絵本リードアラウド認定講師講座第4回報告その2:指導について〜リードアラウド研究会

第4回目の認定講師講座の後半では課題書『A Book of Sleep』を、親がわが子にどう読んだらいいか、を指導する方法を演習した。

 

英語絵本を読んであげようという幼児の親たちは、30歳代が平均的で、子どもの英語教育に興味がある。都市部では、かなり熱心で英語教育や絵本に詳しい人も少なくない。そして、親自身もかなり英語ができる場合が増えてきた。

そういった人たちに「ご指南」する場合に、心がけることがある。

英語教室の生徒のように、頭から「教えてやろう」とした態度に出ないこと。英語ネイティブだったり英語で仕事をしているプロのこともあるので、リードアラウド指導者であってその外では知らないことがたくさんあると自覚したい。

英語はできるが、「子どもに英語で絵本を読むのはどうしたらいいか」が知りたくて来ていらっしゃるのである。

ふと模擬指導中に、子どもの生徒向けの口調になったりがすることもあったが、注意したい。

 

わざわざリードアラウドに足を運んだ「よくある理由」は、「子どもが聞いてくれない」というもの。これに対する答えを用意しておきたい。

 

リードアラウドの真髄「豊かな表現」で子どもを引きつける、それを実体験してもらうおすすめの方法が、word ballゲーム。

この演習は、認定講師自身の表現演習も兼ねている。自分がどうより深い表現を、自分の内から引き出したか、その感覚を覚えておこう。

 

絵本リードアラウド認定講師講座第4回報告その1〜リードアラウド研究会

『Swimmy』のプレゼンテーションで始まった今回。

第一声、ちょっとくぐもっている人も。

コロナ禍でマスクをつけ、大声禁止の状況のせいだろうか。リードアラウドは、やはり張りのある、艶のある、聴衆に聞きとりやすい声が身上だ。

声を取り戻そう!

 

さて、課題書は『A Book of Sleep』だ。

わが子を就眠させたい、そう思う親が読むのにもいい本だが、わたしたちは逆に、子どもに眠気を呼びおこさせないようにする。夜の動物たちの様子に興味津々、いろいろ想像を巡らさせるような、起伏に富んだ飽きさせない表現を考えてみた。

 

幼児が大人に読んでもらうのを前提にした本で、ところどころセンテンスが長いところがある。

ということは、主部と述部がどこで、どの言葉を強調するか。聞いて何となくでもわからせることが大切になる。

そして、強調するのには、声の強弱・プロミネンス、リエゾン、声のpitch、緩急のどれを、どう、どこに使うか。これらの演習をした。

そして、本書の繰り返しの語句に注目。

リードアラウドは、声による表現なので、音楽に通じるところがある。語り手によって発せられた表現ある言葉は、音にのっている。言葉に音程とリズムがあると考えれば、一冊の本を声に出して読むということは、読み手が「作曲」して歌うようなものだろう。

そこで本課題書だが、「Some」が7回ほど繰り返される。これをどう「作曲」するか。みなさんの最初の読みでは、7回とも同じ「音符」のひとがほとんどかと。

演習では、この部分をそれぞれ「作曲」しなおし。

変化をつける意識をするだけで、みなさんからいろいろな音色が聞こえてくるようになったのは、至福でありました。

 

ここでもうひとつ、気になった「神の声」について。

ナレーターを「神」のような、いわば絶対的な、すべてを鳥瞰している人にするという設定は、本書でもあるだろう。しかし、それを成功させるのは難しい。まずは、身近な、近くにいる人に設定することをお勧めする。

それでも、将来的には、遠い崇高な声もできるようになりたいので、少々考えた。

よくあるのは、白々しく、ちょっとむず痒くなる「神の声」だ。

これは、血の通った本物の感情を置き去りにして、観念的な、または類型的な型にはめた表現であるだけでなく、読み手のナルシズムのようなもの(人間だれしもあるのだが、普段は隠している部分)が感じられて、むず痒くなるのだろうと思う。

白々しくない「神の声」は、研究課題。

(つづく)

 

 

英語ネイティブの英語の学び方〜G3で非ネイティブを大きく引き離す

小学生アドバンスクラス では、今期のGrammarはこのworkbookのG3(写真はG1)を使用している。

G1、G2と学んできた項目や順番はほぼ同じだが、おおざっぱに示された分類や約束事が、学年があがってより細かい理解を求めてくる。

先日は「Action Verbs」の項目だった。G1では「Action Words」というくくりでざっくりと、G2では「Verbs」という呼び名が紹介されて、文中のどれか、わかりやすい初級単語で学んだ。

G3になって、Verbsだけで5項目、ページ数が5倍もある。「Action Verbs」はそのうちの1項目。

ここで、「もうaction verbsは知っている」つもりの生徒に、そして「もう指導した」つもりの指導者に、ちょっと意外な展開がされる。

 

「Circle the action verb in () that paints a more vivid picture of what the subject is doing。」と、ウォームアップのあとに指示される。「よりvividな絵が浮かぶ動詞はどちらか」という二択問題だ。こんな展開、考えたことがなかった……。

こんな問題だ。

 

Father (whispered, talked) to the baby.

