unconditional loveとリードアラウド

いつもの私立小学校、小1、16人。
この日、なぜか子どもたちは、みんな固まって、「ハロー」と英語で挨拶しながら教室に入ってきた。
そして、シーンとしている……。

Hello, can you speak Japanese?
わたしも、ちょっとふざけて英語で尋ねる。
さらにみんなが固まる。
聞き取れた子が、No! No! なんて言ったり。

あ、そうだった!
今日が初めてのリードアラウド。
緊張していたのだ。
ならば、思いっきりほぐしてあげなきゃ。

First the Egg の表紙とカバーで、リードアラウドの約束をデモンストレーション。
「卵が先か、ニワトリが先か」の永遠の問いを、子どもたちに「順」を考えさせながら、first, thenの使い方に慣れさせる本だ。

カバーがついている状態だと、最初に卵で、それからニワトリ。
なのにカバーを取ると、ニワトリが先で卵が後の絵に早変わり。
簡単なダイカットというしかけを使った、アートとしても優れた本だ。
First…, Then…表紙をかけたり、とったり、読み方を変えたり、自分はどっちだ先だと思うか尋ねたり。
そのうちに、溶けてきた、溶けてきた。

いつもの、この小学校の生徒のおおらかな表現がポツ、ポツ。
そして、ダーッと。

授業参観の父母がいても、まったく怖いものなし。
うけよう、というわけでもなく、自然にのびのびと楽しい表現がでる。

ああ、解放されているなあ。
心の解放って、これだ。
これがリードアラウドを楽しくし、英語に親しむ要となる。
楽しい状態だと、そこでの英語に関わる多くの知識も、記憶に残りやすい。

この望ましい状態、環境は、大人たちの愛が作っているのだろう。
学校の先生方や、参観している父母たちの様子を見て思う。
子どもたちの自由な表現を、楽しそうに見ている。
「いい、いい、そういうのいいよ。もっとやってごらん」
そんな空気を、子は敏感に感じる。

unconditional love、いいなあ。

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