英語圏の小学生はどんな本を読んでいるか。その1〜キッズブックス英語スクール

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リードアラウドと名付けたreadingの楽しみ方および指導方法では、主なreadingの対象は「英語絵本」にしているが、子どもは力をつけながら中学生、高校生となる。

そこで、クラスで使い始めるのは文字の多い絵本(英語圏では小学5、6年生に深い読解を促すものも多い)、そして絵の多い本へとなる。

 

英語読書の本家、米国では、判型がまちまちな絵本に対して、初級の絵付き読本(子ども自身が読む)というカテゴリーがあり、判型を全出版社で統一し、readers と呼んで分類している。

英語圏ではGK(幼稚園年長)からG2位までの子どもを対象とする本だ。

翻訳もので日本でも読まれている『がまくんとかえるくん』は、『Frog and Toad』が原書で、このreaders のカテゴリーにあってロングセラーのシリーズだ。

英語を幼児から学び、小学生のうちにこのレベルに達している日本の子どもも増えている。

 

さてreadersのあと、縦長だった判型の縦が縮んだ別の判型にまとめられているのが、chapter books と呼ばれる、G2~G6を対象読者としたカテゴリー。

 

このカテゴリーは、これまで対象年齢が幅広く、readersを卒業したばかりの子どもが、むやみに本を選ぶと、活字の洪水に飲まれて溺れてしまうところだった。

「溺れる」経験から、「本嫌い」「読書嫌い」がかなり生まれていて、英語圏の先生や図書館司書や親たちの頭を悩ましていた。

 

そこで、やっと20~15年ほど前から、出版界に新路線が、このchapter booksのカテゴリー内にひかれ始めた。

ちょうどreaders とこれまでのchapter books の中間だ。

これまで、chapter books に挿絵があっても、2ページに1枚、白黒のイラストだったりで、絵本を読んできた子どもには、その落差が大きかった。

絵が多いだけではない。

・文と文の間が、詰まっていない。(レイアウトがすっきりしている)

・活字(フォント)が読みやすかったり、温かみがある(おそらく「難読症」の研究が進み、フォントによって読みやすさが変わることが科学的にわかったため)。

・全編カラーである。

・会話体が多い。

などの特徴がある。

 

代表的で人気の、chapter book  シリーズをひとつ紹介する。

圧倒的に女子に支持されているシリーズ、Owl Diaries 。

 

2015年に刊行されて、シリーズとして続いている。

 

 

 

大人も、自分がまだそんなに本が読めない頃を思い出すと、この画期的さがわかる。

イラストや文字の配列、字体のおかげで「息切れ」がしない感じ、わかるだろう。

 

もちろん内容は「文学」ではないかもしれないが、readersを終えた子どもに必要なのは、文字や言葉の密度の高い本で、書き言葉を使ったものだが、まだあまり「詰まって」いないもの。

日常とつながっていて、想像がしやすいテーマというのも鍵かもしれない。

子どもが自分で読むことが前提なので、読者対象の年頃の頭に合わせたテーマや展開なので、大人の感動を呼ぶには難しい内容ではある。

だから、大人が内容を「軽い」「薄い」と評価してもしょうがない。目的が違うのだから。

何しろ、活字から物語をイメージするという訓練が必要な年頃の子どもに、嫌がられず受け入れられる「本」、今後の読書週間のための媒体としての「本」に親しませるのが目的だ。

今回は、そんな年頃の女子に人気の本を紹介した。次回は男子のものを、と思っている。

 

 

 

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