小学校英語でのコミュニケーションはシアターゲームから〜リードアラウド研究会

文科省によれば、目下の公立の小学校の「外国語活動」での最大の課題は、「コミュニケーション能力の育成」とされている。

それについて以前にもこのブログで書いたが、今回は具体的にどうしたらいいのかの提案をしたい。

 

一言で言うなら、シアターゲームをしよう、である。

コミュニケーションの第一歩、英語学習よりもその前に、今の小学生は「声を出す」ことが必要だろう。

 

ちゃんと人前で、相手の目を見て、聞こえる声で話しをすることができない子どもが少なくないという現実がある。

 

米国でシアターゲーム、またの名を Improvisation (Impov. インプロ)と言うが、これが高校や大学の講座にもなっていたり、たいていの都市に1つはそのワークショップをやっている団体があったり、その効果や娯楽としての楽しみ方はよく知られている。

わたしも、3期ほどオレゴン州のポートランドで受講したことがあるが、受講者の顔ぶれは実に多彩で面白い。

恥ずかしがり屋でしっかり声がでない弁護士、職場にストレスを抱えている30代、毒舌のコメディアン志望者、受講経験者のママが誕生プレゼントとして申し込んでくれたという透明感のある高校生、打てば響くような反応をし続けたい高齢者、生徒の気持ちに寄り添いたい高校の先生、当意即妙の受け答えとリーダーシップで職場の効率を上げたい消防士の班長(?)などなど。(写真はその方々というわけではない。イメージ)

 

参加者が求めているのは、どれも一概にいえば「コミュニケーション能力」の育成だ。

 

あたりまえだが、米国人だからといって、だれでもフレンドリーで愉快な人というわけではない。

日本人からすると「あの、米国人たちも」コミュニケーション能力で悩んだりするのか。

そして、コミュニケーション能力を上げようと、そんなに気軽にシアターゲームのワークショップなどに参加するものなのか。

と、不思議だったり、興味津々になるが、シアターゲームやそれに準じる働きかけの普及もあって、米国人のコミュニケーション能力の平均値が高いのかも、と思ったりする。

 

では、外国人やそう親しくない人のなかで、「寡黙」だったり「何を考えているかわからない」とか、説明なしで急に行動したりするので「sneaky(ずるい)」と言われてしまう、「典型的」と言われる日本人の態度や行動を、どう他の人たちに理解してもらえるのか。

換言すると、どうしたら他者(特に外国の人々)と滑らかにコミュニケートできるようになるのだろう。

 

ここでは、小学校の「外国語活動」、すなわち英語の授業でのコミュニケーションに限って考える。

 

「寡黙」「何を考えているかわからない」の始まりは小学生時代から。

声がでない、声が小さい、少なくない数のみなさんがいる。

 

これに対しては、シアターゲームではice-breakerと呼ばれるゲームがいくつもある。

意味は、文字どおり「凍っている(硬くなっている)のを溶かす」ゲームのこと。

日本の小学生にはまずこれが必要だろう。

 

「えっ、それだけ?」と、驚くほど簡単なことで効果が現れる。

あるice-break ゲーム(大島流アレンジ)。

輪になり一人が真ん中に。全員で拍子を取りながら手を叩く。真ん中の人は向きを変えながら外輪の人たちと順に視線を合わせていき、適当な相手のところで止まり、その相手と視線と拍子を合わせる。

「You!」と真ん中の人が相手に言い、言われた相手は「Me?」という。(台詞は「Hi!」でもよい)

それで外の人と中の人が入れ替わり、同様に続けていく。同時にスピードを高めていく。早口のようになっていくと、愉快さが増す。

 

これで、相手を認識し、合わせて手を叩くことで心が繋がり、視線を合わせやすくなり、視線が合うと声が出やすくなるから不思議だ。

 

 

先生のための英語シアターゲーム講座】8月27日(日)13:30-16:40

 

 

 

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