How to本嫌いを育てる〜キッズブックス英語スクール

どうしたら子どもを本好きに育てられるか。本嫌いが育つわけについて言及している斉藤惇夫さんの講演を紹介した記事 から、逆説的に考えてみる。

本嫌いはこうして育つ、と斉藤惇夫さんは言う。

読んでくれる人がいなかったか、テレビばかり見せられていたか、あまりに文章も絵も物語もひどい絵本、あるいはワークブックや総合絵本、つまり勉強に役立つように見えるものだけ与えられていたか、折角読んでもらっても質問されたり、お説教されていたり

まとめると、次の通り。

  1. 本を読んであげない 
  2. ひどい出来の絵本を与える(本をよく選ばない)
  3. 勉強に役立つように見えるもの(ワークブック、教科書的な総合絵本など。主に教材や学習出版社)を与える
  4. 読んであげながら(お勉強的な)質問をしたり、お説教をする

ところで、リードアラウドの一つの自慢は、選書だ。わたしは英語絵本を日本の子どもたちに読んでもらうために選書を始めて、もう27年。ほとんど毎年アメリカ出版界最大の本見本市に行ってもきた。毎日のように様々なニーズに応える選書もしてきた。目の前を通った本の数はかなりなもので、そろそろ選書のプロと言うのを許してもらえるかなと思う。

その選書プロとして我が選書の特徴は、

英語が母語ではない日本の子どもに

表現ある音読(リードアラウド)させる(その結果として内容も理解させる)本。

そして、これまで選んできた本のほとんどは、上の2.と3.のカテゴリーには入らないはずだ。

リードアラウドのスクール、講座、教室などに、子どもから一般大人、英語指導者まで様々な人々が集うが、そこで取り上げてきた絵本は、少なくとも「本嫌い」は生まない選書のつもりだ。ぜひ自信を持って家庭で、そして学校や教室で読んだり、読んでもらったり、読んだやったりして欲しい。

東京英語村(TGG)はどんなもん?〜キッズブックス英語スクール

Tokyo Global Gatewayhttps://tokyo-global-gateway.com/personal/programs/five-missions-at-attraction-area/ なる、いわゆる英語村が東京都に今年9月にオープンしたという。『アエライングリッシュ秋/冬号』で知った。東京都の構想および協力のもと、募って決定した企業グループが共同で会社を作り運営する。

江東区青海にあり、ゆりかもめで行けるところらしい。

館内は英語イマージョン環境で英語漬けになれところという設定だ。対象は小学生から高校生まで。平日は学校や団体利用のみで、8人グループで「生活シーン」をいろいろナビゲーターと一緒に英語を使って体験していくらしい。210分で8人、40,000円。

土日は、一般も予約で受け付ける。2時間で3,500円。10歳未満は親の付き添いが必須で、付き添い入場1,000円。

英語を使う典型的な生活シーンが作られている。飛行機の中、土産物店、レストラン、病院、食料品店、ホテル…子どもの生活に「典型的」かどうかわからないが、少なくとも大人の観光旅行の練習に良さそうなシーンだ。でも写真で見るとなんだかがらんとしていて、未来都市のラボの風情。

どのシーンにも、そこで仕事をしている人に扮した、それっぽくない、どちらかといえば英語の先生風の外国人がいて、英語で相手をしてくれるのだという。

うーむ。写真でみると、この施設はどうも活気がない。お店やさんごっこにしても、店構えなどなりきってないなあ。エンターテイメントの精神で作られておらず、先生の大真面目な「お勉強」精神な感じとでもいうか。なんか、つまらなそう。敏感な子どもなら、勉強させようという大人の意図がみえみえで、せっかくの日曜日に行こうという気がおこらない。

