夏休み、暑さがそんなに苦ではなかった小学生時代。
近所の公園にラジオ体操をしに行くために早起きして、最初に確かめるのは空。
毎日のように晴れが続いていたけれど、それでも心配で空を見ると、なぜか朝は空が白っぽい。
「曇りかな」と、一瞬がっかりする。
ラジオ体操から戻って、宿題とかして気がつくと昼近くになり、ふと見上げると空はすっかり青空になっていた。
そして青を背景に、白い積雲や入道雲がくっきり見えていた。
「青空はお昼頃からなんだ」と、思ったことを覚えている。
こんな夏の日を思い出す、7月期の朝日カルチャーセンター「声に出して読む英語絵本」の課題書、『All the World』。
そこにもこんな一節、
Morning sun
becomes noon-blue
がある。夏空だなあ。
子ども時代の嬉しい夏がたくさん詰まっている詩と、すばらしく躍動的な水彩画による絵本だ。
子どもは共感で、大人は遠い思い出の夏へ思いを馳せて、胸がいっぱいになる。
「夏は暑くて」「日焼けが嫌」などという、夏が嬉しかったころを忘れた大人の心のままで、読んで欲しくない。
幸い、受講者のみなさんに上記のような子ども時代の話をしたら、それぞれのなかに記憶されている子どものときの夏を思い起こしてもらえたみたい。
自分たちにもあった「こんな気持ち」「あんな気持ち」が、作者の言葉に乗ったようだった。
この日の講座、いいものを聞かせていただきました。