時機到来!?Dr.Seussの英語絵本を小中学生に~リードアラウド研究会

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Dr. Seussは、英語圏でもっとも知られた絵本作家のひとり。ロングセラー作品群がある。

ところが、日本ではあまり知名度もなく、その翻訳版もあまり読まれていないようだ。

英語絵本の日本での人気は、今だに翻訳版が出てから湧いてくるふしがあるので、翻訳版が読まれていないDr. Seussの本は、日本のいわゆる「英語絵本好き」の話題に上がって来ることが少ないというのが、「英語絵本ウォッチャー」として30年余りのわたしの認識だ。

 

なぜDr. Seussの翻訳版が、読まれていないか。

有名詩人がチャレンジしたものもあり、労作だ。

だが、本書は英語の語句そのものの語感(意味ではなく)や発音を、他の文中の単語とのつながりで、面白く聞かせたり、並べられた語句を早口でいうことでユーモアが、英語の音から滲んでくる。英語そのものをまな板にあげないと表現できないと、普通は思ってしまう難しさだ。

まったく違う筋から作り変える、という挑戦はあってもいいが、今やコストが合わないから、だれもやらない。

 

この状況が最近まで続いているが、今、わたしは変化が来ていると感じる。

 

公立小学校から英語授業が始まり、高学年では教科にもなって数年経って、小学生全員に少なくとも、英語という別の言語の存在が知られた。

それまでは、英語は関係ないと思う子どももいたのだが、今はたとえいやいやでも、関わっている。

 

個々が感じる難易度は違うが、英語を英語のままで読む状況が特別なことではなくなった。

以前のように英語に対して「関係ない」とする表情が、子どもからなくなった。

 

ということで、Dr. Seuss の絵本を英語のまま、読む機会がやって来た!

と思うのだ。

 

Dr. Seussのなかでも2大人気作、『Green Eggs and Ham』と『The Cat in the Hat』。

 

 

『Green Eggs and Ham』は、英語を学校以外でも小学生低学年から学んだ生徒なら、5,6年生でチャレンジできそうだ。スクールでは4年生で読んだ生徒がいた(幼稚園から英語をスタート)。

ふたりの会話でなりたっているので、クラスを二つに分けて、言い合いをさせながら、というスタイルもとれる。

(いわゆる偏差値の高い)首都圏私立中学校の1年生の一学期期末近くに読んだときは、ただの読み下しには、ほとんど全員問題はなく、この本のユーモア表現を楽しんだ。

使われている語彙は、意外にも多くないので、それらの読み方をあらかじめ練習してから始めると、クラス内の差が縮まるだろう。

 

『The Cat in the Hat』は、少し文字が増えるが、本文中で繰り返しそれらは使われ、意図的にしつっこいので、読んでいるうちに慣れてくる。

特徴的な登場人物がいて、それぞれ意味ありげな発言やはてなと思わせる行動をするので、それらの意味を考えさせながら進めるとテーマも浮かび上がり、「幼稚だな」と中学生にも思わせない。

「英語圏のG1( 6-7歳)が学ぶべき語彙」のリストに則って、いかに面白い話を書くか(この作品の前の米国教育界には存在しなかった)、に作者がチャレンジした作品なので愉快なだけでなく、「教育的」でもある。

 

やっと、Dr. Seussの作品を、英語のままで日本の子どもと楽しめる時が来たようだ。

【お知らせ】

Dr. Seussの英語絵本を使った小・中学生向け授業の方法【指導者向けオンライン講座】

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