でもまあ、いつか見るだけは見ておきたい。


子どもに絵本の「読み方」の教えを乞う〜リードアラウド研究会

7月8日の神保町・ブックハウスカフェの「赤ちゃんと英語えほん:Let’sリードアラウド」では、三歳の子どもも参加してくれた。

子どもと英語絵本をどう楽しむか、を大人に説くときに、特に強調するのは、「できるだけ子どもの目で見る」ということだ。

この日も、さっそく課題書『Shh! We Have a Plan』を開き、「絵から想像して、どんな話か語りましょう」と、まず表紙の絵から始めた。

Shh! We Have a Plan

「四人いて、三人がシーと指を口にあてている……」と大人。

そこに可愛らしい声が響いた。
「さんにんがシーいっちゃだめしているのを、チビちゃん(右端を指差しながら)がギロッとみているの」と三歳。

おお、確かに、疑いの視線みたいなものを、右端の人物は発している……。
「あ、そうか」「気づかなかった」と、感心する大人たち。

「子どもが見るものを大人は見ない」ということをちょうど指摘したかったわたしに、子ども自身が目の前で鮮やかな対比を示してくれた!

また、見開き二ページで一場面になっているところ。
大人が左ページから事象の変化を述べようとしたところ、またまた可愛い声がさえぎった。
「ここ、ここにbirdieがいるよ」

そう!
この場面、最初に見るべきなのは左でなく、彼女が指差した右端にいる象徴的なピンクの鳥なのだ。
でも大人ときたら、順序にとらわれて左側を。この場面一番のものに目がいっていない。

本書のテーマであろう、美しく珍しい鳥を捕まえて一攫千金を狙うような汚れた大人と、美しいものを美しいまま愛でようと思う子どもの対比。
まるでそれがそのまま、この日の大人と子どもの本の解釈の差にも出たようで、愉快だった。

物語の伏線となる登場人物の視線の動きや、テーマの象徴であり、真っ先に読者の目をひくよう描かれたもの(青の基調色の中の鮮やかなピンクの鳥)を見逃すのは、大人。
わたしたちは、悲しいくらい鈍になってしまっている。

絵本を「読んでやろう」と偉そうに言うわたしたち大人は、ただ文字が読めるだけで、実はちっとも絵本が読めていないことが多いと自覚しよう。
だから、まずは文字を隠して、絵だけで物語を読んで、子どものときの目を少しでも思い出そう。
この日は、生身の子どもを先生に、子どもの絵本の読み方をよく学べた貴重な日だった。

○次回のブックハウスカフェのリードアラウド
TEL:03-6261-6177
申し込み

「赤ちゃんと英語えほん:Let’sリードアラウド」
日時:8月19日(日)11:30-12:15
教材:『Ten Little Fingers and Ten Little Toes』
Ten Little Fingers and Ten Little Toes

・「みんなで英語絵本:Let’sリードアラウド」
日時:8月19日(日)13:00-13:45
教材:『Walter Was Worried』
Walter Was Worried

2017年度末スクール発表会-Yes, and〜キッズブックス英語スクール

3月のビッグイベント、子どもたちの発表会が終わった!

 

今年の発表会のふりかえりを、「Yes, and」の心でやってみたい。

 

「Yes, and」というのは、リードアラウドの指導方法のひとつとして取り入れた指導者の心構えだ。

子どもたちの発言、行動を、まずは「Yes」で肯定する。

ほめたり、讃えたり、何しろ受け入れる。

たとえ、こちらが用意していた「解答」とは違っていて、つい反射的に「No」と行ってしまう発言や行動にも、ひとまず、

いいね!

そうか!

かっこいい!

その手があったか!

ものはやりようだね!

まいったな!

などなど、Yesと言っても、「はい」「そうです」だけではない、様々な受容の言葉をかける。

 

また、Yesとしたあと、andで繋ぐ。

例えば、

そうか(Yes)、じゃそうやるのと(and)、先生が考えたのと違うか考えてみようか。

とか、

それから(and)、しばらく経つとこんなことになってるかも?

など、andで繋げて、話を展開したり発展させるのだ。

 

やはり、他人に否定されないことは、人間誰でも気持ちがいい。

「よかった!」「じゃまたやってみようか」という気持ちになれるというものだ。

 

ということで、発表会のふりかえりである。

 

驚いたのは、いつもよく読めるが、緊張からか、声が小さく、表情も表現も硬くなりがちのNさん。

驚きの変身!声も表情もはつらつだった。

それだよ!(Yes) その声、その表情に表現。おかげで(and) 朗読劇が、盛り上がった。

何が彼女の中で起こったのか。嬉しい変化が見られたステージだった。

 

そして、Cさん!

