座/ワークショップ報告の「つづき、その3」も兼ねての投稿です)

リードアラウドで朗読が上達していく過程に、ひとつの特徴的過程がある。

               ↓

(一般の人の場合のBEFOREはここから)
0. ひっかかったり、読み間違えたり、ぎくしゃく、句切りも意味とは関係なく切って読む。または正確に読もうと平坦に読む

               ↓

(英語指導者の場合のBEFOREは「0」を飛ばしてここから)
1. 正確に読める(英語の先生のように、丁寧に読み上げられる)
                
               ↓

2. メリハリが出てくる。まだそれが、まだら

               ↓

3. 集中力が出て、すべてに目が届きメリハリが感じられる

               ↓

4. メリハリがパターン化、類型的または白黒だけの2パターンに
  
               ↓

5. 解釈に基づいた人物表現、語り口を意識したナレーション。細やかなグラデーションが感じられる

まずは、目指せステージ「3.」!

めでたくたどり着いても、喜びはつかの間、すぐ先に恐ろしい「4.」にはまる。

                 ↓

ここからが、苦しい。
いいかげん「ベテラン」と呼ばれる域にあり、
一般的には、褒められてしまう。

ここで、差がつく。

                 ↓

狭い英語教育コミュニティでの賞賛を鵜呑みにするか、どうか。

                 ↓
                 
こうなったとき、更に上のステージに上がる気持ちがなくなるのが恐い。

ここで必要なのは、客観的で率直な、耳のいい人からの講評。
リードアラウドをやっているみなさんは、こういうaudienceになろう。

そして欠かせないのが、厳しい自分の耳。

                  ↓

自分の朗読を録音し、客観的に聞くこと。そういう耳を育てること。

上質な芸、世の中でかなりのお金をとって公演と呼ばれるものをやっている人たちの芸を聞くこと。

落語家でも演劇者でもコメディアンでも生は最高。
難しければ、欧米圏のトークショーのホストの語りでもいい。

聞き流すのではなく、耳を凝らす。

すると、今まで気づかなかった微妙な声のvariablesが聞こえてくる。
それぞれの工夫が見えてくる。

                 ↓

先日のワークショップではMさんの朗読で、ステージ「4.」からみごとな「5.」への変化を見ることが出来た。

贅沢を言えば、短時間で変化させられるのだから、最初からなるべく「5.」に近い仕上げを。
Mさんに期待してしまう。

別のベテラン、Hさんは、「4.」にはまらず、かなり「5.」に近い仕上がりで最初から臨んだのはさすが。

Rさんは、典型的な「4.」で、エネルギッシュに仕上げて来た分、それを消すような「5.」への道が、難しい。

まだ「5.」の細やかなところを聞けてないのかも知れない。
「4.」を到達点だと思っていませんよう。

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リードアラウドは「弾ける」場〜「折々のことば」より

今朝の新聞「折々のことば」はロラン・バルトの言葉:

ゼミナールは、私にとって(軽い)錯乱の対象であって……この対象に惚れ込んでいる

そして、解説にこうある。

ゼミナールはラテン語の「種」に由来する。

ゼミナールは種が蒔かれる場所、
教師も学生もなくそれぞれに弾ける場所なのだ。

そこでは確定した何かが伝授されるのではなく、
解らしきものはみな宙吊りにされる。

足場を崩され、めまいに襲われる。

そしてそういう交感が何にも代え難い悦びとなる。

「テクストの出口」(沢崎浩平訳)から。

先日のカルチャーセンターで、お互いに自分たちの朗読を講評し合ったときのこと。

昨年から続けている「先輩」が、今期始めたばかりの「後輩」を講評した。

「もう少し、弾けるといいですね。
弾けると自由になって、表現が出てきます。
わたしも、弾けました」

そう、弾ける。

なにか流行言葉のような使い方だと思いつつ、わたしも使っていた言葉。

でも、古典的な意味を持ち、実はワークショップの本質を突く言葉だった。

わたしが指導者、先生なんて畏れ多い。
ファシリテイター、テーマの提供者のつもり。

わたしも、弾ける。

そして、みなさんとの交感が何にも代え難い悦びとなっている。

ワークショップ、
セミナー、
カルチャーセンター、

大人や子どものみなさん、ありがとう。

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落語家に学ぶActive Listening:英語絵本リードアラウド講師認定講座4月報告その2

リードアラウドは指導者の朗読力を高めるのと同時に、指導力も高めることを目的としている。

指導力ということで、本年度から使い始めた言葉、
Active Listening

積極的に聞くということだが、その演習として、Paraphrasing演習を行った。

その報告の前に、タイムリーな新聞のオピニオン記事をご紹介したい。
4月18日の朝日新聞の「耕論」ページ、表題は「相手の話、聞こうよ」。

リードにはこうある:

国会を見ても身のまわりにも、海の向こうの米国でも、人の意見を聞かずに自分の言いたいことだけ言う人、増えていませんか?
深呼吸して、相手の話を聞き、対話する、そんなことから始めませんか。

3人の識者のコメントのうち、やはりなんと言っても(?)、わたしたちに役に立つのは落語家、三遊亭白鳥さんのもの。

こんなことが、わたしの「アンテナ」にひっかかった。

1.初めは受けませんでした。

「何で笑わねえんだ」ってネタをぶつけてました。

〜(中略)〜お客を知ろうとしていませんでした。

2.相手を知るってどういうことか。

たとえば、自分が思っていることを言われると、気持ちがほぐれるものです。

「不安でしょう」
と気遣われると、
「こいつ、わかってんな」と。

3.(高座に上がって最初に、いつもお決まりの冗談を言うと)これで僕の認知度が分かります。

受けたら、今日は僕の話を聞いたことのないお客が多いな、と。

相手を知って、それに合わせて話します。

4.お客が話の世界に入りやすいようにするのが、僕のやり方です。

〜中略〜わかってもらうのが一番です。

5.(国会の論戦は、不思議ですね。だって)高飛車だったり、ごまかしたり。

〜中略〜選ばれた人間の話を聞けって感じばかり。

(国民という)お客が見えてないんじゃないですかね。

6.僕は高座を全部録音してます。

寄席が揺れる笑いが残っていることもあるけど、僕の声とチクタクという時計の音しか聞こえないときがある。

そういうときです。

お客を知れなかったのか、ネタが分かりにくかったのか。手直ししていくと、受けるようになる。

あきらめちゃだめです。

                ↓

みなさん、すごいと思うのでは、ないだろうか。

何にって、リードアラウドの指導者の心構えは、落語家と同じってことに。

この白鳥さんの話の題は「お客の存在見えているか」。

わたしたちに思い当たるところだらけ。

                ↓

少々、具体的に挙げるなら…

リードアラウドを始めるときに、「どきどきしてる?」
「でも、平気。いっしょにやるからね」
などと、語りかけるようにしていること。

→これは白鳥風に言えば「こいつ、分かってるな」と思ってもらうこと。

「リードアラウドって知っている人?」
「わたしの顔をここで前に見たことある人は?」
と冒頭に聞く。

→「お客を知る」ことのひとつ。
知っている子どもが多いときと、少ないときで導入を変える。

と、ある落語家の心得と、わが講座のひとつのテーマ、active listeningを関連つけようと書いていたら、長くなった。

「報告」は、つづく。