「英語がちょっと得意だ」「英語絵本が好き」「何か役に立ちたい」、これらの気持ちが一緒になって、
「英語絵本の読み聞かせをしよう」と思う人は、近年増えている。
朗読や演技指導を受けたり、または教職に就いたことはなくても、家庭での日本語の絵本の読み聞かせからのイメージと、上記3つの気持ちと、自分が好きな英語の絵本を持って、立ってみる。さて子どもの前に立って読み始めると、すぐに気づかされることがある。
子どもが、わかってくれない。聞いてくれない。ちんぷんかんぷんと言われる。
出入り自由な場所だと、その場に留まらずどこかに消えてします。
なぜ?
意外と理由が分からないかもしれない。でも、子どもの立場で考えれば、すぐにわかる。
そりゃそうだ。
日本語が母語の子どもたちなのだから、英語でただスラスラ読まれてもわからない。
母語で読む絵本の読み聞かせと、まったくここが違う。
文字面を読んで聞かされるだけで理解できるのは、母語に限る。日本語が母語の子どもに、英語を「読んで」もわからない。
そこで、「英語絵本を楽しませるのは、英語ができない子には不可能」として、英語絵本を棚に差してしまおうか。
いやいや、それは違う。
意識を変えたらどうだろう。
まず絵本の絵は、大人は気づいていないかもしれないが、伝達力が強力であることを認識する。
絵本の絵にお力を借りる。文字を忘れて絵だけで筋を追ってみる。子どもの読み方で、絵本を「読んで」みる。
そしてもう一度、英語がわかる自分が本文を読んで、よく咀嚼する。
そして、頭(文字)でなく、心(身体)で本の内容を、絵に手伝ってもらいながら表す。
「読み聞かせる」のではなく、表現で伝える。「She likes」だったら、She likesと読むのではなく、「この子は好きなんだ」という気持ちになって、「She likes」と、言う。
一度、心に気持ちを作ってから、発言する。
絵本の「読み」が、遠く無関心な音から、生身の人の話しかける声に変わってくる。表情も視線も、生きてくる。突っ立っていた身体が動く。
身体で表せないことについては、子どもとの母語での問答で触れる。
こうして「読み聴かせる」という意識を変えると、英語の絵本を英語がわからない子どもにも楽しませることが可能になる。
具体的にどんなことをすればいいのか、「リードアラウド」の方法で、試してみて欲しい。
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