スクールのreading assessmentで見えること〜キッズブックス英語スクール

我がスクールで、指導の進捗を診断するアセスメントを続けるうちに見えてきたこと。「絵本を読む(リードアラウドする)」ことでreading fluencyを身につける。この学びの特徴と思える例を、ひとつご紹介する。

幼稚園の年長の後期からリードアラウドを始め、現在、小学校中学年になったAさん。リスニングと反復が得意で、数年で音と文字が一致できるように、つまり英語が随分と読めるようになった。

スラスラ読み下しできると、誰しも気持ちがいいものだ。恐らくこういう気持ちのころだったのだろう。上機嫌でアセスメントを受けてくれた。予想通り、単語認知の正確さと、1分間で正しく読めた語数(読む速度)は、英語圏の子どもと比べても上々の出来だった。このアセスメントが優れているのは、スラスラ読むことだけでなく、表現力と読解力が伴った読み方かという、reading fluencyを診断する点だ。

読み終えて、改めて読解についてAさんに質問した。沈黙。普段は活発なので、「答えられない」という沈黙に驚いた。彼女の無機質的なスラスラした読み下しには、「表現」をほとんど感じることができなかった。

英語を学ぶとは、小学1、2年生にとって英語の文字を読み下すことが全てといった雰囲気がある。スラスラ読めたAさんは、ずいぶん達成感を得ていただろう。しかし、「英語が分かる」とは、読んだ英文の内容が頭に入ってくることだ。本当のfluent readingの大切な部分が、英語が非母国語の幼い子どもに理解できないのも無理はない。

幼いときから英語学習を始める子どもが、年々増加している。Aさんのように「スラスラ読めるが、意味はほとんど分からない」という問題を抱える子どもが増えていると思う。こうしたとき、どうするか。スクールではAさんへ、英語を英語で読解させる、意味を尋ねて本文中の言葉などで答えさせるという指導をうるさいほど増やした。

それから二年近く経った、本年度最後のアセスメント。「いま読んだ文は、どんな話だった?」と尋ねる私に、なぜか不愉快そうな暗い表情を見せるAさん。これは、納得のいかない結果のときによく見せる表情だ。本人の自己評価は低かったらしい。果たして内容理解の力は伸びたのか?

……おめでとう! 伸びています。不満げなAさんに伝えたい。指導者も嬉しい。内容について全く語れないレベルから、ところどころ(二、三よりも多く)、書かれていた内容について語れるレベルへ進んでいた。以前は、授業で本文について英語で質問すると、一語や一句で答えていた。この一年、長い語句、節、文で答えられることが徐々に増えていたので、まあ、当然の結果と言える。

道は確実に開けてきた。機嫌を直して、燃料をさらに足して、読んで学んでいこう。次のアセスメントでは、どんな結果が出るか、いまから楽しみだ。

3-Minute Reading Assessments Prehension: Word Recognition, Fluency, & Comprehension

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