子どもに絵本の「読み方」教えを乞う〜リードアラウド研究会

3歳の子どもがたまたま同席した、パパ、ママ向けのリードアラウドの会があった(ブックハウスカフェ、神保町のリードアラウドイベントにて)。

 

子どもと英語絵本をどう楽しむか、を大人に説く時に、特に強調するのは、

 

できるだけ子どもの目で見る

ということだ。

 

この日も、さっそく課題書『Shh! We Have a Plan』

を開き、大人たちに

「絵から想像して、どんな話か語りましょう」

と、まず表紙の絵から始めた。

 

「4人の人がいて3人がシーと指を口にあてている…」

と、大人。

 

そこに可愛らしい声が響いた。

「3人の人がシー言っちゃだめ、としているのを、チビちゃん(右端を指差しながら)がギロッと見ているの」
と3歳。

 

おお、確かに疑いの視線みたいなものを、右端の人物は発している…「あ、そうか」「気づかなかった」と、感心する大人たち。

 

「子どもが見るものを大人は見ない」と、ちょうどそこを指摘したかったわたしに、本物の子どもが目の前で鮮やかな対比を示してくれたではないか!

 

またある見開き2ページで1場面になっているところ。

そこで、大人は左ページから事象の変化を述べようとしたところ、またまた可愛い声がさえぎった。

「ここ、ここにbirdieがいるよ」

 

そう!

この場面、最初に見るべきは左ではなく、彼女が指差した右端の、象徴的なピンクの鳥なのである。

でも大人ときたら、順序にとらわれて左側を。この場面一番のものに目がいっていない。

 

本書のテーマであろう、美しく珍しい鳥を捕まえて一攫千金を狙うような汚れた大人と、美しいものを美しいまま愛でようと思う子どもの対比。

まるでそれがそのまま、この日の大人と子どもの本の解釈の差にも出たようで、愉快だった。

 

物語の伏線となる登場人物の視線の動きや、テーマの象徴でありまっさきに読者の目をひくように描かれたもの(青の基調色の中の鮮やかなピンクの鳥)を見逃すのは、大人。

悲しいくらいわたしたちは、鈍になってしまっている。

 

絵本を「読んでやろう」と偉そうにいうわたしたち大人は、文字が読めるだけで、実はちっとも絵本が「読めて」いないことが多いと自覚しよう。

だから、まずは文字をかくして、絵だけで物語を「読んで」、子どものときの目を少しでも思い出そう。

 

この日は、生身の子どもを「先生」に、子どもの絵本の「読み方」をよく学べた貴重な日であった。

 

 

★次回のブックハウスカフェでのリードアラウド 8月19日

1.パパママ向けリードアラウドfor 赤ちゃん(0〜3歳) ★11:30-12:15

予定絵本 Ten Little Fingers and Ten Little Toes   

2. 4以上親子、大人も!Let’s リードアラウド!   ★13:00-13:45  

予定絵本 Walter Was Worried        英語初めて子どもから

2017年度末スクール発表会-Yes, and〜キッズブックス英語スクール

3月のビッグイベント、子どもたちの発表会が終わった!

 

今年の発表会のふりかえりを、「Yes, and」の心でやってみたい。

 

「Yes, and」というのは、リードアラウドの指導方法のひとつとして取り入れた指導者の心構えだ。

子どもたちの発言、行動を、まずは「Yes」で肯定する。

ほめたり、讃えたり、何しろ受け入れる。

たとえ、こちらが用意していた「解答」とは違っていて、つい反射的に「No」と行ってしまう発言や行動にも、ひとまず、

いいね!

そうか!

かっこいい!

その手があったか!

ものはやりようだね!

まいったな!

などなど、Yesと言っても、「はい」「そうです」だけではない、様々な受容の言葉をかける。

 

また、Yesとしたあと、andで繋ぐ。

例えば、

そうか(Yes)、じゃそうやるのと(and)、先生が考えたのと違うか考えてみようか。

とか、

それから(and)、しばらく経つとこんなことになってるかも?

