「英語ができない」呪いがかかっている大人〜キッズブックス英語スクール

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親子向けのリードアラウドで、久しぶりの『Piggies』。カナマチぷらっとでは初めての本だ。

今回は1歳前後の子どもと親の組が主だった。

こういう会に、神保町などではたまに大人だけの参加も混じる。

なので、この日もひとり、大人の参加者がいても、特別なんということもなく、ごく自然にどういう興味で参加されたか尋ねてみた。

すると

「今の子どもはみんな英語がペラペラだし、大学を出た人たちもみんな英語がペラペラなので、自分は子どものときから英語もやっていないし、英語ができない。だから、絵本などから学ぶのがいいかなと思った。

と、とても強い断定の口調で語った。声の調子から、彼女のこれまでの苦い思いが吹き出してくるようだった。

「そんなでは、ないですよ」とこちらが、知っている実情を話そうとすると、頭をふって受け付けない様子をする。

しかたない。深入りせずに、いつものように、名前を尋ねることから始めた。

 

ところがもう、講師のことが気に食わなく思っていたのか、彼女の名前が聞き取れなかったわたしが何度か尋ねたら、爆発。

「⚪︎⚪︎⚪︎!」と、こういう場には不似合いな、怒声で名前を叫んだ。

 

確かめるまでもないのだが、ちょっと場違いな感情なので、彼女顔を確認すると、確かにとても不愉快な思いをした、という表情だった。

不快だったのはすまなかったが、そこまで失礼をしてしまったのか、と、こちらも驚いた。

 

とはいえ、何事もなかったように始め、親子との楽しいやりとりをして、「パパ、ママ、大人の英語のために」と、いつものように大人にも読んでもらう番になった。

「ここのところ、コブタたちをかわいいね、と注目させるように、形容詞も強調するように、お願いします」

と、彼女にふったところ、

「わたしは、いいです」と。

 

珍しい反応に一瞬戸惑ってから、

「ここでは、みなさんに参加してもらっていますから、お願いします」とこちらが言った途端、

「じゃ、結構です」

とまたまた強い口調でいい、すくっと立ち上がり、本をぽんっと椅子に投げ、背中を怒らせ、さーっと去っていった。

 

ヒャッー!

 

久しぶりに会った、ネガティブ空気を持つタイプの人だった。

 

「自分は英語できない」と、間違った呪いを自分にかけている人だろう。

「わたしは英語の勉強がしたい」と言いたいのに、その言葉が自分の中に浮かばない。

 

これも、リードアラウドの指導でモットーとする「Yes, and」と、その反対の「No, but」の違いだろう。

「英語する?」と言われて「はい、勉強したい」と本心を言えず、「いいや、できないから」と辞めてしまう。

 

絵本を一緒に読みに集まった親子がいて、彼女だけに関われなかったのが残念だ。もう少し関われたなら、彼女のなかに、肯定的な Yes, and  の気持ちが引き出せたかも、と思ってしまう。

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