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英語絵本の「朗読」とか「読み聞かせ」とか、英語教育といっしょになって、盛んになってきた。
英語圏、特にアメリカでも、英語読書が読解力をつけ、国民の読解力が国力になる、という意識が強くなった1980年代から、子どもへのRead aloud(音読)が奨励され、それまでより盛んになった。
また21世紀になって、YOUTUBEなどでビデオの配信が簡単になって、絵本をread aloudした映像を数多く目にするようになった。
そのread aloud だが、まさに玉石混交の状態で、英語圏の人だから「うまいだろう」と思うかもしれないが、すべてが手本にはなるわけではない。
この点が、どうもわたしたち日本人にはピンとこないのかも知れない。
こう言ったらどうだろう?
日本人だからと言って、だれもが日本語朗読がうまいわけではない。
これなら、腑に落ちるのでは?ビデオにした人たちには、つっかえつっかえ読む人はさすがにいないが、棒読みは山ほど。オーバーなまたは、そぐわない表現が、本当の物語を阻害する人がいる。
特に、「スラスラ読んでいる」のがうまいわけではない、というと、「?」と思うかもしれない。
でも、日本語で考えてみるとわかるだろう。
NHKニュースのアナウンサーの口調で、「ある晩、マックスはいたずらを始めました」と言ったら、ただの事実を伝えるニュース。
たとえ、そのあとに壮大な物語が始まる(たとえば『かいじゅうたちのいるところ』であっても)その予感もしない。
読み方にも種類があって、適した口調を選ぶ必要がある。それを考えていない「絵本アナウンサー読み」というタイプのread aloudがある。
こういうのは、聞いていてするっと右の耳から左の耳に流れ出てしまう。
日本語なら意味がわかるから、そして事実だけ抽出する聞き方ができるが、英語は?というと、あっという間に消えて、「英語が流れていた」ということしか残らない。
その他、たとえば大仰な読みというのがある。
音程を外したオペラの楽曲のような感じ、「ああロミオ、ロミオ、あなたはどうしてロミオなの」といった型にはまった、その場面に合わないオーバーな「情感」を入れた読み。
こう読まれては、物語をイメージするどころか、身体が痒くなる。
大人が英語絵本を「読み聞かせる」には、それなりの朗読に対する理解と絵本の読解と実際に声に乗せる練習がいる。
頭だけでない身体の練習がいる、というのがわたしの、ここ20年余りの実感だ。
聞き手として、大人は忍耐力と英語をある程度知っているので(多分に無理をして)聞いてくれるが、英語絵本を読み聞かされるのは、多くは子ども。
忍耐力とか英語も、知らない。
「つまんない」と思うことは、身につかない。
大人のみなさん、特に英語絵本を子どもに読んで喜んでもらいたいみなさん。
英語絵本リードアラウドを経験してみたらいかがだろう?
子どもも大人も「聞かされる」感なしに、喜んで聞いて、自分たちでも読みだす、といった英語絵本による教育的エンターテイメントを、一緒に広げませんか。
指導者のみなさんは:英語絵本リードアラウドワークショップ
一般のみなさんは:朝日カルチャーセンター「声に出して読む英語絵本」
これらで、始められます。続けられます。再開できます。