前回に引き続き、子どもたちと『Elephants Cannot Dance!』を台本のように使って、Readers’ Theaterの練習をした。
相変わらず、一部が棒読みで、一部が自然な口語に近い読み方という現象は継続中。
スクールのベテラン生徒の中学生も、すらすら棒読み派。
10年以上、同様なことに直面してきた。
少人数のクラスばかりなので、大した説得力はないかもしれないけれど、この年齢に見られる棒読み現象は、一種「臨界期説」の派生現象かも?
[臨界期仮説/Critical Period]言語はある年齢(期間)を過ぎると獲得が不可能になる。
母語を獲得するために幼児期から使えた言語能力は、第二言語学習にも使えるが、年齢が上がるにつれて使用できなくなるという。
そう考えると腑に落ちる。
英語を聞いたままに、ネイティブの口語のように復唱し、サラサラと覚えることができる生徒は、まだ臨界期を迎えていない。
口語的な言い方を復唱させると、文字を読んでいる然とした読み方になる生徒は、臨界期を過ぎている。
質的に異なる臨界期があるとも言われている。
だから、スクールで直面してきた難しさは、英語学習の一部だけという感触がある。
これは別の機会に。
さて、臨界期を迎えている生徒に、どうやって英語の自然な口語的表現を指導するか。
これまでの指導経験で見えてきた、有効かもしれない方法がある。
それは、頭のチャンネルを変えさせること。
思考の分野ではなく、反射の分野で処理するチャンネルを開通させる。
「つい先生の口調をマネてしまった」という感覚だ。
指導者には、筋トレにも似た努力が必要だけれど、生徒にも頑張ってもらおう。
今年度も、あとひと踏ん張り、いやふた踏ん張り。