など、andで繋げて、話を展開したり発展させるのだ。

 

やはり、他人に否定されないことは、人間誰でも気持ちがいい。

「よかった!」「じゃまたやってみようか」という気持ちになれるというものだ。

 

ということで、発表会のふりかえりである。

 

驚いたのは、いつもよく読めるが、緊張からか、声が小さく、表情も表現も硬くなりがちのNさん。

驚きの変身!声も表情もはつらつだった。

それだよ!(Yes) その声、その表情に表現。おかげで(and) 朗読劇が、盛り上がった。

何が彼女の中で起こったのか。嬉しい変化が見られたステージだった。

 

そして、Cさん!

直前の練習でも、いっぺん指導するだけでコツをつかみ、表現が生き生き。

まるで、リードアラウドの生きた見本みたいだったが、本番でもやってくれた。

すごい(Yes) !

そして、練習したポイント一つ一つを忠実に再現するどころか、自分らしい表現も加わった。

 

生まれてからまだ8年ほどしか経っていないNさんとCさん。

人間ってすごいとつくづく思う。

 

完成度で言うと、最も高いのがNNさんだ。

ただの読み下しには、全く問題のない。

彼女には、表現の一歩深めたものを課題にしていた。

やってくれました(Yes)!

それは、読んでいる時の細かい顔の表情だったり、仕草だったり、本の内容を自分のものにして表出させるレベルまで行っている。

表現の密度などはもちろん、まだまだ詰められるけれど、最終練習から本番までの自分の時間でよくここまで、という完成度。

「恥ずかしがり屋」はどこへ?

 

Kくん。

直前の練習をお休みしたので、発表会を前にしたクラスメイトの緊張感、いい意味での「負荷」が足りなかったかも知れない。

また発表会当日のみんなの完成度に、気後れしたかも知れない。

 

それなのに、読めた(Yes)!

そして、スクールに来た時はアルファベットを途中まで言える程度だったのに、そして30分も座っていられなかったのに、なんと!

70分も発表会に付き合って、おまけに絵本1冊を一人で皆さんの前で読めるまでになったって、大成長。

朗読劇でも、難関の「自分が読むパートがどこか」というハードルもクリアできた。

物語の所々でウケて演じたりしてくれたのは、本を楽しんでいる証拠。

その心が、表現で「大化け」する日は遠くない予感がする。

 

Tくん。

余裕しゃくしゃくだったね(Yes)!

そう(and)、ほとんど一字一句間違えないで読める実力者。

そこであえて、ウケねらい?で「お経読み」も交えてくれた。

面白がってくれる、というクラスへの信頼感の表れで、実は指導者に一番ウケているかも。

 

ついついリードアラウドのいい表現で読みが顔を出す。やる時が来れば、やれる人だ。

そして、はっきりしたいい声で自信を持って読めるようになった。

これが、「大きな声で読む」に合点が行かなかった5~6歳の少年と同一人物とは思えない…。

 

みんな、楽しい時間をありがとう!

 

 

「キモい」といわれた中3のリスニング力~キッズブックス英語スクール

リードアラウドで英語を学んで6年余の中学3年生。

英検2級を甘く見て(?)、準備期間ほんの2週間程度、つまりは「実力」で受験したところ、案の定の「不合格」通知。

でもその「不合格」の内容が、悪くなかった。
すれすれの不合格。

それは、本人への戒めのためにもよかった。

 

結果を無造作にわたしに見せながら、その中学生が言った。

「いっしょに不合格になったともだちに、『キモい』って言われた」

 

「?」、わからない。

 

「リスニングの点が、異常にいいから」

 

ということらしい。へえ、それキモいか。

 

「リスニングのテストは、ふつうに何言っているのかわかるし」

 

今風に、ちょっと自慢げ。

わたしたちリードアラウド指導者も、いっしょにちょっと自慢げに

「ほほう」

 

 

そんな中学生に少々戒めの言葉を言っておいた。

英検2級程度の語彙、熟語は、「ふつうに」は身につかないと。

 

こういう標準テストでは、求められる語彙熟語だけは特別に勉強しないと、いい点数はとれない。

たとえばSATを受けるネイティブでも、「ふつうに」は身につかない。ちゃんと暗記したり、語源を学んだりするものだ。

 

