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近頃は、英語絵本を人々がどう読んでいるかを知るのに、YOUTUBE という「文明の利器」がある。
英語圏の人々が、実に多くの英語絵本をread aloudして、YOUTUBE上に載せてくれている。
それらを聞いて、多くの場合に思うのは、わたしの私淑する先生、Mem Fox のこの言葉。
reading aloud is not quite enough—we need to read aloud well.
そう、どうもピンとこない、not well enough というのが感想。何が足りないか。
Memが口を酸っぱくしていっているのは、
Read expressively.
ということ。感情、情感、こころを入れて読むこと。
わたしたちが子どもに本を読んであげるときに必要なのは、
vitality and lots of vocal variation.
これらが、多くのYOUTUBE のread aloud には足りなく思う。
(ここらへんの、もどかしさについて、立ち話だったがあるところでお会いしたMem と熱く語ったことがある)。
約20年前のMem の言葉に「これだ」と膝を打ってから、日本人向けに「感情豊かな」英語絵本の読み方を「リードアラウド」と命名して、これまで子どもから大人のみなさんに伝授してきた。
改めて言いたい。
リードアラウドが(Memが)言うように、Expressiveに読むと、読んだ人にも聞いた人にも印象深く、記憶に残る。
このメカニズムも、MRIなどを使って科学的に解明されつつある。
印象が深いと楽しめて、もっと読んで欲しくなり、どんどん本が好きになり、自分でも読み出し、読解力や知識が身に付く……。
しかし、「リードアラウドしよう」とわたしが言うのは、科学的で教育的だからばかりではない。どちらかといえば、それらはオマケ。
「こんな面白い絵本があるんだよ」「読んでごらん、読んでいるうちに口が楽しくなっちゃうよ」「読むとなんだか深呼吸したみたいに、息が深く気持ちが良くなったくるよ」「見たことないものを見たみたいな気持ちになるよ」などなど、面白い、楽しい時間が過ごせるからだ。
Memが、学校の先生や、先生になりたい大学生に、直接read aloudを教えていた時期もある。でも、人気絵本作家でオーストラリアを代表する絵本作家に登り詰めた今は、著書やHPで学ぶ方法がある。
それに加えてここ日本では、わたしが彼女のread aloud への熱意を受け継いで、これまでのようにリードアラウドとしてやっていこうと思う。
この春、3月からも、
英語絵本リードアラウドワークショップ(リードアラウド認定講師講座)を開講する。
「リードアラウドとは」を、まずは体験講座で。
『David Goes To School』を使った典型的な「リードアラウド」を体験して、ぜひ学校や塾に持ち帰って、英語絵本ファンをお膝元で増やしてほしい。