『The Very Hungry Caterpillar』その2:読むのが楽しくなったわけ〜リードアラウド研究会

『絵本リードアラウド認定講師講座 2022』第7回の課題絵本は、日本で一番有名な英語絵本かもしれない『The Very Hungry Caterpillar』。

この本をこれまでリードアラウドしてこなかった理由は、「その1」に書いた。

さて、リードアラウドでどう「料理」したか。

楽しいリードアラウドになったのはなぜか。

『The Very Hungry Caterpillar』には「魔力」がある。

表現者として心の準備をしっかりしないで読みはじめると、たいてい「これは、一つのリンゴですね、an apple。言ってみましょう」のような先生口調になってしまう。

これじゃ、リードアラウドの大切にしている楽しさがない。

英語に慣れていて勉強好きな子どもには、それでも問題ない。

しかし、英語に不慣れな子どもや、勉強モードに入りにくい子どもには、退屈になる。

そこで、読み手は、本から聞こえる本当の「声」に耳を傾けたい。

ひとつ、昆虫の変態という自然の驚くべき現象を、子どもたちに語りたくてしかたない昆虫博士・昆虫オタクの声。

もうひとつ、以前は「キャー、アオムシ!」と忌み嫌ったり、昆虫にまったく興味がなかったりしたが、初めて探究心が芽生え、子どもと一緒に興味津々で観察している、ヒヤヒヤしながらも真正の驚きの目を持つパパやママの声。

他にもあるだろうが、今回はこのふたつの声や語り口で読んでみた。

すると、うおー、別人!  

一度ダメ出しされたYさんが、昆虫オタクと決めて語り始めた。

本人曰く、「なにかが降りてきたみたいです」。

語り手になりきって読むYさんから、感情が自然にほとばしり、聞いていた私たちは引き込まれた。

この「憑依現象」は伝染性があった。

次のRさんは、いつものパターン化しがちなリードアラウドじゃない、そんな人いそうと思わせる語り手になりきった!

そして、大喝采を浴びた。

あ〜あ、楽しかった!

これなら、子どもも楽しめる。

楽しんでくれたら、内容が頭に入るだけでなく、自分で本を読もうとしてくれるはず。 

 The Very Hungry Caterpillar

絵本リードアラウド認定講師講座

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