リードアラウドがここで「キモい」くらい貢献したのは、リスニングだった。

「ふつうに」できるようになるようだ。

 

ネイティブ的に自然な速度や抑揚、言葉のこなれ具合、そして表現の聞き取りなど、確かにリードアラウドのレッスンでは日常的にやっているが、その実利的効果が、ひとまず日本の英語学習でいう「リスニング力」に出るらしい。

 

 

 

2017年度、絵本リードアラウド認定講師発表会が終わった(1)よかったところ〜リードアラウド研究会

絵本リードアラウド認定講師講座、年度の締めくくりは発表会&審査会。

1月13日当日、参加予定だったM.Y.さんとM.Iさんがどうしようもない事情でこられず。

ふたり分のあきが寂しかったが、遠方からのひとりも加え参加できたみなさんによる見応えのある発表会だった。

 

まずは、「よかったこと」を挙げたい。

1. 昨年と比べて、全員に明らかな上達が認められたこと

 

お世辞ではなく、全員に、というところがとても嬉しい。

たとえば、「声、言葉が少々不明瞭」と昨年の審査でコメントつけた人の場合。

その彼女は今年、「そんなこと書いたっけ?」とコメントを読み直したほど、声量も出て、滑舌も明瞭に。

 

個々への「上達」コメントをお楽しみに。

 

2. 模擬指導で、安心してみていられた。気になって長々と口を挟まずにすんだこと

 

一瞬「ダメ出ししようか」と思うことはあったが、そう思っているうちに、その瞬間はめでたくさった。みなさん自身が修正し、わたしの出る幕はなくなった。

安定感がかなりあり、みなさんの指導を楽しめた。

 

3. 見せ方、表情に違和感なく心地よかったこと

 

演出や盛り上げ方には、まだまだ工夫の余地はあるが、現状は自然でかつ知的、好感が持てる。

 

4. 表現にわざとらしさがなく、ユーモラス。笑いを誘えたこと。また特に上級者は、表現に細やかな思いが込めら、感動を呼んだこと

5. 英語指導者として正確で、信頼感を醸せたこと

 

 

 

 

久しぶり、ブックフェア@インターナショナル・スクール

ブックフェアは、子どもたちが本への愛を見せてくれるイベントでもあり、「販売員」も実に幸せな気持ちになる。

 

久しぶりに、朝から夕方までぶっ通しで、机二つに本を並べたミニ書店のおばさんを、インターの女子校でやった。

 

読み物の傾向は、この夏に見たアメリカの子どもたちとほぼ同じ。

インターナショナル・スクールは、本に関して米国とほとんど時差がない。

 

グラフィックノベル、
など、特にこの作者のものは強い。

 

語彙もいい語彙を使っていること、内容は小学生高学年から中学生の女子に興味がある、一種の成長譚。おっとりしたユーモアで、図書館司書の先生も太鼓判。
わたしも何冊か読んで、おもしろかったし。太鼓判。

 

簡単にできる材料付きクラフトセットも、パパが娘によく買ってくれた。
フェルトでかわいい人形を作ったり、冬休みにやりたくなる。

古典もまだまだ人気。
Charlotte’s Web
Roald Dahlのいろいろ。

 

面白いし、少女の心がきゅんとする。
好きだよね。

親御さんが、ざざざっとワークブックを買う風景も、見慣れた光景だ。
そんなにやれるのかなあ。
目を伏せた少女の表情が気になる。

 

Harry Potterは、今でも人気。

今頃?

と思っちゃいけない。

今、子どものひとたちは、最近この作品を知ったわけなんだから。

もはや古典の定番かな。

 

ちょっと複雑な気持ちになるのは、

表紙が特別かわいいけれど、内容はまあそうでもない、ちょっとした「少女だまし」っぽい本が人気なこと。

 

でも、読書になれること、好きになることが、特に2-3年生には重要だかれ、まあ必要悪か。

 

1050円の本があった。
ある少女が

I only have one thousand.

辛い。
「まけちゃえば?」

でも、誰かひとりにまけはじめると、きりがない。

This is one thousand and fifty yen, you know?

と言った。
しゃあない。