神保町の新生ブックハウスカフェ
で、新生第1回目のリードアラウドがあった。
わたしが「大きいお友だち」と呼ぶ大人の参加者と、子どもたち「小さいお友だち」とその親御さんが一緒に、『No David』をリードアラウドした。
Davidが、あれやこれややんちゃをして、その度にお母さんに叱られ…
という、小さいお友だちにも身近かなテーマで人気の一冊だ。
何度やっても、この本は楽しい。
それは、子どもの発言が、自分を含めた大人の常識的で表面的な疲れた頭に、刺激を与えてくれるから。
「どうしてここで、叱られちゃうんだろう?」
などと、子どもの考えを場面場面で尋ねる。
答えが楽しみなのだ。
でも、ちゃんと指導者としての頭と技も使っている。
まず、子どもの口を自然に開かせる空気作りだ。
↓
リードアラウド開始前のちょっとした会話と、
リードアラウドの約束をするイントロでの、ウォーミングアップが重要。
この本なら、金魚鉢をひっくり返しそうなデッビットを見て「どんな声をあげる?」と尋ねて、日本語でいろいろ話させる。
重要なのは、指導者本人が本気で、
「や、やめて〜水がこぼれるっ!」
と迫真の声をあげること。
ここで、みんなに「キャ〜〜〜」など大声を出させること、など。
まず、一回は大きな声を出させる。
デッビッドが目の前で、危ないこと、困ったことをしていると思って、指導者から本気のエネルギーを出す。
すると、子どもの目の中に、ゆらゆらと子ども魂が揺れるのが見てとれる(緊張が緩む)。
叫ぶでも、跳ぶでも、走るでも、身体を動かせると、子どもにエンジンがかかる。
さあ、そうすると、出るわ、出るわ、発言が。
↓
口の中にたくさん食べ物が入っているのを、デッビッドが大口を開けて見せる、という場面がある。
「これ、なんで叱られるの?」
と尋ねたときのこと。
4歳と6歳の答えは、意外だった。
「よく噛んでないから、身体によくない」
「チキンの骨が喉にひっかかって危ない」…
そうだったのか!
エチケットという感覚は、まだ難しい年頃なんだ。
人が気分悪いとか、行儀が良くないとか、まず相手の気持ちを考える回路が未発達なうえ、行儀なんて、人間が最後の方に獲得する文化に関わることで、これもまだ未発達な年頃には、思いも寄らないのだ。
いやあ、学びます。
発達途上のヒトを知ることは、ヒトの全体像を知ることに繋がる。
こうして「大きいお友だち」はヒトを学ばせて頂くのだが、
「小さいお友だち」は?
ご安心を。ちゃんと、こんなことを学ぶ。
何度も叱った後にまたまた困ったことをされると、ママやパパに
「That’s enough!」
と英語では言われること、
お風呂のあと「脱走」すると、ママたちがあわてて
「Come back here!」
と叫ぶこと、
うるさすぎると
「BE QUIET!」
と叱ることなど。
リードアラウドでは、大きい人も小さい人も学ぶことが山盛り!
(次回のブックハウスカフェでのリードアラウドは、7月9日。予約、問合せはブックハウスカフェまで)