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日本でも英語をかなり読める小学生が増えてきた。
なかには、英語圏の同世代と変わらないほどの読書力がつきつつある子どももいる。
そこで、気になるのは英語圏の子どもに人気の本。
女子に人気の本は紹介済みだが、今回は男子に人気の本だ。
幼稚園年長組から小1~2は、readers 、小 2~6がchapter books と呼ばれるくくりの本を読むのが一般的だが、chapter booksに幅がありすぎるので、ここ15年で間にgraphic novels というジャンルが、chapter booksの簡単なものと難しいもの(Harry Potterなど)の間に発達してきた。
教育界と小学校図書司書界、出版界で討議を重ねて、「これなら」という基準になるくくりを作ったと聞く。日本の「マンガ」「コミック」とは違う、厳しい倫理的、人権的配慮のあるものが、ラインアップされている。
目立って人気なのが、『Dog Man』だ。2016年にシリーズが始まって、ハードカバーの20ドル近い、安くない値段の本なのに、ブックフェアなどでは少年が群れる人気の本だ。
20年ほど前だろうか、同作者の『Captain Underpants』も、大変な人気だったが、こちらは文字を中心とした低学年向けchapter bookの体裁だった。
グラフィックノベルが人気になって、「文字を読まなくなった」と嘆く声もあったが、今は「文字を読まないよりはコレでも読んでくれるのはいい」の声が大勢だ。
簡単なchapter book は「読める」が、楽しんで読んでいるとは思えない生徒に、わたしもgraphic novelを「処方」して、英文に慣らす(英文を読む持久力をつける)ことがある。
『Dog Man』は、小学生男子のギャグ満載で、読んでいると、どうも小学生時代に「男子って幼稚ね」と思っていた、自分の女子としての上から目線が思い出され、(多分同じように思いそうな)女子も混じるスクールではまだ教材にはしたことがない。
でも、男子がこの本を真ん中に集まって盛り上がっているのは、本の未来、読書習慣の未来を心配しているものとして、ほっとする嬉しい場面だ。