小学生自身が読む英語絵本〜リードアラウド研究会

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「子どもに英語絵本を」という機運はずいぶんと高まってきているが、どうもその「子ども」は就学前の子どもを指すことが多くなっている。

 

リードアラウドも以前は小学生が集まりやすかったのが、ここ数年来、未就学児、赤ちゃんが中心になった。

これは、ちょっと違う。

 

英語圏では、英語を聞くのは、0歳から始められるので、大人が読んであげよう。でも4歳ごろからは子ども自身に英語を読ませる、という大人の意識が高まる。

特に英語は、書かれたものを読み下すのに、日本語のように「あいうえお」を知ったらなんでも読めるという、音節単位の言語ではなく、音素の集まりなので組み合わせで読み方が変わる、暗号のような単語を解読しなければならない。

日本で「子どもに英語絵本を」という機運はずいぶんと高まってきているが、どうもその「子ども」は就学前の子どもを指すことが多くなっている。

リードアラウドの催しでも、5年位前までは小学生が集まりやすかったのが、ここ数年来、未就学児、赤ちゃんが中心的になってきた。

これは、ちょっと寂しい。

 

というのも、英語圏では小学校に入ってから、さらにどんどん「英語絵本」を授業でも家庭でも読み、英語の力をつけていくところに逆行するからだ。

 

英語ではときに、英語母語者の間で「G1の壁」と呼ばれる、親としては心配な、子どもの言語的成長を前(5~7歳)に聳え立つ壁がある。

日本語で事足りる日本人には気付きにくいが、英語という言語は、書かれた単語を読み下す(print文字をvoiceにする)のに、あいうえおを知ったからなんでも読めるという、日本語のような音節文字を使う言語ではない。

アルファベットは音素でしかないので、組み合わせでの読み方を知らないと単語は読めない。

 

ここ40年くらいは「フォニックス」という約60%の単語があてはまる読み方の規則を教えることで、米国ではやっと識字率が上がったところだ。

残りの約40%の例外的読み方には、本を音読することで学んでいかないといけない。小学校1年生、G1 は、フォニックスや例外的な単語の読みを学び始め、それらが連なった「文章」を解読できるようになるための、大切な一年なのである。

この時期に、読み聞かせも併用しながらも、自分自身で読めるように、たくさんの本、主に絵本(絵の割合が多い本)を読ませるのが、主に親の役目とされる。

 

ところが、この大切な段階にめでたくなったところで、日本ではなぜか「絵本は卒業」なんて思っていないだろうか。

 

子どもの、後々の英語力につながるのが、小学生時代の英語を自力で読む時間、それに慣れる時間だろう。

そのときに使うのは、絵本だ。

 

英語圏でさえ、その「壁」を通りぬけなければいけない時期には家庭と学校が連携して、絵本の読書を子どもになかば強制的にさせるものだ。

 

英語圏の教育界で、子どもに英語力を獲得させるのに一番は、reading(読書)といわれ、それはまずは絵本を自分で読めるようにすることなのである。

 

日本の親御さんたちは、今「英語は学校でやっているから」と安心しているふしがある。

でも、日本の公立小学校で英語をやっているからと言っても、英語読書の必要性を説くまでは手が回らない。

ならば、英語が本当に読めるようになるには、各家庭での英語読書、英語絵本を読むことが大切だということ。このことに気づいて欲しい。

 

子ども自身が読めるようになるために、大人が読んでやる前提の本でなく、子ども自身に読ませる意図のある本を選び、子どもが「読もう」という気なる環境を作ってあげたい。

 

そこで小学生向けのリードアラウドでは、文字は少なめでも、内容は幼児の知育のようなものではなく、小学生なりに文学的に考えさせる深みがあるものを、ディスカッションしながら進めるようにしている。
選書も「肝」となる。
どんな本を、どう小学生に考えさせ、読ませているか、いちどのぞいてみてほしい。
 

定期的に開催されているリードアラウド:英語絵本Let’s Read Aloud

絵本を教材に英語を学ぶスクール:キッズブックス英語スクール

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