直前の練習でも、いっぺん指導するだけでコツをつかみ、表現が生き生き。

まるで、リードアラウドの生きた見本みたいだったが、本番でもやってくれた。

すごい(Yes) !

そして、練習したポイント一つ一つを忠実に再現するどころか、自分らしい表現も加わった。

 

生まれてからまだ8年ほどしか経っていないNさんとCさん。

人間ってすごいとつくづく思う。

 

完成度で言うと、最も高いのがNNさんだ。

ただの読み下しには、全く問題のない。

彼女には、表現の一歩深めたものを課題にしていた。

やってくれました(Yes)!

それは、読んでいる時の細かい顔の表情だったり、仕草だったり、本の内容を自分のものにして表出させるレベルまで行っている。

表現の密度などはもちろん、まだまだ詰められるけれど、最終練習から本番までの自分の時間でよくここまで、という完成度。

「恥ずかしがり屋」はどこへ?

 

Kくん。

直前の練習をお休みしたので、発表会を前にしたクラスメイトの緊張感、いい意味での「負荷」が足りなかったかも知れない。

また発表会当日のみんなの完成度に、気後れしたかも知れない。

 

それなのに、読めた(Yes)!

そして、スクールに来た時はアルファベットを途中まで言える程度だったのに、そして30分も座っていられなかったのに、なんと!

70分も発表会に付き合って、おまけに絵本1冊を一人で皆さんの前で読めるまでになったって、大成長。

朗読劇でも、難関の「自分が読むパートがどこか」というハードルもクリアできた。

物語の所々でウケて演じたりしてくれたのは、本を楽しんでいる証拠。

その心が、表現で「大化け」する日は遠くない予感がする。

 

Tくん。

余裕しゃくしゃくだったね(Yes)!

そう(and)、ほとんど一字一句間違えないで読める実力者。

そこであえて、ウケねらい?で「お経読み」も交えてくれた。

面白がってくれる、というクラスへの信頼感の表れで、実は指導者に一番ウケているかも。

 

ついついリードアラウドのいい表現で読みが顔を出す。やる時が来れば、やれる人だ。

そして、はっきりしたいい声で自信を持って読めるようになった。

これが、「大きな声で読む」に合点が行かなかった5~6歳の少年と同一人物とは思えない…。

 

みんな、楽しい時間をありがとう!

 

 

「キモい」といわれた中3のリスニング力~キッズブックス英語スクール

リードアラウドで英語を学んで6年余の中学3年生。

英検2級を甘く見て(?)、準備期間ほんの2週間程度、つまりは「実力」で受験したところ、案の定の「不合格」通知。

でもその「不合格」の内容が、悪くなかった。
すれすれの不合格。

それは、本人への戒めのためにもよかった。

 

結果を無造作にわたしに見せながら、その中学生が言った。

「いっしょに不合格になったともだちに、『キモい』って言われた」

 

「?」、わからない。

 

「リスニングの点が、異常にいいから」

 

ということらしい。へえ、それキモいか。

 

「リスニングのテストは、ふつうに何言っているのかわかるし」

 

今風に、ちょっと自慢げ。

わたしたちリードアラウド指導者も、いっしょにちょっと自慢げに

「ほほう」

 

 

そんな中学生に少々戒めの言葉を言っておいた。

英検2級程度の語彙、熟語は、「ふつうに」は身につかないと。

 

こういう標準テストでは、求められる語彙熟語だけは特別に勉強しないと、いい点数はとれない。

たとえばSATを受けるネイティブでも、「ふつうに」は身につかない。ちゃんと暗記したり、語源を学んだりするものだ。

 

リードアラウドがここで「キモい」くらい貢献したのは、リスニングだった。

「ふつうに」できるようになるようだ。

 

ネイティブ的に自然な速度や抑揚、言葉のこなれ具合、そして表現の聞き取りなど、確かにリードアラウドのレッスンでは日常的にやっているが、その実利的効果が、ひとまず日本の英語学習でいう「リスニング力」に出るらしい。