リードアラウドでは絵本を声に出して「感情豊かに」読んでいく。
大人のクラスでは、そこが一番の指導のしどころ。
ところが……。
今年度のはじめての七歳のクラス(小学生クラス)では、「感情豊かに」の先生がいらない!
しばしば、先生より上手な感情表現をしてくれる。
感心したのは、『Yo! Yes?』のリードアラウド。
引っ込み思案で友だちがいない男の子と、元気で明るいけれど(多分)友だちがいない男の子が、友だちになる話だ。
物語は、二人の会話だけで進む。
指導したのは、文字の大きさと色に、二人の気持ちが表れていることと、文末の「?」「!」「。」の英語の名称と使い分けの方法。
そして、二人の表情をしっかり観察させ、ディスカッションし、物語の流れや二人の感情の流れを、だいたい一致した見解に持っていくこと。
先日のレッスン三回目では、二人組ずつ前に出て、リードアラウドしてもらった。
素晴らしい!(あ、今度は録画しておこう!)
表情や仕草までつけて、全員がもう登場人物になったつもり。
各人が、臨場感あふれ強く通る(ときに耳をつんざくような)声を出した。
「Yo!」「Yow!」「no friends.」と、いい年の大人が言っても、ちょっとやそっとの表現力では、違和感が生じる。
ところが、この小さい人たちはすごい。
まったく自然なのだ。
みんなの表現の幅が大きく、見ているだけで気持ちが良くなってくる。
子どもの未来が、大きく希望に満ちていることを感じるからかもしれない。
だてに経験が豊富なので、感情が抑えられてしまうのか、大人は「しょぼい」。
子どもは、なんてゴージャスな感情なんだろう。
絵本のリードアラウド、実は一番上手になれるのは、子ども自身なんだよなあ。