The puppy (ate, gobbled)down his food.

The ball (fell, bounced) down the stairs.  これら、カッコ内の動詞のどっちがvividか?

 

これは、grammarといいながら、synonymsの問題でもある。

直喩的な初級動詞だけに止まらせず、ある行動を言い表すのに、ニュアンスのある別の単語もあることを、G3で動詞の文法の枠で教え始めている。

もう、ここで日本の今までの中学英語はおいてきぼりになると思った。

これまでは、「語りかける、話す」はtalkかspeak一辺倒で、「囁く」whisperを「語りかける、話す」の一種と考えたこともないだろう。「食べる」はeatに決まりで、「がつがつ食べる」gobbleは知らないまま。ballが階段を落ちるは、fallと言えたら上出来で、bounceなんて大学生でも思いつかないかもしれない。

G3ごろなのだろうか、日本人の英語がおおきくネイティブに置いていかれるのは。

 

「なんで同じことを別の(難しい)英語で言うのか」と、

腹立ち紛れに、語彙の暗記に明け暮れる高校生に、これまで何度か尋ねられたことがある。

これが(動詞の場合の)答え。

to paint a more vivid picture of what the subject is doing

 

絵本リードアラウド認定講師講座第3回報告その2〜『Swimmy』reading comprehension

『Swimmy』は深読みを誘う絵本、これを課題にしたからには、指導者たちも深読みをしたい。講座でも、何層にも読み取れる内容解釈やテーマをディスカッションした。

指導者である私たち自身の、読解を深めることが、生徒への発問の質とわたしたちの朗読そのものの質に大きく関わる。自分が考えてもなかった解釈など、この日の講座に何か発見があったら嬉しい。

 

模擬指導は、前年度までは発問内容も台本のようにあらかじめ渡していたのを改め、今年度は発問の「種」だけまいて、そこからどういう切り口で、どう語りかけるかは、指導者の技量次第とした。それぞれ、磨きをかけて欲しい。

模擬指導では、字面(英文解釈)指導のための「小さい」発問と、内容やテーマについて、reading comprihensionに関わる「大きい」発問を、全員に担当ページで発してもらった。

「大きい」発問では、子どもに問うのに語彙まで大きく(抽象的)になってしまう傾向が見えた。

発問は簡単な言葉に「翻訳」すること。

発言が出にくい場合は特に、答えやすいYes/Noの質問からにする。

これらを、生徒の口を開かせるために心がけたい。

 

指導者が読解を深掘りすると(しすぎでも)、生徒たちは「ん?」と思いながらも、「先生がそれほど楽しんでいるのだから、面白い本なのかも」と感じて読む気になってくれることも多い。

 

さあ、リードアラウド講師のみなさん、これからも絵本を楽しんで、楽しさを子どもたちに伝播しましょう!

 

 

 

 

絵本リードアラウド認定講師講座第3回報告その1〜『Swimmy』の指導

5月のワークショップ終了!

課題書はかの有名な『Swimmy』だ。

英語指導者としての指導対象は、年齢的には小学校中学年以上、英語の力的には3年以上と考えるのが現実的だろう。

英語の難易度レクサイルでいえば、570Lとかなり上等な英語レベルだ。ネイティブなら2〜3年生でやっと自分で読んで意味がわかる程度か。

本書を非英語母語者に学ばせる、つまり音読(fluencyも高く)と読解もさせるのには、指導者の力量が問われる。

まずは、リードアラウドの手本になる読み方、表現力のレッスンをした。

 

本書ほどの語数、語彙、文の長さや難易度がある場合は、生徒にはシャドーイングで読み方を指導する。そこで指導者は、特別にfluencyを磨かないと効果的な指導ができない。

今回の表現レッスンは、「だら〜とただ正確に読むだけ」から「メリハリがあり、だれがどうした、といったポイントがわかる読み方」にするというものだった。

 

うーん。

時間が足りない。

なのに、重要な技術だ。

主部と述部の意識、そして主語と述語の強調があると、「なにがどうした」が、とても聞き取りやすくなる。

それからもうひとつ、「いいことなのか、悪いことなのか」を表現できると、話の展開が聞いてわかりやすい。

 

ところがこれが、自分で練習してきてもわかったが、英語の非母語者には難しい。もしかしたら、難しいと意識さえしていないかもしれない。まずは今回、意識をもってもらえただろうか。

意図していない語(特に冠詞や代名詞、接続詞など)に力が入って、それが重要語をぼやかす。その結果、あちこちに意図せず強調された単語があって、聞く人にはガヤガヤとした雑音になって、文の本筋がわからなくなる。

リエゾンがうまくない、という点もある。

滑舌の演習と同じく、身体に分からせる種類の技術なので、今回の演習はぜひ復習をしてもらいたい。

(つづく)