英語力獲得は一筋縄では行かない〜キッズブックス英語スクール

以前ある人に子どもの英語教育について正面から、「コストパフォーマンス」を持ち出されたことがある。読書、音読、表現を重視するリードアラウドの英語教育は、「費用対効果が悪い」とのご意見らしかった。幼児であっても近頃は、英検試験対策など直接的な「結果」を求める保護者も珍しくなく、それら試験対策に限って言えば、リードアラウドは遠回りに見えたのかもしれない。

しかし、リードアラウドは目標が違う。

リードアラウドでの英語教育の目標は、英語力獲得。検定やら受験などの先にある、検定や試験の種類の違いなどではゆるがない本物の英語力を目指している。

昨今では「何級を何歳で」取ったかまで、そして「TOEIC何点」と言って、まるでこれだけで英語力が高いことの証明とする風潮がある。しかし、わたしは経験上、人の英語力は、英検やTOEICの点だけでは判断できないことを知っている。

それらは、本当の英語力獲得に向けての過程で自然発生的に起こる。受けて見たら受かった。点がよかった、などが理想だ。本当に目標とすべきは、その先にある本物の英語力。そして、「本物の英語力」というのは点や直線で表せない多面的、多角的なもの。一筋縄では行かない。

リードアラウドは、太くて強いそして美しい綱をイメージとする英語力めざして、一筋ではなく、いく筋もの縄を撚り合せて進めて行く。

絵本リードアラウド認定講師講座第7回報告:その2〜リードアラウド研究会

リードアラウド認定講座の自慢のひとつは、粒ぞろいな参加者。もともとりっぱな「粒」のみなさんが忙しい時間をさいて集まって下さっているのだ。講座の3時間を意味のあるものにしなければならないと、毎回身が引き締まる思いで立っている。

そんなみなさんが互いに講評しあう、そういった時間は、他ではなかなかないはずだ。そしてそれは、とても重要で貴重な時間だ。

ということで先日の、第7回。『Little Gorilla』の朗読の講評、みなさん同士の講評は一応時間を作れたが、わたしが付け加えたかった修正点、改善点は時間切れで尻切れとんぼ。思い出す限りここに挙げてみたい。

・「序」の部分。家族紹介を兼ねている場面である。ママの愛、パパの愛、たっぷりとそして両者の違いを出したい。「祖父母」はまとめてセットにし、落ち着いた感じ、または猫可愛いがりのような、祖父母らしい愛で。「叔父叔母」はちょっと気楽な愛か。こうした少なくとも4種の違ったニュアンスの「…loves him」にしてみよう。あたかも作曲をする調子で、高低とリズム、rateなどを考え、楽しい変化をつける。

・「only one day old」ではどこが驚きなのか。ONEだろう。この一語をフレーズのなかで強調する。

・「破」の頭、「Pink butterfly」はそれまでと異次元感を出すようにと、演習もしたのでかなりよくなった。しかし、自分が「このくらいか」と思う度合いより、いつももっと大きく変化をつけること。そうすることで、空間がずっと広がり聞き手が空想しやすくなる。色のイメージを自分でも頭に浮かべて、その間合いは自分の頭のなかの「絵」に合わせたらいい。規則的でない、ランダムな間があくといい。

・様々な動物が、個性的に登場する場面。何の動物なのか、動物名はクリアにcrispに。へんに粘りっこいアクセントやイントネーションをつけないで、子どもたちの耳にわかりやすく。動物名が浮き立つように、名を挙げた後、少しの間をとるのも効果的だろう。

・「急」に入る直前、「Then one day…」は、口頭でも説明したように、変化が訪れる予感をさせる大切な文。then のpitchを際立たせ、余韻を含んだ喉の奥から出す声でone dayを続ける。

・「急」、little gorillarがgrowする場面だ。この繰り返されるgrowは、速度や間隔を変えたいが、あざとい感じはいけない。ベテランは、特に注意!ナレーターがサーカスの興行師のように、「さあさ、みなさん。このゴリラ、どんどん、どんどん、大きくなりますよ、さあご喝采!」なんて感じで言ったら、違和感を感じる。素直な無垢な驚き。「えっ、おっきくなって、さらにおっきくなって…ええええー、おっきくおっきくなって、うわっ、こんなに!」と読者と一緒に驚く。

・そして最後の一文。本書のテーマを考えてみよう。するとおのずと強調する語が浮かび上がる。浮かび上がったら、強調が他に分散しないように、強調する一語に気持ちを集中させて一気に読む。Everybody still loved him…余韻を残しておしまい。

