リードアラウド・ワークショップ#2を終えて

「オチのある超初級英語絵本」は、なかなか見つけにくい。
Cat the Catシリーズは、そこにすっぽり当てはまる。
日本の子たちにもっと楽しませたい本なので、2011年のワークショップの「目玉」教材のひとつにした。
これ1冊に、4〜12歳を教えられる力がある。

RA指導者が本書でまず心がけたいのは、楽しむこと。
先日のWSで、みなさんの読みが、この日、始めオズオズからだんだんエスカレートというか、豊かな表現に、そして笑い声が響いた事実からすると、この第1目標はたぶん達成!

英語指導者だけでなく、大人は一般的に文に頼りすぎる嫌いがあるが、絵本は文字通り、文と絵で合わせて100%+。
英語がまだよく読めない子どもは、特別に鋭い目で絵を見ているので、感性が摩耗していがちの大人は、大抵かなわない。
とは言え、なるべく近づきたい。

WSでは、各人の読みを講評をしながら、本の文と絵の解釈を深めていく。
今回の絵本は、ネコの少女が、個性豊かな友だちに出会う話だが、その個性は絵にかなり描き込まれている。
なのにも関わらず、大人は照れだけでなく、観察不足も確かにあり、その出会いに対して驚きや喜びの表現が平坦に近い。

そこで、絵本を楽しむ心、換言すれば「子ども心」を揺さぶり起こすのがWS。
面白さを頭で分かっても、心にまで降りて来ていないことが多い。
そんな時、どこが面白いかを言葉にして共有してみる。
すると、あら不思議、変化が生ずる。
この日も、みるみる読み方が輝いたのである!
こんな輝いた読みをする先生の指導なら、子どもたちは楽しいに違いない。

この日の手始めの読みは、なんの感情もないか、薄い(分かりにくい)感情だったり、観念的なものだった。
それが、面白さを共有したことで、ぴんぴん跳ねるような、子どもにも分かりやすい、生き生きした濃いものになった。
もしかしたら、各人には自覚がないかもしれないが、聴いたものにはその変化が歴然としていた。

WSの醍醐味のひとつは、他の参加者に聞いてもらうことで、自分を客観視できること、そして同時に他人の読みに対する「鑑賞力」がつくことだ。

この「鑑賞力」が、それぞれが指導者として生徒にRAを指導するときの、評価力に繋がる。
どういいのか、どこがいいのかを、具体的に評価できるようになる。

ただ「いい」ではなく「どこどこがいい」と言われると、嬉しいもので、さらによくなることが多々ある。
RAの指導のモットーのひとつ、「具体的に褒める」という力も、WSでさらに磨かれることになる。

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