夏の英検講習で胸がチク〜キッズブックス英語スクール

世の中、英検というものがこのところ、ずいぶんと幅をきかせている。英語の力を示す資格試験としては、あまり上手に受験者の力をすくい出していないと思うが、そこは「足の裏についたご飯粒」。「取らなくても影響はないが、取らないと気持ち悪い」。

ということや、スクールの親御さんのご希望もあって、スクールの通常授業とはべつに今夏は、英検講習会を開いた。

テスト対策のようなことをやっていると、ふと「嬉々として」いる自分に気づくと同時に、理想としている教育から離れていくように感じて、戸惑う。

スクール生は集中力があってすごい。指導者のへんな戸惑いをよそに、2時間ずつ3日間のクラスを、けろっと終えた。たいへんな量の情報を、これまでの知識とともに整理して、すごいぞ、小学生。よくできた。

最終日のこと。模擬試験をしているときに、ある印象的なできごとがあった。

ひとりの手が止まっている。

まだ問題は半分以上残っている。単純計算すると一問一分以内で解かないと終わらない試験なのに、5、6問解いたところで、先に進まない。

「わからないところは、飛ばして」

まずは、こんな嫌なこと、理想の教育としては勧められない指導をして、わが胸がチク#1。

しばらくしてまた見ると、問題用紙に直に答えを書き込んだまま、あらかじめ説明したつもりだが、まだマークシートに印をつけていない。

「答えは、やりながら、マークシートに書こうね」

これも、別に本当の勉強にはなんの関係もない、試験テクニック。なのにさも大事なこととして「書かなきゃだめじゃない」みたいな顔をして、「指導」してしまった。胸がチク#2。

「あっ」と気づいた生徒は、何度も何度も問題用紙上にしるししたところを確認しながら、不器用にマークシートに答えを書き写している。おまけに塗りつぶすのがやけに丁寧で時間がかかっている。

もうすでに十分に時間はくっている。こっちがそわそわする。

「制限時間があるの。だから、そんなに丁寧にしなくても大丈夫だから」

こんないやらしい台詞を吐いた。試験のテクニックとしてはありだが、ものごとの指導者としてどうかと思う。胸がチク#3。

やっと埋まり出したマークシートをちらっと見ると、今度は何もマークしていないところが、ぽつぽつあるではないか。正直すぎる!

「わからなくても、どれか塗らなきゃ」(どれでもいいから、と言ったかも?)

あらら、なんてことを。声が高くなってしまった。なんて指導だ。「消去法」まで教えてしまった。わからなくても、より得点をあげるテクニック。ああ、胸がチク#4。

そう言われて躊躇する生徒は天使。こちらは、悪魔か魔女か。

「書かないと得点がゼロなのは確実だけど、何番でもいいから書けば、1/4の確率で正解のチャンスがある。どれか選んで塗りつぶしなさい」

滑らかで自信満々の口調。こんなことでテスト、くぐり抜けてきたんか、わたし。

でも、必要悪なんだよね、多分?!

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