『絵本リードアラウド認定講師講座』受講者の感想〜リードアラウド研究会

『絵本リードアラウド認定講師講座』に、諸事情で一日だけ参加のAさんが、感想を寄せてくれました。

先日は、体験入学?ありがとうございました。

みなさん、そもそもの英語のレベルが高くて、復習でお話を読んでいたオープニングだけで十分楽しかったです。

(註:『How the Grinch Stole Christmas!』)


実際に読むのはとても難しく、発音やリズムなど感情豊かに読む以前のところでつっかかっていた程度なのですが、
そもそもの論がしっかりしていて分かりやすかったので日本語の絵本で試しても効果は絶大だろうと思いました。


3歳の娘がいるのですが、日本語がわかるようになってきてなかなか英語の絵本は読んでくれなくなってしまいました。そこで、今回で学んだリトルゴリラを読んだら、反応が全然違う!最後まで聞いてくれました(笑)

(註:『Little Gorilla』)


日本語でも絵本より、DVDやYouTubeを見たがる我が子にまた絵本に戻った来てもらえそうな気配です。母、頑張ります❗
ありがとうございました。

大人のリードアラウド、上達の秘密は?〜リードアラウド研究会

英語絵本のリードアラウド、一般の大人向けクラスでも、カルチャーセンターでも、みなさんの朗読が、(わたしの印象では)見違えるほど上達している。この上達、どんな指導が効果をもたらしているのだろうと、改めて考えてみた。

受講者は、もともと学生時代に大学受験を突破する程度まで英語の勉強をやってきたひとたちらしい。

日本のこれまでの「受験英語」はなかなか立派なもので、受験の英語、高校3年までの英語をある程度まで頑張った人なら、文法は大抵のところは頭に入っている。なので、絵本の本文の意味は「かなり」わかる。絵本で使われる語彙は意外と受験英語にカバーされていない場合も多いため「かなり」で、正しく意味がとれるのは6、7割になるかもしれない。それはそうなのだが、でも一番の問題は、音読の力。

ほとんどの人は「棒読み」で、表現のないただの読み上げができる程度で放り出されている。「棒読み」は、読んでいる文の意味がわかっていないという証拠でもある。今、英語圏の小学校から中学高校まで、英語教育の目標として、

Fluent reading、音読の流暢さというものが挙げられている。oral interpretationともいわれるもので、内容がわかっていればおのずと音読したときに表現が豊かになる。その表現ある読み、流暢さの程度を聞けば理解度がわかる、という認識。これが教育界の常識となっている。

にもかかわらず、日本の多くのわたしたちは、「棒読み」でも発音があっていればよしとする英語教育を受けてきた。

リードアラウドの朗読指導では、内容理解とそれを音読に反映させる読み方を指導する。文が表している内容や感情を言葉、句、文に乗せる直接的、具体的な演習をする。この指導法がどうやら効果的なようである。

人間の脳というものは、実に不思議だ。母語でない言葉に感情を吹き込むには、実際に母語で感情を動かしてそれを時間をおかず英語に反射的に移し替えるという、ほぼ運動みたいな演習が必要なようだ。

セミナーやカルチャーセンターでのみなさんの上達が、少なくともこの効果を示してくれているようで嬉しい。

朗読、ひとに聞いていただくには〜リードアラウド研究会

朗読はやはり人に聞いていただきたい。そのため、いろいろ努力が必要だが、一番はやはり声。

声を出すのは声帯。その声帯を強くする演習を、「声の科学者」Ingo R. Titze 先生がここで見せてくれている。

その名もStraw Phonation、ストロー発声法。簡単だ。ストロー一本(プラスティックを使うなら無駄なプラスティックごみを出さないよう、使い捨てないように)を加え、声をストローを通して出すだけ。

Pitchを下から上、上から下に移しながら、声を「ふうっー」と出し続ける。ストローの先に唇があるような感覚で、と先生はおっしゃる。そしてこの数分の演習のあと、自分の声が「まるで目から出てくるよう」だと表現する。たぶん、声が顔面の骨に共鳴してその骨が細かく振動することを言っているらしい。

たしかに声を響かせると、わたしの場合は「くすぐったい」感じになる。共鳴しているんだろう。元大学の物理の先生だったIngo R. Titze 先生だから、説得力があるように思う。

ピッチを変えて音を出す演習のあとは、先生はピッチの幅が大きいうえ、みんなが知っている曲だからと、合衆国国歌が適していると、これをstrawを通して「歌う」。日本人だったら「君が代」?でも、まあ「ちびまるこちゃん」の「ピーヒャラピーヒャラ」の歌あたりはどうだろう。かなり息が疲れるが、「ああ声帯使った〜」という感じがする。

Phonation exercises

声に力がない、疲れる、枯れる、というみなさん。ぜひこの演習を続けてみてください。