リードアラウドに最適齢期あり?〜リードアラウド研究会

英語絵本を声に出して表現豊かに読む、というリードアラウドは、幅広い年齢で楽しめるものだ。

幼児から小中学生、そして大人と、年齢なりの楽しみ方がある。

 

それはそうなのだが、どうもみんな(「世間」)はそうは考えていない。

特に、ここ20年で「世間」の子どもと英語への考えが変わってきた。

 

その変化が現象として、見えてきたのがこの3~4年だろうか。

リードアラウドや英語絵本に興味を持って、書店のイベントなどに足を運んでくれるのが、主に就学前の4~6歳か、3歳未満の幼児と親御さんで、小学生がほぼこなくなってしまったのだ。

 

これはわたしのリードアラウドの発信力の弱さにもよるのだろう。

だがもうひとつ、公立小学校で一年生から英語を教えるようになったり、5、6年で教科のひとつに格上げされたことと、関係していると思う。

 

「絵本は未就学児までの、幼稚なもの」とか

「英語の意味とか単語とか発音とか、もう学校で習うからそれで充分」とか、

英語がそう得意ではなかった大人はなんとなく思うのではないかな。

 

でもそれは、No, No, No!

誤解。勘違い。事実誤認。

 

どういうことか。

ちょっと英語圏の小学校の「英語」(日本の学校で言えば「国語」)のクラスの教科書を想像して欲しい。

普段、英語を話している子どもたちの「英語」のだ。

 

絵本だ。

3年生のを覚えているが、絵本を合冊した分厚いものだった。教科書出版社が版権をちゃんとクリアして、まとめたもの。

5年生になっても、読み物が増えても、年相応の絵本がまだまだ使われる。

それは、文章や語彙や内容が、それ相応のものが絵本にはあって、いいものはロングセラーとして時の「審判」も受けて読み継がれているから。

 

英語絵本が、本格的な英語読書の橋渡しになること、そしてそれらが全ての教科に必要な読解力を作ることが、きちんと統計的にも経験的にも知られている。

音読し、表現を深めるreading aloudは、英語圏の学校で、読解の鍵を握ってもいると考えられている。

 

日本の小学校で始まった英語教育が、どれだけこの英語圏の小学生に近づけるだろうか。

 

今、公立小学校では週に2時限、「外国語」の教科として英語を教える。

まだ、授業は日本語で教えないと、生徒がついてこれないので、日本語だ。それはいい。

でも、圧倒的に英語密度が薄い。

語彙はまったく足りない。小学校卒業までに600~700語(英語圏では就学前までに万の単位の語彙を、使えたり、わかったりするという)。日本はこれだけの語が身につくのではなく「紹介」される。

慣用句もぽつぽつ紹介されているが、一回登場するのがやっと。

単語も慣用句も反復の機会が足りない。

いいことは、紹介される。だが、まるで「教えたよ」という証拠作りのような感じだ。

 

英語に限らず語学に必要なのは、反復やインプット、アウトプットで、密度を密にすること。

2023年現在、公立小学校では、それは出来ていない。

 

そこでそれを補えうのが、本を読むこと。小学生なら英語絵本。

それを音読だけでなく、表現を加えて読むリードアラウドで、読解すること。

 

小学生に、もっともっとリードアラウドに参加してもらうには、どうしたものか。

コメントを残す

CAPTCHA